遺言書は、残された家族で遺産で揉めないためにも重要なものです。遺言書を遺さなかったために、遺族が骨肉の争いを繰り広げることになってしまった例は枚挙にいとまがありません。
しかし、その遺言書がかえって争いの火種となってしまう場合もあります。ここでは、佐藤洋子さん(48歳・専業主婦)の事例から、火種となりうる遺言書について学んでいきましょう。
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義母の介護をしていた義妹佐藤洋子さんは、会社員で年収680万円の夫・幸助さん(56歳)と二人暮らし。二人の子供は既に家を出て独立しています。義父となる幸助さんの父親はすでに亡くなっていますが、義母の恵子さん(81歳)は存命です。しかし、もとから体弱く足腰の立たなくなった恵子さんは要介護者となっており、その介護は義妹であり、恵子さんと同居の久美さん(53歳)に任されていました。久美さんは働いていませんでしたが、義父の遺産で二人暮らしには問題ないはず…と洋子さんは考えていたそうです。ところがある日、義母・恵子さんから幸助さんに「仕送り」のお願いが。義実家のことだからと細かい事を聞いていなかった洋子さんですが、どうやら義父の遺産はそこまで多くなく、年金を合わせても無職の二人が暮らしていくには不足してしまうということでした。夫の幸助さんはそのことをわかっていたのか、介護をしてくれている義妹への負い目もあり、月6万円の仕送りを約束してしまったそうです。しかし、幸助さんが勝手にしてしまった約束に納得がいかない洋子さん。夫との間で口論となってしまいます。「母が死んだらどうせ帰ってくるから」義母への仕送りをめぐり、夫と口論になった洋子さん。しかし、いまさら久美さんに働いてもらうのも難しいということもわかっていました。結局は、幸助さんの「母が死んだら、どうせ帰ってくるお金だから」という言葉に押し切られてしまいます。義母と義妹が住む義実家はそれなりの資産価値があり、義母が存命のうちは売りに出せないが、死後は売却して義妹の久美さんと分け合うとのことでした。義母自身、仕送りはあくまで借金としてとらえており、「自分が死んだら家を売って、借りた金の返済に」と言っていると聞き、やむなく洋子さんは義実家への仕送りを容認しました。介護をしてもらってるとはいえ、無職生活を続ける義妹の生活費にもなっていることにはやや釈然としないものもありましたが、義母の良い人柄も知っている洋子さんは、義母の「死んだら家を売って返済する」という言葉を信じて、それから6年あまり幸助さんの仕送りを許し続けました。計算してみると、仕送りの総額は約「450万円」にもなっていたそうです。[PHOTO]iStock そして、仕送りを始めてから6年と少しが経ち、義母の恵子さんが亡くなります。葬儀が終わり一息つくと、幸助さんと洋子さん、そして義妹の久美さんは家庭裁判所で遺言書を開封することにしました。遺言書に書かれていたのは…そこには、仕送りとして借りていた約「450万円」の返済が記されているはず…と思っていた洋子さんは、遺言書の内容を見て絶句しました。なんと、義母の遺した遺言書には、「家は全て久美に相続する。幸助には、家以外の資産すべてを相続する」という主旨の内容が記されていたのです。 しかし、金欠で仕送りを頼んできたくらいですから、家以外にとうてい「450万円」に足りるほどの資産があるとは思えません。洋子さんは、「騙された!」と思いましたが、相手は既に鬼籍。どうすることもできませんでした。その後、洋子さんは少しでもお金を取り返そうと、弁護士に相談します。しかし、このことがさらなる争いを生むことに。その経緯については、<【後編】56歳年収680万円会社員の夫が青ざめた…ヤバすぎる「母の遺言」が引き裂いた「家族の絆」>にて語ります。
佐藤洋子さんは、会社員で年収680万円の夫・幸助さん(56歳)と二人暮らし。二人の子供は既に家を出て独立しています。義父となる幸助さんの父親はすでに亡くなっていますが、義母の恵子さん(81歳)は存命です。
しかし、もとから体弱く足腰の立たなくなった恵子さんは要介護者となっており、その介護は義妹であり、恵子さんと同居の久美さん(53歳)に任されていました。
久美さんは働いていませんでしたが、義父の遺産で二人暮らしには問題ないはず…と洋子さんは考えていたそうです。
ところがある日、義母・恵子さんから幸助さんに「仕送り」のお願いが。義実家のことだからと細かい事を聞いていなかった洋子さんですが、どうやら義父の遺産はそこまで多くなく、年金を合わせても無職の二人が暮らしていくには不足してしまうということでした。
夫の幸助さんはそのことをわかっていたのか、介護をしてくれている義妹への負い目もあり、月6万円の仕送りを約束してしまったそうです。
しかし、幸助さんが勝手にしてしまった約束に納得がいかない洋子さん。夫との間で口論となってしまいます。
義母への仕送りをめぐり、夫と口論になった洋子さん。
しかし、いまさら久美さんに働いてもらうのも難しいということもわかっていました。
結局は、幸助さんの「母が死んだら、どうせ帰ってくるお金だから」という言葉に押し切られてしまいます。義母と義妹が住む義実家はそれなりの資産価値があり、義母が存命のうちは売りに出せないが、死後は売却して義妹の久美さんと分け合うとのことでした。義母自身、仕送りはあくまで借金としてとらえており、「自分が死んだら家を売って、借りた金の返済に」と言っていると聞き、やむなく洋子さんは義実家への仕送りを容認しました。
介護をしてもらってるとはいえ、無職生活を続ける義妹の生活費にもなっていることにはやや釈然としないものもありましたが、義母の良い人柄も知っている洋子さんは、義母の「死んだら家を売って返済する」という言葉を信じて、それから6年あまり幸助さんの仕送りを許し続けました。計算してみると、仕送りの総額は約「450万円」にもなっていたそうです。
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そして、仕送りを始めてから6年と少しが経ち、義母の恵子さんが亡くなります。葬儀が終わり一息つくと、幸助さんと洋子さん、そして義妹の久美さんは家庭裁判所で遺言書を開封することにしました。遺言書に書かれていたのは…そこには、仕送りとして借りていた約「450万円」の返済が記されているはず…と思っていた洋子さんは、遺言書の内容を見て絶句しました。なんと、義母の遺した遺言書には、「家は全て久美に相続する。幸助には、家以外の資産すべてを相続する」という主旨の内容が記されていたのです。 しかし、金欠で仕送りを頼んできたくらいですから、家以外にとうてい「450万円」に足りるほどの資産があるとは思えません。洋子さんは、「騙された!」と思いましたが、相手は既に鬼籍。どうすることもできませんでした。その後、洋子さんは少しでもお金を取り返そうと、弁護士に相談します。しかし、このことがさらなる争いを生むことに。その経緯については、<【後編】56歳年収680万円会社員の夫が青ざめた…ヤバすぎる「母の遺言」が引き裂いた「家族の絆」>にて語ります。
そして、仕送りを始めてから6年と少しが経ち、義母の恵子さんが亡くなります。
葬儀が終わり一息つくと、幸助さんと洋子さん、そして義妹の久美さんは家庭裁判所で遺言書を開封することにしました。
そこには、仕送りとして借りていた約「450万円」の返済が記されているはず…と思っていた洋子さんは、遺言書の内容を見て絶句しました。
なんと、義母の遺した遺言書には、「家は全て久美に相続する。幸助には、家以外の資産すべてを相続する」という主旨の内容が記されていたのです。
しかし、金欠で仕送りを頼んできたくらいですから、家以外にとうてい「450万円」に足りるほどの資産があるとは思えません。洋子さんは、「騙された!」と思いましたが、相手は既に鬼籍。どうすることもできませんでした。その後、洋子さんは少しでもお金を取り返そうと、弁護士に相談します。しかし、このことがさらなる争いを生むことに。その経緯については、<【後編】56歳年収680万円会社員の夫が青ざめた…ヤバすぎる「母の遺言」が引き裂いた「家族の絆」>にて語ります。
しかし、金欠で仕送りを頼んできたくらいですから、家以外にとうてい「450万円」に足りるほどの資産があるとは思えません。洋子さんは、「騙された!」と思いましたが、相手は既に鬼籍。どうすることもできませんでした。
その後、洋子さんは少しでもお金を取り返そうと、弁護士に相談します。しかし、このことがさらなる争いを生むことに。その経緯については、<【後編】56歳年収680万円会社員の夫が青ざめた…ヤバすぎる「母の遺言」が引き裂いた「家族の絆」>にて語ります。