志望大学伝えられず無力感や失望か 三重県立高3年男子の自殺 調査委が報告

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三重県立高校の男子生徒が一昨年に自殺した背景を調査するため、三重県教育委員会が設置した第三者による調査委員会は12日、志望しない大学への進学に、無力感や失望があったとする調査結果をとりまとめました。
一昨年8月、県立高校に通う3年生の男子生徒(当時17歳)が自殺し、遺書はありませんでしたが、三重県教育委員会は学校生活に関係する要素が疑われるとして、国の指針に基づき第三者による調査委員会を去年2月に立ち上げ、亡くなった男子生徒と関係のあった生徒を対象にアンケートを行うなどの調査を行ってきました。
12日に開かれた調査委員会の会合には、委員会のメンバーである弁護士や臨床心理士など4人が出席し、これまでの調査内容をとりまとめました。
会合後の記者会見で、弁護士の白山雄一郎委員長が調査報告の概要を明らかにしました。
自殺の背景として、男子生徒は部活動による推薦で、ある大学への進学が内定してましたが、別の大学への進学希望が強く、その中であせりや無力感、失望を感じ、精神的な負担があったということです。
進路指導には部活動の顧問が関わり一定の信頼関係がありましたが、男子生徒は希望を打ち明けることができなかったとしています。
白山委員長は「周囲の期待に反する思いを言えなかったというところでズレが出てきた。進路指導を部活動の顧問が担当し、学校の対応が問題だった」と話しました。
調査報告には進路指導体制の見直しなど再発防止策の提言も盛り込まれ、県教育委員会の担当者は「再発防止に向けて取り組んでいきたい」と話しています。

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