警察官を装う「ニセ警察詐欺」の手口で現金を詐取したとして、警視庁は17日、中国籍の会社員の男(38)(東京都江東区辰巳)ら男女3人を組織犯罪処罰法違反(組織的詐欺、犯罪収益隠匿)容疑などで逮捕したと発表した。
男はカンボジアを拠点とする詐欺グループのトップで、同庁は、1月までの半年間に約500人から計約50億円を詐取し、中国人富裕層が日本のマンションを購入する際の手付金に一部が充てられたとみている。
他に逮捕されたのは、無職の男(31)(住所不定)と、中国籍の職業不詳の女(36)(中央区勝どき)。逮捕は14~15日。
発表によると、2人の男は仲間と共謀して2023年9~12月、宮城、静岡両県の60歳代の男女2人の自宅に警察官らを装い、「口座が不正に利用されており、調査のためにお金を移す必要がある」とうそを言って、指定口座に現金計290万円と計100万円相当の暗号資産を振り込ませて詐取した疑い。
女は中国籍の男らと共謀して同年10~11月、沖縄県の70歳代男性から現金3232万円を詐取した上、このうち1000万円を東京都港区の高級マンションを購入する手付金として不動産会社に送金し、犯罪収益を隠した疑い。
中国籍の男らは、日本円をすぐに準備できない中国人から手付金の支払いを請け負い、これに詐取金を充てていたとみられ、不動産会社への支払い後、契約者から中国元で代金を回収していたという。同庁は詐取金をマネーロンダリング(資金洗浄)していたとみている。
グループは同年5月頃からカンボジアに拠点を置き、現地では詐欺電話をかける「かけ子」約30人が活動していたといい、中国籍の男が詐取金の管理や分配を担っていた。もう一人の男はかけ子の管理役で、女は詐取金を移動させる指示役だった。
中国籍の男はカンボジアで、同年7月に別の詐欺未遂容疑で同庁に逮捕された住吉会系暴力団幹部(30)と接触していたという。同庁は、中国の犯罪組織が暴力団と協力して詐欺拠点を設立したとみている。
中国籍の男は今年5月以降、ニセ警察詐欺に関与したとして、同庁に組織犯罪処罰法違反容疑などで4回逮捕され、その後、起訴されていた。同庁はこれまでに2人の男を含む詐欺グループのメンバー計25人を逮捕していた。