結論から言いましょう。
自民党は変わりません。
誰が総裁になっても同じ。
派閥の論理で動くからです。
10月4日に投開票された自由民主党総裁選挙だって同じです。候補者がどれだけ勇ましいことを公言しても、総裁になった瞬間にスイッチが切り替わる。昨日までの公約? え、何か言いたいんですか? という顔を平然とする。誰が勝っても、結局、派閥が決めるからです。
公約は消え、期待は裏切られる。だから僕は言いました。
「予想通りで、何も変わってない自民党ですね」と。
選挙後のラジオで言ったのは、ただそれだけのこと。淡々と観察した上での感想を述べただけです。ですが、メディアは「痛烈な皮肉」と見出しをつける。いやいや、皮肉じゃなくて事実ですよ。
正直に言います。自民党は「変化しないこと」に関しては、世界トップクラスの安定性を誇ります。
何十年も政権を握っているのに、構造は昭和時代のまま。派閥があって、利害調整があって、国民よりも内部事情が最優先。選挙のときだけ「改革」とか「変革」とかカッコイイ言葉を並べる。
でも選挙が終われば、ハイ解散。いつもの「派閥ゲーム」に戻るわけです。
国民はそんな舞台の観客です。でも台本は最初から決まってる。“劇団・自民党”が毎回同じ脚本を演じてるだけなんです。
「同一労働・同一賃金を実現します」って言っていた方、いましたよね。
そう、石破茂さん。立派なスローガン。拍手喝采。でも、やらないまま退場。言っていたことはどこに消えたのでしょう。
でも、自民党では珍しい話じゃありません。むしろ日常茶飯事。
「政治家の言葉は賞味期限が短い」って、そのとおりです。牛乳より短い。納豆より早い。信じた人がバカを見る。言葉の重さはおそろしいほど変幻自在です。
今回の高市早苗さんも例外じゃありませんでした。
高市さん、靖国神社に参拝を続ける、と言っていました。強気に。何度も。でも総裁になったら、どうやら参拝しないらしい。あれだけ「やります」と言ってたのに? あれ? やらないんですか? 外交上の配慮? 派閥への忖度? 理由はいくらでも出せます。
でも、有権者からしたら「言ってたことと違うじゃないか」となる。
そして「やっぱり政治家は信用できない」につながっていく。
僕は、自民党総裁選前に討論会をやりました。YouTubeで「ひろゆきと語る夜」。
候補者5人の方々に、好き放題に質問したんです。テレビと違って台本はありません。
だから「ステマ問題どう思います?」とか、突拍子もない質問もできる。あるいは英語でいきなり聞いてみた。「国際会議で英語も話せない人がリーダーって、どうなの?」って思ったからです。これまで誰もそんな質問をしません。だから僕が聞いてみた。
結果は予想通りでした。
答えられる人もいれば、固まる人もいる。しどろもどろになる人もいた。人間性が一発で出るんです。
ですが、その違いは、総裁選の結果には影響しませんでした。党内派閥の票がすべてを決めるからです。能力も理念も関係なし。まさに「不毛」です。
派閥とは、言ってしまえば「政治家の互助会」です。
政策よりも「この人についていけば選挙に強い」とか「ポストが回ってくる」とか。そんな理由で結託する。だから派閥のボスが「今回はこっちで行こう」と言えば、配下は従うしかない。そうやって党の総裁は選ばれる。
理念よりも派閥の算盤が勝ちますから、総裁になった人は「派閥の貸し」を返さなければいけません。だから本来自分がやりたかったことは後回し。「国民より派閥」というのが、自民党のお家芸であり伝家の宝刀です。
選挙のたびに国民は期待します。「今度こそ変わるかも」「この人がトップになれば、変えてくれるかも」と。でも結果は毎回同じで、「期待してソンしたなぁ」となる。その繰り返しです。
そして政治不信が深まる。だから僕は最初から期待しません。「どうせ変わらない」と思っていたら、失望もしない。そのほうが精神的に健全だと思います。
とはいえ、僕は考えます。
自民党がここまで堕落した理由は何だろう、と。
僕に言わせてみれば、宗教団体票という麻薬に依存してきたからです。公明党との26年続いた連立政権です。
票は安定。選挙は安心。宗教票があれば、勝てますから。本来あるべき「選挙の緊張感」というものが、そこでいっさい消滅したのです。だから派閥も、利権も、腐敗も放置できた。裏金問題? 派閥政治? どちらも根っこは同じで、「どうせ選挙に負けない」という慢心から生まれてきたものでしょう。
宗教票に依存する中毒。それが自民党の堕落を深めました。でも、その麻薬もついに底が見えました。2025年10月10日、公明党の斉藤鉄夫代表による、自民党との連立離脱の表明です。
宗教団体政党である公明党が野党になれば、安定は崩れる。ここから先の自民党は、“素の姿”で勝負しなければいけません。
つまり、本当の耕しどころはこれからってわけです。宗教票に頼らない政治。利権より政策で戦う政治。政治は畑です。政策で民意を実らせる畑です。そんな政策畑を耕すこと。だから、政治家は「政策のプロ」でなければならない。
もう一度言います。本気で政治を変えたいなら、党内の派閥を潰すしかありません。
でも派閥を潰すって、自民党にとっては「自爆ボタン」を押すようなものかもしれません。
ですが、今が時。今なら、ボタンを押せるかもしれない。事実、「高市総裁」で宗教団体政党が野党になりました。爆音とともに自民党の茶番劇が終わり、政権の本公演が始まったとも言える。この際、「傀儡」「院政」「二人羽織」という自民党のお家芸を捨てて、派閥という雑草を抜き、利権という農薬を捨てる。そこに政策の種を蒔く。そうでなければ民意は実りませんから。本来の仕事をしてください、政治家のみなさん。
僕の理想を言わせてもらいますと、一にも二にも、「派閥から離脱」した政治。つまり、昭和利権政治と決別した政権です。
そしてもう一つ。「日本はアメリカのATM」と言われてきた長い現実があります。それこそ昭和のバブル期以前からです。
アメリカでは日本の生命保険会社を「セイホ(SEIHO)」と呼んで、米国債を買い支える存在としてネタにしてきました。でも、ATM扱いされ続ける未来に価値はありません。金を出すだけの同盟国じゃなくて、政策で並ぶパートナーになる。その決別こそ、本当の意味での独立です。
言ってしまえば、総理大臣の名前は二の次です。第104代首相に指名されるのは「高市早苗」氏でも、「玉木雄一郎」氏でもいい。政策を実行できるのであればどちらでも良い。
高市さんになったら「女性初の総理」だし、玉木さんになったら「昭和政治の終焉」になりますから。しかし、畑は一人で耕せない。ですからみごと耕せなかった石破首相の「退陣撤回」は論外です。
現在、日本の政権は「レームダック(死に体)」化しています。自民党総裁選と、国会で首相を選ぶプロセスの間のタイムラグが、2週間以上に及ぶ見通しです。これまではだいたい数日でした。2024年の石破政権は総裁選から4日後。2021年の岸田政権も5日後に発足しました。政治空白が長引けば、国民生活はその分だけ置き去りです。
もう一度、言います。政治家のみなさん、仕事をしてください。
———-ひろゆき(ひろゆき)2ちゃんねる創設者東京都北区赤羽出身。1999年、インターネットの匿名掲示板「2 ちゃんねる」を開設。2015年に英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人に。YouTubeチャンネルの登録者数は155万人。著書に『ひろゆき流 ずるい問題解決の技術』(プレジデント社)、『なまけもの時間術』(学研プラス)などがある。———-
(2ちゃんねる創設者 ひろゆき)