王将フードサービスの前社長が殺害された事件で逮捕された工藤会系組幹部田中幸雄容疑者(56)は、以前にも手口が類似した発砲事件を起こして懲役10年が確定し、福岡刑務所に服役中だった。
確定判決によると、田中容疑者は王将事件の約6年前の2008年1月、大手ゼネコンの社員ら3人が乗った乗用車に向けて拳銃を4発発砲し、バンパーなどを壊した。
田中容疑者はこの事件の前日や当日、作業服に長靴を着用して現場のビル付近を歩いたり、フルフェースのヘルメットをかぶって原付きバイクで走行したりしていた。当日はビルに戻ってきた乗用車の前に立ちふさがって発砲し、近くに止めてあった原付きバイクで逃走。事件前には仲間に対し「特命が来ました」「間違っても相手にけがさせちゃいかんので自分がやります」などと話していた。
王将事件でも、前社長は本社に出勤してきたところを4発撃たれていた。事件後に発見された盗難バイクからは硝煙反応が出たほか、現場のタイヤ跡と一致し、逃走に使われたとみられている。