【山本 昌義】31歳女性が「祖母の介護」で後悔…結婚予定だった男性に言われた「衝撃の一言」

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前編『31歳女性が「祖母の介護」で交際相手と関係悪化…両親の「驚愕の発言」と予想しなかった影響』でもお伝えした通り、未婚者は実家暮らしの方が多い一方で、実家暮らしによる結婚の弊害も珍しくありません。実際に日本仲人協会の内部アンケートで寄せられた、婚活失敗談の中では「親や実家が原因」が極めて多く寄せられています。
実家暮らしはメリットも大きい反面、結婚を考える際にはデメリットも小さくありません。実家の環境によっては、知らず知らずに当人が悪影響を受けていることもよくあります。
将来的な結婚を見据えている場合は、一度は実家を出てみるか、悪影響に早めに気づけるよう、また問題が深くならないよう、なるべく早いうちから婚活を始めておきましょう。
桜井春香さんは、地方の中堅企業に勤める年収400万円の31歳女性です。交際3年になる彼氏は杉山翔太さんという、隣県の中堅企業に勤める年収500万円の33歳男性で、結婚話を進めている最中でした。
そんな折、実家で同居している彼女の祖母に介護が必要になったのですが、一切の外部の介護を拒否する祖母に対して、今でも続く嫁姑問題によって彼女の母親、そして父親までもが介護を拒否したのです。最終的に、彼女自身が祖母の介護を引き受けたのですが……。
春香さんは早速、勤め先に事情を説明して退職しました。
仕事が大変だと感じていた彼女は、専業主婦になることもそこまで苦ではありませんでした。専業主婦になるための格好の理由になる側面もあって、進んで介護を引き受けたとのことでした。同僚からは介護離職を心配されたそうですが、当人はピンとこなかったといいます。
しかし、春香さんにとって一日中、気分屋の祖母の介護をするのは想像以上に大変なことでした。
そこで彼女は、翔太さんとの結婚を早めて「彼にも介護を支えてもらおう」と考えました。彼女の実家、もしくは実家の近くに住めば、少なくとも夜や休日には介護を手伝ってもらえます。
実際に彼女の周りでは、夫婦で介護をしていることが多く、当然、翔太さんも快く受け入れてくれると思っていたそうです。
そうして彼女は、彼との久々のデートで、それまで「家庭の事情」と伝えていた祖母の介護について改めて詳細を説明し、彼に早めに結婚できないかお願いしました。
しかし、春香さんの予想に反して、彼は「ちょっと考えさせて」と、答えを保留にしてきたそうです。
「やっぱり、さすがにそんな結婚イヤだよ」
翔太さんは結婚の打診から1ヵ月後、このように返答してきました。
3年の交際で愛情は十分あるし、できれば結婚したかったけど、結婚前から無職で義祖母の介護をしなければならない女性と結婚することはできないと伝えられました。
彼との結婚を前提に介護離職をした春香さんからすれば、衝撃の回答だったといいます。
彼女はその後、離婚の経緯を既婚者の友人女性にグチったのですが、彼女のほうが非難されてしまいました。
最初、なぜ自分が非難されるのか分からなかったそうですが、今では自分の落ち度を理解できたそうです。
彼女の両親からしても、婚約破棄は予想外だったらしく、自分たちが介護を押し付けたことが原因だと知り、後悔しているといいます。
そのおかげか、両親は少し介護を手伝ってくれるようになりました。それでも、春香さんが中心になって介護をしていたため、今後、再就職や婚活ができるのかどうか不安とのことでした。
「我ながら、自分が浅はかでした。今思えば、専業主婦や介護を断られるのが怖くて、強引に進めていたのかもしれません。いつかは介護も終わるでしょうが、それから再就職や結婚などできるのでしょうか…?」
そもそも大前提として、現代の結婚は「共働きして支え合う」が主流です。
なので多くの男性は無職(家事手伝い)や専業主婦希望なだけでも避けますし、介護中なら尚更といえます。
特に婚活では、恋愛結婚と異なり、愛情という理由だけでは介護が受け入れらることはほとんどないでしょう。
これは、できる・できないという現実的な問題もさることながら、「やりたくない」という感情面が大きいといえます。
簡単な話、これが逆の立場なら、受け入れるでしょうか?
そもそも受け入れるには十分な年収が必要ですが、仮にその年収があっても、簡単には受け入れないほうが普通です。
高年収女性ほど、より高年収な男性を求める傾向ですし、たとえ結婚後であっても、たとえば旦那さんが病気などで働けなくなったら離婚する方もいます。
生命保険文化センターの資料によると、介護離職者は年齢が高まるほど増える一方で、20~30代の若年層でもゼロではありません。そして「実家が原因で婚活失敗」というのは、介護以外でもよく聞きます。結婚相手の負担になりそうなことは、なるべく前もって対処しておきましょう。
本件は婚活の当事者である春香さん以外に、両親にも問題がありました。母親は祖母の被害者ともいえますし、父親の考えも時代背景を考えれば仕方ないかもしれません。しかし、自分たちの負担を娘に押し付けた点は責められても仕方ないかと思います。
親が子どもの邪魔になる例は沢山あります。
「女性は結婚して養ってもらえばいい」などの時代錯誤な考えは最たる例といえます。他にも借金や子から親への仕送り、家業の承継、マザコンやファザコン、親が介入して破談になど、本当に様々です。どこかのタイミングで、親も子離れをすることが大事といえます。
日本仲人協会によると、婚活にかなり意欲的だった女性が父親の危篤を機に活動を休止し、父親が亡くなった後には「これは父親からの(婚活を止めておけという)メッセージだ」と考え、婚活を止めた事例もあったそうです。子どもに親離れをさせることも、一つの親の務めかもしれません。
現代の結婚は、親世代の頃とは全く違います。子どもを結婚させたいと願うなら、親も現代の結婚事情を理解することが大切です。どうせなら子どものためになる存在になって、親としてサポートしてあげましょう。
31歳女性が「祖母の介護」で交際相手と関係悪化…両親の「驚愕の発言」と予想しなかった影響

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