渋谷の街頭に貼りだされたマナー向上を訴えるポスターは呼びかける――「自由とモラルはセットだろ?」
【画像】バニーガールのコスプレ集団は「エロイカラダ! YEAH!」と声をかけられていた 今年もハロウィーンの時期がやってきた。文春オンラインは、多くの仮装した若者が渋谷を舞台にお祭り騒ぎに興じる様子を毎年お伝えしてきた。昨年はコロナ禍の只中ということもあり、区からは”自粛要請”が出されていた。しかし、そんなものはどこ吹く風。「緊急事態宣言」が明けたばかりという解放感も手伝い、多くの若者がセンター街にコスプレ姿で集結し、大いにハロウィーン騒ぎに明け暮れたのだった。

今年のハロウィンのトレンドは… 文藝春秋 さて今年はどうか。渋谷区の長谷部健区長は、10月20日の記者会見で「渋谷に来られる場合はルールを守って」と呼びかけた。感染者数の減少や入国規制の緩和、イベントなども随時再開されていることをうけ、計5800万円のハロウィーン対策費も計上されている。人出が増えるのは、誰の目にも明らかなのだ。10月28日(金)の“前夜祭” ハロウィーン本番に先立つ10月28日。取材班が現地を訪れると、そこには予想通り多くの若者の姿があった。ハロウィーンの“前夜祭”ともいうべき花の金曜日。狂乱の前兆を見せた一夜の模様をお届けする。◆◆◆ 10月28日の夕方、渋谷の街は人こそ多いものの、仮想姿で練り歩くひとはほとんど見当たらない。しかし、日が落ち街灯に灯がともる時刻になると徐々に人が増え、飲食店が多く並ぶセンター街も活気があふれてくる。 毎年この時期になるとセンター街のパトロールをしている渋谷センター商店街振興組合理事長の小野寿幸さん(80)は、ハロウィーンの渋谷の様子を「あれはハロウィーンではなく暴動ですよ」と苦言を呈す。「毎年、商店街はハロウィーンにかこつけて騒ぐ連中からひどく迷惑をこうむっています。ゴミの問題もありますし、喧嘩やナンパ、街中で大小かまわず用を足す人もいます。2階に上がる階段や、ビルの間、ひどい時にはエレベーターの中を汚されたことだってあります。毎年のようにお店のシャッターが押し潰されて変形し、サンプルケースを割られることもあります」 昨年はハロウィーンの直前まで緊急事態宣言が発令されていたこともあり、人々の“密”への警戒心も強かった。しかし、今年は全国旅行支援の開始や外国人旅行客の入国緩和など、コロナ禍が終わったような空気が漂っている。小野さんは昨年に比べて人が増えるのではないかと危惧していた。「もういい加減にしなさい」「今年は入国制限も緩和されて街に外国人観光客が増えています。ここ数日は感染者数が増えているのですが、若者はコロナが怖くないですからね。関係なく渋谷にくるんです。例年よりも人が増えると予想して、警察や区役所と連携していつも以上に警戒を強めています。終電で帰る人たちはまだ大人しいんです。たちが悪いのは22時過ぎから渋谷にやってくる人たち。彼ら明け方まで酒を飲んで騒ぎます。若者じゃなくてバカ者ですよ。もういい加減にしなさいという感じです」 小野さんの危惧するように、人の流れが多くても不安をかかえる店舗も多いようだ。近隣の宝飾品店の店員はため息をつく。「うちの店みたいなところはハロウィーン関係ないですし、逆にお客さん渋谷こわがってきませんからね、売り上げは期待できません。明日からは6時には閉めようと思ってます」 既にセンター街には人があふれかえり、コロナに対する危機感はみじんも感じられない。近隣のディスカウントストアの店員は語る。「最近人すごいっすよ。毎晩、若者やら入国規制緩和で外国人がガンガン来て、夜に酒を買っています。酔っ払いも多くて毎日ゲロ掃除です。渋谷区の要請で酒売っちゃだめといわれているけど、でも売り上げはあがるし、どうしようか上と話しています。予想では、29日の土曜日夜と31日の月曜日がヤバいんじゃないかな。平日なんて関係ないっすよあいつらは」 18時も過ぎるとパラパラと仮装した人の姿を見かけるようになった。神奈川から来たという映画泥棒に扮した34歳の男性は記者にこう語った。31日まで我慢できず…「我慢できず、今日からきちゃいました。10年くらいきていて毎年同じかっこうです。カメラとサイレンどちらも、1か月くらいかけて制作しています予算は1万円です。ルールも守って楽しむつもりです。違反をしている人がいたら指導します」 部活帰りの学生も渋谷に足を運んでいた。17歳の高校生二人組はコロナのせいで学生生活に大きな規制がかかっていたようだ。「ダンス部でハロウィーンの撮影をしたので、その帰りです。これまで中学の頃から規制だらけでずっと来られませんでした。マナーまもって月曜日本番はセーラー服に天使のカバンで楽しみたいと思います」 ハロウィーンの仮装と言えば、その年に流行ったアニメやドラマのコスプレだ。一昨年は「鬼滅の刃」、昨年は「東京卍リベンジャーズ」のコスプレが人気を博したが、今年は「SPY FAMILY」が人気の様子だ。取材班は「SPY FAMILY」の人気キャラクター、アーニャに扮したアラフィフの女性を見つけた。やっぱり「SPY FAMILY」!「コロナは気になるので少し早くきました。ハロウィーンは毎年来てましたが最後はコロナ前のとき。スパイファミリーは好きですね。特に犬のボンドが好きですけど、今回はアーニャにしました。旦那にはまだいってません、帰ってみせたらどんな反応するのか…」 放送中のアニメ「チェンソーマン」も人気のようだ。「チェンソーマンが好きだ」と語る香港出身の大学生は今日だけでは飽きたらず、日曜と月曜も渋谷に来ると語った。 また、同作のキャラクターに扮した20代の男性二人組はtiktokerだという。「僕たち『最弱パーティー』という名前で活動しています。埼玉のシェアハウスに住んでいて、今日はYouTubeの撮影できました。明日、明後日、本番は少し怖いから家で過ごします。ピンク髪はマキマ、脇汗を強調しています。デンジは1日でつくりました」やっぱりゴミに嘔吐に雑魚寝 20時を過ぎるとセンター街のコンビニエンスストアの前に人だかりができはじめていた。そのほとんどが外国人で片手にはビール缶などを握っていた。渋谷区は28日の18時から路上での飲酒自粛を呼び掛けている。 平日ということもあってコスプレをしている人より、普段着の人が多い渋谷だったが、その中でもひときわ目立ったのは外国人のコスプレだ。入国規制緩和の影響か、取材班は渋谷ハロウィーンを楽しむ多くの外国人を目撃した。路上飲酒禁止の呼びかけもむなしく「SPY FAMILY」のキャラクターに扮した男女はフィリピンとアメリカ出身。「『SPY FAMILY』はアニメが大好き。彼は漫画も読んでいます」と語った。 21時になると、1件目で一杯飲み終えたほろ酔い気分の人が増えてくる。すると、向こうから何やら見覚えのあるような、ないような顔が近づいてくる。その40代男性が扮するのはお笑い芸人、和牛の水田信二だという。「自分としては少し太ってしまったので、似ているかどうか点数をつけるとしたら32点ですね。お笑い芸人は若い子、女子高生がボリュームゾーンでよく受けるんですよね。ハロウィーンだけ人気者です。コロナは大丈夫です。体作って来たんで」 センター街に異変が生じたのは22時頃だった。お盆を持った若い女性二人組がセンター街のあちこちに出現しはじめた。お盆にはいくつもの紙コップが載せられており、その中身はテキーラだという。路上に現れた即席ガールズバー 道行く男性2人組が女性に近づくと千円札を一枚渡し、コップを二つ受け取る。すると女性がすかさず「うちらの分は?」とおねだりした。男性たちは苦笑いするとさらに千円を取り出し、4人で仲良く中身をあおっていた。どうやら即席のガールズバーのようだ。 街の中にはビールの缶や食べ物の袋があちこちに捨てられ、嘔吐の跡らしきものも散見された。路地には酔いつぶれた友人を介抱するグループもみられた。 JR渋谷駅のハチ公改札前に向かうと、「勝鬨じゃー! エイエイオー!」という掛け声が聞こえてきた。声のする方を見ると、全身が電飾で光り輝く男性が、これまた電飾で光り輝く自転車にまたがっていた。「今日のテーマは、“世の中を明るく照らそうホトトギス”です。普段はウーバーでやったりしています。ショーパブの仕事が無くなってしまって。今日は渋谷を盛り上げようと思って来ました。明日も明後日も盛り上げに来ようと思っています。そのあたりに自転車を止めて今日はそろそろ帰ろうと思っています」嵐の前の静けさなのか そして日付が変わる頃。駅へと向かう人もいれば、バーになだれ込む若者の姿も目立った。バニーガール姿の集団は、「エロイカラダ! Yeah!」と声をかけられ、嬉しそうに笑っていた。こうして渋谷ハロウィーンのカオスな“前夜祭”は更けていくのだった。 前夜祭だからこの程度で済んだのか、前夜祭なのにこれだけの騒ぎなのか。本番の31日がくるまでまだわからない。(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))
今年もハロウィーンの時期がやってきた。文春オンラインは、多くの仮装した若者が渋谷を舞台にお祭り騒ぎに興じる様子を毎年お伝えしてきた。昨年はコロナ禍の只中ということもあり、区からは”自粛要請”が出されていた。しかし、そんなものはどこ吹く風。「緊急事態宣言」が明けたばかりという解放感も手伝い、多くの若者がセンター街にコスプレ姿で集結し、大いにハロウィーン騒ぎに明け暮れたのだった。
今年のハロウィンのトレンドは… 文藝春秋
さて今年はどうか。渋谷区の長谷部健区長は、10月20日の記者会見で「渋谷に来られる場合はルールを守って」と呼びかけた。感染者数の減少や入国規制の緩和、イベントなども随時再開されていることをうけ、計5800万円のハロウィーン対策費も計上されている。人出が増えるのは、誰の目にも明らかなのだ。
ハロウィーン本番に先立つ10月28日。取材班が現地を訪れると、そこには予想通り多くの若者の姿があった。ハロウィーンの“前夜祭”ともいうべき花の金曜日。狂乱の前兆を見せた一夜の模様をお届けする。
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10月28日の夕方、渋谷の街は人こそ多いものの、仮想姿で練り歩くひとはほとんど見当たらない。しかし、日が落ち街灯に灯がともる時刻になると徐々に人が増え、飲食店が多く並ぶセンター街も活気があふれてくる。
毎年この時期になるとセンター街のパトロールをしている渋谷センター商店街振興組合理事長の小野寿幸さん(80)は、ハロウィーンの渋谷の様子を「あれはハロウィーンではなく暴動ですよ」と苦言を呈す。「毎年、商店街はハロウィーンにかこつけて騒ぐ連中からひどく迷惑をこうむっています。ゴミの問題もありますし、喧嘩やナンパ、街中で大小かまわず用を足す人もいます。2階に上がる階段や、ビルの間、ひどい時にはエレベーターの中を汚されたことだってあります。毎年のようにお店のシャッターが押し潰されて変形し、サンプルケースを割られることもあります」 昨年はハロウィーンの直前まで緊急事態宣言が発令されていたこともあり、人々の“密”への警戒心も強かった。しかし、今年は全国旅行支援の開始や外国人旅行客の入国緩和など、コロナ禍が終わったような空気が漂っている。小野さんは昨年に比べて人が増えるのではないかと危惧していた。「もういい加減にしなさい」「今年は入国制限も緩和されて街に外国人観光客が増えています。ここ数日は感染者数が増えているのですが、若者はコロナが怖くないですからね。関係なく渋谷にくるんです。例年よりも人が増えると予想して、警察や区役所と連携していつも以上に警戒を強めています。終電で帰る人たちはまだ大人しいんです。たちが悪いのは22時過ぎから渋谷にやってくる人たち。彼ら明け方まで酒を飲んで騒ぎます。若者じゃなくてバカ者ですよ。もういい加減にしなさいという感じです」 小野さんの危惧するように、人の流れが多くても不安をかかえる店舗も多いようだ。近隣の宝飾品店の店員はため息をつく。「うちの店みたいなところはハロウィーン関係ないですし、逆にお客さん渋谷こわがってきませんからね、売り上げは期待できません。明日からは6時には閉めようと思ってます」 既にセンター街には人があふれかえり、コロナに対する危機感はみじんも感じられない。近隣のディスカウントストアの店員は語る。「最近人すごいっすよ。毎晩、若者やら入国規制緩和で外国人がガンガン来て、夜に酒を買っています。酔っ払いも多くて毎日ゲロ掃除です。渋谷区の要請で酒売っちゃだめといわれているけど、でも売り上げはあがるし、どうしようか上と話しています。予想では、29日の土曜日夜と31日の月曜日がヤバいんじゃないかな。平日なんて関係ないっすよあいつらは」 18時も過ぎるとパラパラと仮装した人の姿を見かけるようになった。神奈川から来たという映画泥棒に扮した34歳の男性は記者にこう語った。31日まで我慢できず…「我慢できず、今日からきちゃいました。10年くらいきていて毎年同じかっこうです。カメラとサイレンどちらも、1か月くらいかけて制作しています予算は1万円です。ルールも守って楽しむつもりです。違反をしている人がいたら指導します」 部活帰りの学生も渋谷に足を運んでいた。17歳の高校生二人組はコロナのせいで学生生活に大きな規制がかかっていたようだ。「ダンス部でハロウィーンの撮影をしたので、その帰りです。これまで中学の頃から規制だらけでずっと来られませんでした。マナーまもって月曜日本番はセーラー服に天使のカバンで楽しみたいと思います」 ハロウィーンの仮装と言えば、その年に流行ったアニメやドラマのコスプレだ。一昨年は「鬼滅の刃」、昨年は「東京卍リベンジャーズ」のコスプレが人気を博したが、今年は「SPY FAMILY」が人気の様子だ。取材班は「SPY FAMILY」の人気キャラクター、アーニャに扮したアラフィフの女性を見つけた。やっぱり「SPY FAMILY」!「コロナは気になるので少し早くきました。ハロウィーンは毎年来てましたが最後はコロナ前のとき。スパイファミリーは好きですね。特に犬のボンドが好きですけど、今回はアーニャにしました。旦那にはまだいってません、帰ってみせたらどんな反応するのか…」 放送中のアニメ「チェンソーマン」も人気のようだ。「チェンソーマンが好きだ」と語る香港出身の大学生は今日だけでは飽きたらず、日曜と月曜も渋谷に来ると語った。 また、同作のキャラクターに扮した20代の男性二人組はtiktokerだという。「僕たち『最弱パーティー』という名前で活動しています。埼玉のシェアハウスに住んでいて、今日はYouTubeの撮影できました。明日、明後日、本番は少し怖いから家で過ごします。ピンク髪はマキマ、脇汗を強調しています。デンジは1日でつくりました」やっぱりゴミに嘔吐に雑魚寝 20時を過ぎるとセンター街のコンビニエンスストアの前に人だかりができはじめていた。そのほとんどが外国人で片手にはビール缶などを握っていた。渋谷区は28日の18時から路上での飲酒自粛を呼び掛けている。 平日ということもあってコスプレをしている人より、普段着の人が多い渋谷だったが、その中でもひときわ目立ったのは外国人のコスプレだ。入国規制緩和の影響か、取材班は渋谷ハロウィーンを楽しむ多くの外国人を目撃した。路上飲酒禁止の呼びかけもむなしく「SPY FAMILY」のキャラクターに扮した男女はフィリピンとアメリカ出身。「『SPY FAMILY』はアニメが大好き。彼は漫画も読んでいます」と語った。 21時になると、1件目で一杯飲み終えたほろ酔い気分の人が増えてくる。すると、向こうから何やら見覚えのあるような、ないような顔が近づいてくる。その40代男性が扮するのはお笑い芸人、和牛の水田信二だという。「自分としては少し太ってしまったので、似ているかどうか点数をつけるとしたら32点ですね。お笑い芸人は若い子、女子高生がボリュームゾーンでよく受けるんですよね。ハロウィーンだけ人気者です。コロナは大丈夫です。体作って来たんで」 センター街に異変が生じたのは22時頃だった。お盆を持った若い女性二人組がセンター街のあちこちに出現しはじめた。お盆にはいくつもの紙コップが載せられており、その中身はテキーラだという。路上に現れた即席ガールズバー 道行く男性2人組が女性に近づくと千円札を一枚渡し、コップを二つ受け取る。すると女性がすかさず「うちらの分は?」とおねだりした。男性たちは苦笑いするとさらに千円を取り出し、4人で仲良く中身をあおっていた。どうやら即席のガールズバーのようだ。 街の中にはビールの缶や食べ物の袋があちこちに捨てられ、嘔吐の跡らしきものも散見された。路地には酔いつぶれた友人を介抱するグループもみられた。 JR渋谷駅のハチ公改札前に向かうと、「勝鬨じゃー! エイエイオー!」という掛け声が聞こえてきた。声のする方を見ると、全身が電飾で光り輝く男性が、これまた電飾で光り輝く自転車にまたがっていた。「今日のテーマは、“世の中を明るく照らそうホトトギス”です。普段はウーバーでやったりしています。ショーパブの仕事が無くなってしまって。今日は渋谷を盛り上げようと思って来ました。明日も明後日も盛り上げに来ようと思っています。そのあたりに自転車を止めて今日はそろそろ帰ろうと思っています」嵐の前の静けさなのか そして日付が変わる頃。駅へと向かう人もいれば、バーになだれ込む若者の姿も目立った。バニーガール姿の集団は、「エロイカラダ! Yeah!」と声をかけられ、嬉しそうに笑っていた。こうして渋谷ハロウィーンのカオスな“前夜祭”は更けていくのだった。 前夜祭だからこの程度で済んだのか、前夜祭なのにこれだけの騒ぎなのか。本番の31日がくるまでまだわからない。(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))
毎年この時期になるとセンター街のパトロールをしている渋谷センター商店街振興組合理事長の小野寿幸さん(80)は、ハロウィーンの渋谷の様子を「あれはハロウィーンではなく暴動ですよ」と苦言を呈す。
「毎年、商店街はハロウィーンにかこつけて騒ぐ連中からひどく迷惑をこうむっています。ゴミの問題もありますし、喧嘩やナンパ、街中で大小かまわず用を足す人もいます。2階に上がる階段や、ビルの間、ひどい時にはエレベーターの中を汚されたことだってあります。毎年のようにお店のシャッターが押し潰されて変形し、サンプルケースを割られることもあります」
昨年はハロウィーンの直前まで緊急事態宣言が発令されていたこともあり、人々の“密”への警戒心も強かった。しかし、今年は全国旅行支援の開始や外国人旅行客の入国緩和など、コロナ禍が終わったような空気が漂っている。小野さんは昨年に比べて人が増えるのではないかと危惧していた。「もういい加減にしなさい」「今年は入国制限も緩和されて街に外国人観光客が増えています。ここ数日は感染者数が増えているのですが、若者はコロナが怖くないですからね。関係なく渋谷にくるんです。例年よりも人が増えると予想して、警察や区役所と連携していつも以上に警戒を強めています。終電で帰る人たちはまだ大人しいんです。たちが悪いのは22時過ぎから渋谷にやってくる人たち。彼ら明け方まで酒を飲んで騒ぎます。若者じゃなくてバカ者ですよ。もういい加減にしなさいという感じです」 小野さんの危惧するように、人の流れが多くても不安をかかえる店舗も多いようだ。近隣の宝飾品店の店員はため息をつく。「うちの店みたいなところはハロウィーン関係ないですし、逆にお客さん渋谷こわがってきませんからね、売り上げは期待できません。明日からは6時には閉めようと思ってます」 既にセンター街には人があふれかえり、コロナに対する危機感はみじんも感じられない。近隣のディスカウントストアの店員は語る。「最近人すごいっすよ。毎晩、若者やら入国規制緩和で外国人がガンガン来て、夜に酒を買っています。酔っ払いも多くて毎日ゲロ掃除です。渋谷区の要請で酒売っちゃだめといわれているけど、でも売り上げはあがるし、どうしようか上と話しています。予想では、29日の土曜日夜と31日の月曜日がヤバいんじゃないかな。平日なんて関係ないっすよあいつらは」 18時も過ぎるとパラパラと仮装した人の姿を見かけるようになった。神奈川から来たという映画泥棒に扮した34歳の男性は記者にこう語った。31日まで我慢できず…「我慢できず、今日からきちゃいました。10年くらいきていて毎年同じかっこうです。カメラとサイレンどちらも、1か月くらいかけて制作しています予算は1万円です。ルールも守って楽しむつもりです。違反をしている人がいたら指導します」 部活帰りの学生も渋谷に足を運んでいた。17歳の高校生二人組はコロナのせいで学生生活に大きな規制がかかっていたようだ。「ダンス部でハロウィーンの撮影をしたので、その帰りです。これまで中学の頃から規制だらけでずっと来られませんでした。マナーまもって月曜日本番はセーラー服に天使のカバンで楽しみたいと思います」 ハロウィーンの仮装と言えば、その年に流行ったアニメやドラマのコスプレだ。一昨年は「鬼滅の刃」、昨年は「東京卍リベンジャーズ」のコスプレが人気を博したが、今年は「SPY FAMILY」が人気の様子だ。取材班は「SPY FAMILY」の人気キャラクター、アーニャに扮したアラフィフの女性を見つけた。やっぱり「SPY FAMILY」!「コロナは気になるので少し早くきました。ハロウィーンは毎年来てましたが最後はコロナ前のとき。スパイファミリーは好きですね。特に犬のボンドが好きですけど、今回はアーニャにしました。旦那にはまだいってません、帰ってみせたらどんな反応するのか…」 放送中のアニメ「チェンソーマン」も人気のようだ。「チェンソーマンが好きだ」と語る香港出身の大学生は今日だけでは飽きたらず、日曜と月曜も渋谷に来ると語った。 また、同作のキャラクターに扮した20代の男性二人組はtiktokerだという。「僕たち『最弱パーティー』という名前で活動しています。埼玉のシェアハウスに住んでいて、今日はYouTubeの撮影できました。明日、明後日、本番は少し怖いから家で過ごします。ピンク髪はマキマ、脇汗を強調しています。デンジは1日でつくりました」やっぱりゴミに嘔吐に雑魚寝 20時を過ぎるとセンター街のコンビニエンスストアの前に人だかりができはじめていた。そのほとんどが外国人で片手にはビール缶などを握っていた。渋谷区は28日の18時から路上での飲酒自粛を呼び掛けている。 平日ということもあってコスプレをしている人より、普段着の人が多い渋谷だったが、その中でもひときわ目立ったのは外国人のコスプレだ。入国規制緩和の影響か、取材班は渋谷ハロウィーンを楽しむ多くの外国人を目撃した。路上飲酒禁止の呼びかけもむなしく「SPY FAMILY」のキャラクターに扮した男女はフィリピンとアメリカ出身。「『SPY FAMILY』はアニメが大好き。彼は漫画も読んでいます」と語った。 21時になると、1件目で一杯飲み終えたほろ酔い気分の人が増えてくる。すると、向こうから何やら見覚えのあるような、ないような顔が近づいてくる。その40代男性が扮するのはお笑い芸人、和牛の水田信二だという。「自分としては少し太ってしまったので、似ているかどうか点数をつけるとしたら32点ですね。お笑い芸人は若い子、女子高生がボリュームゾーンでよく受けるんですよね。ハロウィーンだけ人気者です。コロナは大丈夫です。体作って来たんで」 センター街に異変が生じたのは22時頃だった。お盆を持った若い女性二人組がセンター街のあちこちに出現しはじめた。お盆にはいくつもの紙コップが載せられており、その中身はテキーラだという。路上に現れた即席ガールズバー 道行く男性2人組が女性に近づくと千円札を一枚渡し、コップを二つ受け取る。すると女性がすかさず「うちらの分は?」とおねだりした。男性たちは苦笑いするとさらに千円を取り出し、4人で仲良く中身をあおっていた。どうやら即席のガールズバーのようだ。 街の中にはビールの缶や食べ物の袋があちこちに捨てられ、嘔吐の跡らしきものも散見された。路地には酔いつぶれた友人を介抱するグループもみられた。 JR渋谷駅のハチ公改札前に向かうと、「勝鬨じゃー! エイエイオー!」という掛け声が聞こえてきた。声のする方を見ると、全身が電飾で光り輝く男性が、これまた電飾で光り輝く自転車にまたがっていた。「今日のテーマは、“世の中を明るく照らそうホトトギス”です。普段はウーバーでやったりしています。ショーパブの仕事が無くなってしまって。今日は渋谷を盛り上げようと思って来ました。明日も明後日も盛り上げに来ようと思っています。そのあたりに自転車を止めて今日はそろそろ帰ろうと思っています」嵐の前の静けさなのか そして日付が変わる頃。駅へと向かう人もいれば、バーになだれ込む若者の姿も目立った。バニーガール姿の集団は、「エロイカラダ! Yeah!」と声をかけられ、嬉しそうに笑っていた。こうして渋谷ハロウィーンのカオスな“前夜祭”は更けていくのだった。 前夜祭だからこの程度で済んだのか、前夜祭なのにこれだけの騒ぎなのか。本番の31日がくるまでまだわからない。(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))
昨年はハロウィーンの直前まで緊急事態宣言が発令されていたこともあり、人々の“密”への警戒心も強かった。しかし、今年は全国旅行支援の開始や外国人旅行客の入国緩和など、コロナ禍が終わったような空気が漂っている。小野さんは昨年に比べて人が増えるのではないかと危惧していた。
「今年は入国制限も緩和されて街に外国人観光客が増えています。ここ数日は感染者数が増えているのですが、若者はコロナが怖くないですからね。関係なく渋谷にくるんです。例年よりも人が増えると予想して、警察や区役所と連携していつも以上に警戒を強めています。終電で帰る人たちはまだ大人しいんです。たちが悪いのは22時過ぎから渋谷にやってくる人たち。彼ら明け方まで酒を飲んで騒ぎます。若者じゃなくてバカ者ですよ。もういい加減にしなさいという感じです」
小野さんの危惧するように、人の流れが多くても不安をかかえる店舗も多いようだ。近隣の宝飾品店の店員はため息をつく。
「うちの店みたいなところはハロウィーン関係ないですし、逆にお客さん渋谷こわがってきませんからね、売り上げは期待できません。明日からは6時には閉めようと思ってます」 既にセンター街には人があふれかえり、コロナに対する危機感はみじんも感じられない。近隣のディスカウントストアの店員は語る。「最近人すごいっすよ。毎晩、若者やら入国規制緩和で外国人がガンガン来て、夜に酒を買っています。酔っ払いも多くて毎日ゲロ掃除です。渋谷区の要請で酒売っちゃだめといわれているけど、でも売り上げはあがるし、どうしようか上と話しています。予想では、29日の土曜日夜と31日の月曜日がヤバいんじゃないかな。平日なんて関係ないっすよあいつらは」 18時も過ぎるとパラパラと仮装した人の姿を見かけるようになった。神奈川から来たという映画泥棒に扮した34歳の男性は記者にこう語った。31日まで我慢できず…「我慢できず、今日からきちゃいました。10年くらいきていて毎年同じかっこうです。カメラとサイレンどちらも、1か月くらいかけて制作しています予算は1万円です。ルールも守って楽しむつもりです。違反をしている人がいたら指導します」 部活帰りの学生も渋谷に足を運んでいた。17歳の高校生二人組はコロナのせいで学生生活に大きな規制がかかっていたようだ。「ダンス部でハロウィーンの撮影をしたので、その帰りです。これまで中学の頃から規制だらけでずっと来られませんでした。マナーまもって月曜日本番はセーラー服に天使のカバンで楽しみたいと思います」 ハロウィーンの仮装と言えば、その年に流行ったアニメやドラマのコスプレだ。一昨年は「鬼滅の刃」、昨年は「東京卍リベンジャーズ」のコスプレが人気を博したが、今年は「SPY FAMILY」が人気の様子だ。取材班は「SPY FAMILY」の人気キャラクター、アーニャに扮したアラフィフの女性を見つけた。やっぱり「SPY FAMILY」!「コロナは気になるので少し早くきました。ハロウィーンは毎年来てましたが最後はコロナ前のとき。スパイファミリーは好きですね。特に犬のボンドが好きですけど、今回はアーニャにしました。旦那にはまだいってません、帰ってみせたらどんな反応するのか…」 放送中のアニメ「チェンソーマン」も人気のようだ。「チェンソーマンが好きだ」と語る香港出身の大学生は今日だけでは飽きたらず、日曜と月曜も渋谷に来ると語った。 また、同作のキャラクターに扮した20代の男性二人組はtiktokerだという。「僕たち『最弱パーティー』という名前で活動しています。埼玉のシェアハウスに住んでいて、今日はYouTubeの撮影できました。明日、明後日、本番は少し怖いから家で過ごします。ピンク髪はマキマ、脇汗を強調しています。デンジは1日でつくりました」やっぱりゴミに嘔吐に雑魚寝 20時を過ぎるとセンター街のコンビニエンスストアの前に人だかりができはじめていた。そのほとんどが外国人で片手にはビール缶などを握っていた。渋谷区は28日の18時から路上での飲酒自粛を呼び掛けている。 平日ということもあってコスプレをしている人より、普段着の人が多い渋谷だったが、その中でもひときわ目立ったのは外国人のコスプレだ。入国規制緩和の影響か、取材班は渋谷ハロウィーンを楽しむ多くの外国人を目撃した。路上飲酒禁止の呼びかけもむなしく「SPY FAMILY」のキャラクターに扮した男女はフィリピンとアメリカ出身。「『SPY FAMILY』はアニメが大好き。彼は漫画も読んでいます」と語った。 21時になると、1件目で一杯飲み終えたほろ酔い気分の人が増えてくる。すると、向こうから何やら見覚えのあるような、ないような顔が近づいてくる。その40代男性が扮するのはお笑い芸人、和牛の水田信二だという。「自分としては少し太ってしまったので、似ているかどうか点数をつけるとしたら32点ですね。お笑い芸人は若い子、女子高生がボリュームゾーンでよく受けるんですよね。ハロウィーンだけ人気者です。コロナは大丈夫です。体作って来たんで」 センター街に異変が生じたのは22時頃だった。お盆を持った若い女性二人組がセンター街のあちこちに出現しはじめた。お盆にはいくつもの紙コップが載せられており、その中身はテキーラだという。路上に現れた即席ガールズバー 道行く男性2人組が女性に近づくと千円札を一枚渡し、コップを二つ受け取る。すると女性がすかさず「うちらの分は?」とおねだりした。男性たちは苦笑いするとさらに千円を取り出し、4人で仲良く中身をあおっていた。どうやら即席のガールズバーのようだ。 街の中にはビールの缶や食べ物の袋があちこちに捨てられ、嘔吐の跡らしきものも散見された。路地には酔いつぶれた友人を介抱するグループもみられた。 JR渋谷駅のハチ公改札前に向かうと、「勝鬨じゃー! エイエイオー!」という掛け声が聞こえてきた。声のする方を見ると、全身が電飾で光り輝く男性が、これまた電飾で光り輝く自転車にまたがっていた。「今日のテーマは、“世の中を明るく照らそうホトトギス”です。普段はウーバーでやったりしています。ショーパブの仕事が無くなってしまって。今日は渋谷を盛り上げようと思って来ました。明日も明後日も盛り上げに来ようと思っています。そのあたりに自転車を止めて今日はそろそろ帰ろうと思っています」嵐の前の静けさなのか そして日付が変わる頃。駅へと向かう人もいれば、バーになだれ込む若者の姿も目立った。バニーガール姿の集団は、「エロイカラダ! Yeah!」と声をかけられ、嬉しそうに笑っていた。こうして渋谷ハロウィーンのカオスな“前夜祭”は更けていくのだった。 前夜祭だからこの程度で済んだのか、前夜祭なのにこれだけの騒ぎなのか。本番の31日がくるまでまだわからない。(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))
「うちの店みたいなところはハロウィーン関係ないですし、逆にお客さん渋谷こわがってきませんからね、売り上げは期待できません。明日からは6時には閉めようと思ってます」
既にセンター街には人があふれかえり、コロナに対する危機感はみじんも感じられない。近隣のディスカウントストアの店員は語る。
「最近人すごいっすよ。毎晩、若者やら入国規制緩和で外国人がガンガン来て、夜に酒を買っています。酔っ払いも多くて毎日ゲロ掃除です。渋谷区の要請で酒売っちゃだめといわれているけど、でも売り上げはあがるし、どうしようか上と話しています。予想では、29日の土曜日夜と31日の月曜日がヤバいんじゃないかな。平日なんて関係ないっすよあいつらは」 18時も過ぎるとパラパラと仮装した人の姿を見かけるようになった。神奈川から来たという映画泥棒に扮した34歳の男性は記者にこう語った。31日まで我慢できず…「我慢できず、今日からきちゃいました。10年くらいきていて毎年同じかっこうです。カメラとサイレンどちらも、1か月くらいかけて制作しています予算は1万円です。ルールも守って楽しむつもりです。違反をしている人がいたら指導します」 部活帰りの学生も渋谷に足を運んでいた。17歳の高校生二人組はコロナのせいで学生生活に大きな規制がかかっていたようだ。「ダンス部でハロウィーンの撮影をしたので、その帰りです。これまで中学の頃から規制だらけでずっと来られませんでした。マナーまもって月曜日本番はセーラー服に天使のカバンで楽しみたいと思います」 ハロウィーンの仮装と言えば、その年に流行ったアニメやドラマのコスプレだ。一昨年は「鬼滅の刃」、昨年は「東京卍リベンジャーズ」のコスプレが人気を博したが、今年は「SPY FAMILY」が人気の様子だ。取材班は「SPY FAMILY」の人気キャラクター、アーニャに扮したアラフィフの女性を見つけた。やっぱり「SPY FAMILY」!「コロナは気になるので少し早くきました。ハロウィーンは毎年来てましたが最後はコロナ前のとき。スパイファミリーは好きですね。特に犬のボンドが好きですけど、今回はアーニャにしました。旦那にはまだいってません、帰ってみせたらどんな反応するのか…」 放送中のアニメ「チェンソーマン」も人気のようだ。「チェンソーマンが好きだ」と語る香港出身の大学生は今日だけでは飽きたらず、日曜と月曜も渋谷に来ると語った。 また、同作のキャラクターに扮した20代の男性二人組はtiktokerだという。「僕たち『最弱パーティー』という名前で活動しています。埼玉のシェアハウスに住んでいて、今日はYouTubeの撮影できました。明日、明後日、本番は少し怖いから家で過ごします。ピンク髪はマキマ、脇汗を強調しています。デンジは1日でつくりました」やっぱりゴミに嘔吐に雑魚寝 20時を過ぎるとセンター街のコンビニエンスストアの前に人だかりができはじめていた。そのほとんどが外国人で片手にはビール缶などを握っていた。渋谷区は28日の18時から路上での飲酒自粛を呼び掛けている。 平日ということもあってコスプレをしている人より、普段着の人が多い渋谷だったが、その中でもひときわ目立ったのは外国人のコスプレだ。入国規制緩和の影響か、取材班は渋谷ハロウィーンを楽しむ多くの外国人を目撃した。路上飲酒禁止の呼びかけもむなしく「SPY FAMILY」のキャラクターに扮した男女はフィリピンとアメリカ出身。「『SPY FAMILY』はアニメが大好き。彼は漫画も読んでいます」と語った。 21時になると、1件目で一杯飲み終えたほろ酔い気分の人が増えてくる。すると、向こうから何やら見覚えのあるような、ないような顔が近づいてくる。その40代男性が扮するのはお笑い芸人、和牛の水田信二だという。「自分としては少し太ってしまったので、似ているかどうか点数をつけるとしたら32点ですね。お笑い芸人は若い子、女子高生がボリュームゾーンでよく受けるんですよね。ハロウィーンだけ人気者です。コロナは大丈夫です。体作って来たんで」 センター街に異変が生じたのは22時頃だった。お盆を持った若い女性二人組がセンター街のあちこちに出現しはじめた。お盆にはいくつもの紙コップが載せられており、その中身はテキーラだという。路上に現れた即席ガールズバー 道行く男性2人組が女性に近づくと千円札を一枚渡し、コップを二つ受け取る。すると女性がすかさず「うちらの分は?」とおねだりした。男性たちは苦笑いするとさらに千円を取り出し、4人で仲良く中身をあおっていた。どうやら即席のガールズバーのようだ。 街の中にはビールの缶や食べ物の袋があちこちに捨てられ、嘔吐の跡らしきものも散見された。路地には酔いつぶれた友人を介抱するグループもみられた。 JR渋谷駅のハチ公改札前に向かうと、「勝鬨じゃー! エイエイオー!」という掛け声が聞こえてきた。声のする方を見ると、全身が電飾で光り輝く男性が、これまた電飾で光り輝く自転車にまたがっていた。「今日のテーマは、“世の中を明るく照らそうホトトギス”です。普段はウーバーでやったりしています。ショーパブの仕事が無くなってしまって。今日は渋谷を盛り上げようと思って来ました。明日も明後日も盛り上げに来ようと思っています。そのあたりに自転車を止めて今日はそろそろ帰ろうと思っています」嵐の前の静けさなのか そして日付が変わる頃。駅へと向かう人もいれば、バーになだれ込む若者の姿も目立った。バニーガール姿の集団は、「エロイカラダ! Yeah!」と声をかけられ、嬉しそうに笑っていた。こうして渋谷ハロウィーンのカオスな“前夜祭”は更けていくのだった。 前夜祭だからこの程度で済んだのか、前夜祭なのにこれだけの騒ぎなのか。本番の31日がくるまでまだわからない。(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))
「最近人すごいっすよ。毎晩、若者やら入国規制緩和で外国人がガンガン来て、夜に酒を買っています。酔っ払いも多くて毎日ゲロ掃除です。渋谷区の要請で酒売っちゃだめといわれているけど、でも売り上げはあがるし、どうしようか上と話しています。予想では、29日の土曜日夜と31日の月曜日がヤバいんじゃないかな。平日なんて関係ないっすよあいつらは」
18時も過ぎるとパラパラと仮装した人の姿を見かけるようになった。神奈川から来たという映画泥棒に扮した34歳の男性は記者にこう語った。
「我慢できず、今日からきちゃいました。10年くらいきていて毎年同じかっこうです。カメラとサイレンどちらも、1か月くらいかけて制作しています予算は1万円です。ルールも守って楽しむつもりです。違反をしている人がいたら指導します」
部活帰りの学生も渋谷に足を運んでいた。17歳の高校生二人組はコロナのせいで学生生活に大きな規制がかかっていたようだ。「ダンス部でハロウィーンの撮影をしたので、その帰りです。これまで中学の頃から規制だらけでずっと来られませんでした。マナーまもって月曜日本番はセーラー服に天使のカバンで楽しみたいと思います」 ハロウィーンの仮装と言えば、その年に流行ったアニメやドラマのコスプレだ。一昨年は「鬼滅の刃」、昨年は「東京卍リベンジャーズ」のコスプレが人気を博したが、今年は「SPY FAMILY」が人気の様子だ。取材班は「SPY FAMILY」の人気キャラクター、アーニャに扮したアラフィフの女性を見つけた。やっぱり「SPY FAMILY」!「コロナは気になるので少し早くきました。ハロウィーンは毎年来てましたが最後はコロナ前のとき。スパイファミリーは好きですね。特に犬のボンドが好きですけど、今回はアーニャにしました。旦那にはまだいってません、帰ってみせたらどんな反応するのか…」 放送中のアニメ「チェンソーマン」も人気のようだ。「チェンソーマンが好きだ」と語る香港出身の大学生は今日だけでは飽きたらず、日曜と月曜も渋谷に来ると語った。 また、同作のキャラクターに扮した20代の男性二人組はtiktokerだという。「僕たち『最弱パーティー』という名前で活動しています。埼玉のシェアハウスに住んでいて、今日はYouTubeの撮影できました。明日、明後日、本番は少し怖いから家で過ごします。ピンク髪はマキマ、脇汗を強調しています。デンジは1日でつくりました」やっぱりゴミに嘔吐に雑魚寝 20時を過ぎるとセンター街のコンビニエンスストアの前に人だかりができはじめていた。そのほとんどが外国人で片手にはビール缶などを握っていた。渋谷区は28日の18時から路上での飲酒自粛を呼び掛けている。 平日ということもあってコスプレをしている人より、普段着の人が多い渋谷だったが、その中でもひときわ目立ったのは外国人のコスプレだ。入国規制緩和の影響か、取材班は渋谷ハロウィーンを楽しむ多くの外国人を目撃した。路上飲酒禁止の呼びかけもむなしく「SPY FAMILY」のキャラクターに扮した男女はフィリピンとアメリカ出身。「『SPY FAMILY』はアニメが大好き。彼は漫画も読んでいます」と語った。 21時になると、1件目で一杯飲み終えたほろ酔い気分の人が増えてくる。すると、向こうから何やら見覚えのあるような、ないような顔が近づいてくる。その40代男性が扮するのはお笑い芸人、和牛の水田信二だという。「自分としては少し太ってしまったので、似ているかどうか点数をつけるとしたら32点ですね。お笑い芸人は若い子、女子高生がボリュームゾーンでよく受けるんですよね。ハロウィーンだけ人気者です。コロナは大丈夫です。体作って来たんで」 センター街に異変が生じたのは22時頃だった。お盆を持った若い女性二人組がセンター街のあちこちに出現しはじめた。お盆にはいくつもの紙コップが載せられており、その中身はテキーラだという。路上に現れた即席ガールズバー 道行く男性2人組が女性に近づくと千円札を一枚渡し、コップを二つ受け取る。すると女性がすかさず「うちらの分は?」とおねだりした。男性たちは苦笑いするとさらに千円を取り出し、4人で仲良く中身をあおっていた。どうやら即席のガールズバーのようだ。 街の中にはビールの缶や食べ物の袋があちこちに捨てられ、嘔吐の跡らしきものも散見された。路地には酔いつぶれた友人を介抱するグループもみられた。 JR渋谷駅のハチ公改札前に向かうと、「勝鬨じゃー! エイエイオー!」という掛け声が聞こえてきた。声のする方を見ると、全身が電飾で光り輝く男性が、これまた電飾で光り輝く自転車にまたがっていた。「今日のテーマは、“世の中を明るく照らそうホトトギス”です。普段はウーバーでやったりしています。ショーパブの仕事が無くなってしまって。今日は渋谷を盛り上げようと思って来ました。明日も明後日も盛り上げに来ようと思っています。そのあたりに自転車を止めて今日はそろそろ帰ろうと思っています」嵐の前の静けさなのか そして日付が変わる頃。駅へと向かう人もいれば、バーになだれ込む若者の姿も目立った。バニーガール姿の集団は、「エロイカラダ! Yeah!」と声をかけられ、嬉しそうに笑っていた。こうして渋谷ハロウィーンのカオスな“前夜祭”は更けていくのだった。 前夜祭だからこの程度で済んだのか、前夜祭なのにこれだけの騒ぎなのか。本番の31日がくるまでまだわからない。(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))
部活帰りの学生も渋谷に足を運んでいた。17歳の高校生二人組はコロナのせいで学生生活に大きな規制がかかっていたようだ。
「ダンス部でハロウィーンの撮影をしたので、その帰りです。これまで中学の頃から規制だらけでずっと来られませんでした。マナーまもって月曜日本番はセーラー服に天使のカバンで楽しみたいと思います」 ハロウィーンの仮装と言えば、その年に流行ったアニメやドラマのコスプレだ。一昨年は「鬼滅の刃」、昨年は「東京卍リベンジャーズ」のコスプレが人気を博したが、今年は「SPY FAMILY」が人気の様子だ。取材班は「SPY FAMILY」の人気キャラクター、アーニャに扮したアラフィフの女性を見つけた。やっぱり「SPY FAMILY」!「コロナは気になるので少し早くきました。ハロウィーンは毎年来てましたが最後はコロナ前のとき。スパイファミリーは好きですね。特に犬のボンドが好きですけど、今回はアーニャにしました。旦那にはまだいってません、帰ってみせたらどんな反応するのか…」 放送中のアニメ「チェンソーマン」も人気のようだ。「チェンソーマンが好きだ」と語る香港出身の大学生は今日だけでは飽きたらず、日曜と月曜も渋谷に来ると語った。 また、同作のキャラクターに扮した20代の男性二人組はtiktokerだという。「僕たち『最弱パーティー』という名前で活動しています。埼玉のシェアハウスに住んでいて、今日はYouTubeの撮影できました。明日、明後日、本番は少し怖いから家で過ごします。ピンク髪はマキマ、脇汗を強調しています。デンジは1日でつくりました」やっぱりゴミに嘔吐に雑魚寝 20時を過ぎるとセンター街のコンビニエンスストアの前に人だかりができはじめていた。そのほとんどが外国人で片手にはビール缶などを握っていた。渋谷区は28日の18時から路上での飲酒自粛を呼び掛けている。 平日ということもあってコスプレをしている人より、普段着の人が多い渋谷だったが、その中でもひときわ目立ったのは外国人のコスプレだ。入国規制緩和の影響か、取材班は渋谷ハロウィーンを楽しむ多くの外国人を目撃した。路上飲酒禁止の呼びかけもむなしく「SPY FAMILY」のキャラクターに扮した男女はフィリピンとアメリカ出身。「『SPY FAMILY』はアニメが大好き。彼は漫画も読んでいます」と語った。 21時になると、1件目で一杯飲み終えたほろ酔い気分の人が増えてくる。すると、向こうから何やら見覚えのあるような、ないような顔が近づいてくる。その40代男性が扮するのはお笑い芸人、和牛の水田信二だという。「自分としては少し太ってしまったので、似ているかどうか点数をつけるとしたら32点ですね。お笑い芸人は若い子、女子高生がボリュームゾーンでよく受けるんですよね。ハロウィーンだけ人気者です。コロナは大丈夫です。体作って来たんで」 センター街に異変が生じたのは22時頃だった。お盆を持った若い女性二人組がセンター街のあちこちに出現しはじめた。お盆にはいくつもの紙コップが載せられており、その中身はテキーラだという。路上に現れた即席ガールズバー 道行く男性2人組が女性に近づくと千円札を一枚渡し、コップを二つ受け取る。すると女性がすかさず「うちらの分は?」とおねだりした。男性たちは苦笑いするとさらに千円を取り出し、4人で仲良く中身をあおっていた。どうやら即席のガールズバーのようだ。 街の中にはビールの缶や食べ物の袋があちこちに捨てられ、嘔吐の跡らしきものも散見された。路地には酔いつぶれた友人を介抱するグループもみられた。 JR渋谷駅のハチ公改札前に向かうと、「勝鬨じゃー! エイエイオー!」という掛け声が聞こえてきた。声のする方を見ると、全身が電飾で光り輝く男性が、これまた電飾で光り輝く自転車にまたがっていた。「今日のテーマは、“世の中を明るく照らそうホトトギス”です。普段はウーバーでやったりしています。ショーパブの仕事が無くなってしまって。今日は渋谷を盛り上げようと思って来ました。明日も明後日も盛り上げに来ようと思っています。そのあたりに自転車を止めて今日はそろそろ帰ろうと思っています」嵐の前の静けさなのか そして日付が変わる頃。駅へと向かう人もいれば、バーになだれ込む若者の姿も目立った。バニーガール姿の集団は、「エロイカラダ! Yeah!」と声をかけられ、嬉しそうに笑っていた。こうして渋谷ハロウィーンのカオスな“前夜祭”は更けていくのだった。 前夜祭だからこの程度で済んだのか、前夜祭なのにこれだけの騒ぎなのか。本番の31日がくるまでまだわからない。(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))
「ダンス部でハロウィーンの撮影をしたので、その帰りです。これまで中学の頃から規制だらけでずっと来られませんでした。マナーまもって月曜日本番はセーラー服に天使のカバンで楽しみたいと思います」
ハロウィーンの仮装と言えば、その年に流行ったアニメやドラマのコスプレだ。一昨年は「鬼滅の刃」、昨年は「東京卍リベンジャーズ」のコスプレが人気を博したが、今年は「SPY FAMILY」が人気の様子だ。取材班は「SPY FAMILY」の人気キャラクター、アーニャに扮したアラフィフの女性を見つけた。
「コロナは気になるので少し早くきました。ハロウィーンは毎年来てましたが最後はコロナ前のとき。スパイファミリーは好きですね。特に犬のボンドが好きですけど、今回はアーニャにしました。旦那にはまだいってません、帰ってみせたらどんな反応するのか…」
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放送中のアニメ「チェンソーマン」も人気のようだ。「チェンソーマンが好きだ」と語る香港出身の大学生は今日だけでは飽きたらず、日曜と月曜も渋谷に来ると語った。
また、同作のキャラクターに扮した20代の男性二人組はtiktokerだという。
「僕たち『最弱パーティー』という名前で活動しています。埼玉のシェアハウスに住んでいて、今日はYouTubeの撮影できました。明日、明後日、本番は少し怖いから家で過ごします。ピンク髪はマキマ、脇汗を強調しています。デンジは1日でつくりました」やっぱりゴミに嘔吐に雑魚寝 20時を過ぎるとセンター街のコンビニエンスストアの前に人だかりができはじめていた。そのほとんどが外国人で片手にはビール缶などを握っていた。渋谷区は28日の18時から路上での飲酒自粛を呼び掛けている。 平日ということもあってコスプレをしている人より、普段着の人が多い渋谷だったが、その中でもひときわ目立ったのは外国人のコスプレだ。入国規制緩和の影響か、取材班は渋谷ハロウィーンを楽しむ多くの外国人を目撃した。路上飲酒禁止の呼びかけもむなしく「SPY FAMILY」のキャラクターに扮した男女はフィリピンとアメリカ出身。「『SPY FAMILY』はアニメが大好き。彼は漫画も読んでいます」と語った。 21時になると、1件目で一杯飲み終えたほろ酔い気分の人が増えてくる。すると、向こうから何やら見覚えのあるような、ないような顔が近づいてくる。その40代男性が扮するのはお笑い芸人、和牛の水田信二だという。「自分としては少し太ってしまったので、似ているかどうか点数をつけるとしたら32点ですね。お笑い芸人は若い子、女子高生がボリュームゾーンでよく受けるんですよね。ハロウィーンだけ人気者です。コロナは大丈夫です。体作って来たんで」 センター街に異変が生じたのは22時頃だった。お盆を持った若い女性二人組がセンター街のあちこちに出現しはじめた。お盆にはいくつもの紙コップが載せられており、その中身はテキーラだという。路上に現れた即席ガールズバー 道行く男性2人組が女性に近づくと千円札を一枚渡し、コップを二つ受け取る。すると女性がすかさず「うちらの分は?」とおねだりした。男性たちは苦笑いするとさらに千円を取り出し、4人で仲良く中身をあおっていた。どうやら即席のガールズバーのようだ。 街の中にはビールの缶や食べ物の袋があちこちに捨てられ、嘔吐の跡らしきものも散見された。路地には酔いつぶれた友人を介抱するグループもみられた。 JR渋谷駅のハチ公改札前に向かうと、「勝鬨じゃー! エイエイオー!」という掛け声が聞こえてきた。声のする方を見ると、全身が電飾で光り輝く男性が、これまた電飾で光り輝く自転車にまたがっていた。「今日のテーマは、“世の中を明るく照らそうホトトギス”です。普段はウーバーでやったりしています。ショーパブの仕事が無くなってしまって。今日は渋谷を盛り上げようと思って来ました。明日も明後日も盛り上げに来ようと思っています。そのあたりに自転車を止めて今日はそろそろ帰ろうと思っています」嵐の前の静けさなのか そして日付が変わる頃。駅へと向かう人もいれば、バーになだれ込む若者の姿も目立った。バニーガール姿の集団は、「エロイカラダ! Yeah!」と声をかけられ、嬉しそうに笑っていた。こうして渋谷ハロウィーンのカオスな“前夜祭”は更けていくのだった。 前夜祭だからこの程度で済んだのか、前夜祭なのにこれだけの騒ぎなのか。本番の31日がくるまでまだわからない。(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))
「僕たち『最弱パーティー』という名前で活動しています。埼玉のシェアハウスに住んでいて、今日はYouTubeの撮影できました。明日、明後日、本番は少し怖いから家で過ごします。ピンク髪はマキマ、脇汗を強調しています。デンジは1日でつくりました」
20時を過ぎるとセンター街のコンビニエンスストアの前に人だかりができはじめていた。そのほとんどが外国人で片手にはビール缶などを握っていた。渋谷区は28日の18時から路上での飲酒自粛を呼び掛けている。
平日ということもあってコスプレをしている人より、普段着の人が多い渋谷だったが、その中でもひときわ目立ったのは外国人のコスプレだ。入国規制緩和の影響か、取材班は渋谷ハロウィーンを楽しむ多くの外国人を目撃した。路上飲酒禁止の呼びかけもむなしく「SPY FAMILY」のキャラクターに扮した男女はフィリピンとアメリカ出身。「『SPY FAMILY』はアニメが大好き。彼は漫画も読んでいます」と語った。 21時になると、1件目で一杯飲み終えたほろ酔い気分の人が増えてくる。すると、向こうから何やら見覚えのあるような、ないような顔が近づいてくる。その40代男性が扮するのはお笑い芸人、和牛の水田信二だという。「自分としては少し太ってしまったので、似ているかどうか点数をつけるとしたら32点ですね。お笑い芸人は若い子、女子高生がボリュームゾーンでよく受けるんですよね。ハロウィーンだけ人気者です。コロナは大丈夫です。体作って来たんで」 センター街に異変が生じたのは22時頃だった。お盆を持った若い女性二人組がセンター街のあちこちに出現しはじめた。お盆にはいくつもの紙コップが載せられており、その中身はテキーラだという。路上に現れた即席ガールズバー 道行く男性2人組が女性に近づくと千円札を一枚渡し、コップを二つ受け取る。すると女性がすかさず「うちらの分は?」とおねだりした。男性たちは苦笑いするとさらに千円を取り出し、4人で仲良く中身をあおっていた。どうやら即席のガールズバーのようだ。 街の中にはビールの缶や食べ物の袋があちこちに捨てられ、嘔吐の跡らしきものも散見された。路地には酔いつぶれた友人を介抱するグループもみられた。 JR渋谷駅のハチ公改札前に向かうと、「勝鬨じゃー! エイエイオー!」という掛け声が聞こえてきた。声のする方を見ると、全身が電飾で光り輝く男性が、これまた電飾で光り輝く自転車にまたがっていた。「今日のテーマは、“世の中を明るく照らそうホトトギス”です。普段はウーバーでやったりしています。ショーパブの仕事が無くなってしまって。今日は渋谷を盛り上げようと思って来ました。明日も明後日も盛り上げに来ようと思っています。そのあたりに自転車を止めて今日はそろそろ帰ろうと思っています」嵐の前の静けさなのか そして日付が変わる頃。駅へと向かう人もいれば、バーになだれ込む若者の姿も目立った。バニーガール姿の集団は、「エロイカラダ! Yeah!」と声をかけられ、嬉しそうに笑っていた。こうして渋谷ハロウィーンのカオスな“前夜祭”は更けていくのだった。 前夜祭だからこの程度で済んだのか、前夜祭なのにこれだけの騒ぎなのか。本番の31日がくるまでまだわからない。(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))
平日ということもあってコスプレをしている人より、普段着の人が多い渋谷だったが、その中でもひときわ目立ったのは外国人のコスプレだ。入国規制緩和の影響か、取材班は渋谷ハロウィーンを楽しむ多くの外国人を目撃した。
「SPY FAMILY」のキャラクターに扮した男女はフィリピンとアメリカ出身。「『SPY FAMILY』はアニメが大好き。彼は漫画も読んでいます」と語った。
21時になると、1件目で一杯飲み終えたほろ酔い気分の人が増えてくる。すると、向こうから何やら見覚えのあるような、ないような顔が近づいてくる。その40代男性が扮するのはお笑い芸人、和牛の水田信二だという。
「自分としては少し太ってしまったので、似ているかどうか点数をつけるとしたら32点ですね。お笑い芸人は若い子、女子高生がボリュームゾーンでよく受けるんですよね。ハロウィーンだけ人気者です。コロナは大丈夫です。体作って来たんで」 センター街に異変が生じたのは22時頃だった。お盆を持った若い女性二人組がセンター街のあちこちに出現しはじめた。お盆にはいくつもの紙コップが載せられており、その中身はテキーラだという。路上に現れた即席ガールズバー 道行く男性2人組が女性に近づくと千円札を一枚渡し、コップを二つ受け取る。すると女性がすかさず「うちらの分は?」とおねだりした。男性たちは苦笑いするとさらに千円を取り出し、4人で仲良く中身をあおっていた。どうやら即席のガールズバーのようだ。 街の中にはビールの缶や食べ物の袋があちこちに捨てられ、嘔吐の跡らしきものも散見された。路地には酔いつぶれた友人を介抱するグループもみられた。 JR渋谷駅のハチ公改札前に向かうと、「勝鬨じゃー! エイエイオー!」という掛け声が聞こえてきた。声のする方を見ると、全身が電飾で光り輝く男性が、これまた電飾で光り輝く自転車にまたがっていた。「今日のテーマは、“世の中を明るく照らそうホトトギス”です。普段はウーバーでやったりしています。ショーパブの仕事が無くなってしまって。今日は渋谷を盛り上げようと思って来ました。明日も明後日も盛り上げに来ようと思っています。そのあたりに自転車を止めて今日はそろそろ帰ろうと思っています」嵐の前の静けさなのか そして日付が変わる頃。駅へと向かう人もいれば、バーになだれ込む若者の姿も目立った。バニーガール姿の集団は、「エロイカラダ! Yeah!」と声をかけられ、嬉しそうに笑っていた。こうして渋谷ハロウィーンのカオスな“前夜祭”は更けていくのだった。 前夜祭だからこの程度で済んだのか、前夜祭なのにこれだけの騒ぎなのか。本番の31日がくるまでまだわからない。(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))
「自分としては少し太ってしまったので、似ているかどうか点数をつけるとしたら32点ですね。お笑い芸人は若い子、女子高生がボリュームゾーンでよく受けるんですよね。ハロウィーンだけ人気者です。コロナは大丈夫です。体作って来たんで」
センター街に異変が生じたのは22時頃だった。お盆を持った若い女性二人組がセンター街のあちこちに出現しはじめた。お盆にはいくつもの紙コップが載せられており、その中身はテキーラだという。
道行く男性2人組が女性に近づくと千円札を一枚渡し、コップを二つ受け取る。すると女性がすかさず「うちらの分は?」とおねだりした。男性たちは苦笑いするとさらに千円を取り出し、4人で仲良く中身をあおっていた。どうやら即席のガールズバーのようだ。
街の中にはビールの缶や食べ物の袋があちこちに捨てられ、嘔吐の跡らしきものも散見された。路地には酔いつぶれた友人を介抱するグループもみられた。 JR渋谷駅のハチ公改札前に向かうと、「勝鬨じゃー! エイエイオー!」という掛け声が聞こえてきた。声のする方を見ると、全身が電飾で光り輝く男性が、これまた電飾で光り輝く自転車にまたがっていた。「今日のテーマは、“世の中を明るく照らそうホトトギス”です。普段はウーバーでやったりしています。ショーパブの仕事が無くなってしまって。今日は渋谷を盛り上げようと思って来ました。明日も明後日も盛り上げに来ようと思っています。そのあたりに自転車を止めて今日はそろそろ帰ろうと思っています」嵐の前の静けさなのか そして日付が変わる頃。駅へと向かう人もいれば、バーになだれ込む若者の姿も目立った。バニーガール姿の集団は、「エロイカラダ! Yeah!」と声をかけられ、嬉しそうに笑っていた。こうして渋谷ハロウィーンのカオスな“前夜祭”は更けていくのだった。 前夜祭だからこの程度で済んだのか、前夜祭なのにこれだけの騒ぎなのか。本番の31日がくるまでまだわからない。(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))
街の中にはビールの缶や食べ物の袋があちこちに捨てられ、嘔吐の跡らしきものも散見された。路地には酔いつぶれた友人を介抱するグループもみられた。
JR渋谷駅のハチ公改札前に向かうと、「勝鬨じゃー! エイエイオー!」という掛け声が聞こえてきた。声のする方を見ると、全身が電飾で光り輝く男性が、これまた電飾で光り輝く自転車にまたがっていた。「今日のテーマは、“世の中を明るく照らそうホトトギス”です。普段はウーバーでやったりしています。ショーパブの仕事が無くなってしまって。今日は渋谷を盛り上げようと思って来ました。明日も明後日も盛り上げに来ようと思っています。そのあたりに自転車を止めて今日はそろそろ帰ろうと思っています」嵐の前の静けさなのか そして日付が変わる頃。駅へと向かう人もいれば、バーになだれ込む若者の姿も目立った。バニーガール姿の集団は、「エロイカラダ! Yeah!」と声をかけられ、嬉しそうに笑っていた。こうして渋谷ハロウィーンのカオスな“前夜祭”は更けていくのだった。 前夜祭だからこの程度で済んだのか、前夜祭なのにこれだけの騒ぎなのか。本番の31日がくるまでまだわからない。(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))
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「今日のテーマは、“世の中を明るく照らそうホトトギス”です。普段はウーバーでやったりしています。ショーパブの仕事が無くなってしまって。今日は渋谷を盛り上げようと思って来ました。明日も明後日も盛り上げに来ようと思っています。そのあたりに自転車を止めて今日はそろそろ帰ろうと思っています」嵐の前の静けさなのか そして日付が変わる頃。駅へと向かう人もいれば、バーになだれ込む若者の姿も目立った。バニーガール姿の集団は、「エロイカラダ! Yeah!」と声をかけられ、嬉しそうに笑っていた。こうして渋谷ハロウィーンのカオスな“前夜祭”は更けていくのだった。 前夜祭だからこの程度で済んだのか、前夜祭なのにこれだけの騒ぎなのか。本番の31日がくるまでまだわからない。(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))
「今日のテーマは、“世の中を明るく照らそうホトトギス”です。普段はウーバーでやったりしています。ショーパブの仕事が無くなってしまって。今日は渋谷を盛り上げようと思って来ました。明日も明後日も盛り上げに来ようと思っています。そのあたりに自転車を止めて今日はそろそろ帰ろうと思っています」
そして日付が変わる頃。駅へと向かう人もいれば、バーになだれ込む若者の姿も目立った。バニーガール姿の集団は、「エロイカラダ! Yeah!」と声をかけられ、嬉しそうに笑っていた。こうして渋谷ハロウィーンのカオスな“前夜祭”は更けていくのだった。
前夜祭だからこの程度で済んだのか、前夜祭なのにこれだけの騒ぎなのか。本番の31日がくるまでまだわからない。(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))
前夜祭だからこの程度で済んだのか、前夜祭なのにこれだけの騒ぎなのか。本番の31日がくるまでまだわからない。
(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))