大分海上保安部は4日、船舶給油用の重油をタンカーからタンクローリーに積み替え着服したとして、業務上横領の疑いで、大分港を拠点とするタンカー「第1関門丸」(117トン)の船長、藤沢和則容疑者(49)や機関長、高瀬敦容疑者(55)=いずれも大分市=ら5人を逮捕した。市場価格の半額程度で不正に売っていたとみて調べている。 藤沢容疑者と高瀬容疑者の逮捕容疑は2月と4月、船員らと共謀し、大分港の岸壁で、第1関門丸のタンク内の重油約8900リットル(時価約67万円)をタンクローリーに移し替え、横領したとしている。 大分海保によると、情報提供を受け、不正の現場を確認。5月に船内や、山口県下関市の所有会社事務所を捜索し、資料を押収していた。売却先は燃料油の卸会社などだったとみている。 所有会社の関門海運は取材に「ただただ残念。顧客の信頼回復のため、今まで以上に一生懸命仕事をするしかない」とコメントした。