公明党の斉藤代表は10日、自民党の高市総裁と会談し、自民党との連立政権から離脱する方針を伝えた。斎藤代表は、「我が党が擁立する衆院小選挙区候補への自民党からの推薦は求めない。自民党候補への推薦も行わない」とした。自民党議員に、衝撃と波紋が広がっている。
12日、Mr.サンデーは北海道へ…。
取材に応じてくれた自民党・武部新衆院議員に、率直な質問をぶつけた。
(Q.やはり公明党の票の力というのは大きいんでしょうか?)自民党・武部新衆院議員:もちろんですね。大変我々にとっても大きな力になっていますので。
「バンザイ!バンザイ!」
2024年の衆院選、2位に約7000票という僅差で勝利した武部議員。
公明党の組織票は、一選挙区で約2万票とされるという。
そのため、公明党が連立政権を離脱し、選挙協力が望めなくなった今後は、単純計算で当選に届かなくなる可能性がある。
(Q.不安とか焦りとか 、先生ないですか?)自民党・武部新衆院議員:あの不安とか焦りとかじゃなくて、自民党が政権与党としてどういうことを主張して、自民党がどう変わっていくかってことを、ちゃんと訴えることが大事なんじゃないかなと思いますけどね。
その一方で、支持者からは…
武部衆院議員の支持者:不安ですね。公明票がまるっきりそういう形で、自民系の方にゼロに近いぐらいになるっていうことになれば、大変なことじゃないかな。
支持者:なかなか厳しいね、厳しいと思うよ。(Q.票が集まりにくくなる?)うん、そういうこともあるわね。
武部議員のように、2位に僅差で勝利したいわゆる“薄氷当選”の自民党議員は全国に数多くいるという。
政治ジャーナリスト・青山和弘氏:やはり(公明党票)2万票って大きいわけですよ。これが無くなると40~50人の自民党議員が落選するんじゃないかと見られているんですね。(党内に)とんでもないことになったという反応は非常に強いです。
26年間、蜜月関係だった公明党の連立離脱により、自民党に広がる衝撃。
これにより、一気に混迷を深めているのが、総理指名選挙の行方だ。
12日、立憲民主党・野田佳彦代表は…
立憲民主党・野田佳彦代表:玉木さんとか維新の藤田さんに党首会談呼びかけます。ぜひやりましょうよと。違いを乗り越えて一致点を見出して、めったにない政権を取れるかもしれないチャンスを、国民のために早く物価高対策をやるために、格差是正をするために。政権、私は取りたいと思うんです。
総理指名選挙で野党3党が連携すれば、自民党の議席数を上回り、政権交代が可能に。
そんな今、立憲民主党が、野党統一の総理候補として協力を求めているのが…
国民民主党・玉木雄一郎代表:私自身、公党の代表として内閣総理大臣を務める覚悟はあります。
国民民主党の玉木雄一郎代表だ。SNSなどでも繰り返し「総理を務める覚悟」を表明。その影響からか、11日…
記者リポート:今、国民民主党・玉木代表が演説会場に到着しました。
街頭演説を行う大阪駅前には、周囲を埋め尽くすほどの人が詰めかけた。
男性:「私が総理やります」言うんですかね。
女性:これから総理大臣になる方かなと思ってるので。
公明党から連立を解消され、窮地に追い込まれた高市新総裁の前に立ちはだかる、野党連携の壁。さらに、仮に高市氏が新首相になったとしても、その前途は多難…。
しかし、思わぬ逆転の一手があるという。
政治ジャーナリスト・青山和弘氏:高市さんが局面を打開するのは、衆議院を解散。可能性は高いと思います。
立憲民主党から協力を仰がれ、キーパーソンとして注目される玉木代表は、大勢の聴衆の前で…
国民民主党・玉木雄一郎代表:内閣総理大臣を務める覚悟はいつでもあります。立憲民主党をはじめとした他の野党に対しては、あまりにも基本政策がバラバラだと、いくら数合わせで政権作ったってすぐダメになりますよ。
そして、12日も…
国民民主党・玉木雄一郎代表:現行の安全保障の法体系と、それに基づく日米の防衛協力体制を認めるのか認めないのかということを、明確に答えを党として出して頂きたいと思います。
基本政策の一致が必要だと改めて強調。野党の連携に慎重な姿勢をのぞかせた。
となれば、高市新総裁が総理となる可能性が高まるが、政治ジャーナリスト・青山氏によると、公明党が連立離脱した今の難局を乗り切る、切り札があるという。
政治ジャーナリスト・青山和弘氏:衆議院を解散して自民党の議席を増やす。低い支持率だと解散って難しいんですよ。ただ今の段階だと、高市さんの期待も集まっていると。私は、可能性は高いとは思います。
高市新総理が誕生した場合、ガソリンの暫定税率廃止法案や、物価高対策のための補正予算案を成立させた上で、期待が高いうちに衆議院を解散、議席数増加を狙う可能性があるという。
しかし、公明党の組織票を失った今、2024年の衆院選で僅差で当選した議員たちは、逆に議席を失う恐れも…。勝算はあるのか?
取材したのは、和歌山市の山本大地衆院議員。
2024年の衆院選では、公明党支持者も多く投票してくれたというが、2位との差はわずかに124票。
山本大地衆院議員:(次は)厳しい選挙になるだろうなと思いますので。
では、次の選挙の戦い方を聞くと…
山本大地衆院議員:昨日もちょっと市議会の先生方とお話しして、中央が終わったから、もうすべて終わりだっていうことではないんだっていう。これからも仲良くやろうねと。やっぱり人物同士もよく知ってるので。
人の繋がりや政策次第で、公明党との連携を探るのだという。
激動が続く政局…はたしてその行方は? (「Mr.サンデー」10月12日放送より)