そのままだとカビが部屋中に…「カーテン」を“手軽にキレイにする洗濯”をプロに聞いてみた《5月は絶好のタイミング》

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ついつい後回しにしてしまいがちなカーテンのお手入れ。しかし、カーテンに付着した冬のホコリや花粉を一掃できる5月は、カーテンの洗濯に絶好のタイミングです。
【画像】自宅でカーテンを洗うときの“注意点”
「でも、そもそもカーテンって洗濯できるもの?」「『ていねいに手洗いを』と言われても、洗い方もわからないし、下手にやると縮みそうで怖い」
そう思われる方もいるかもしれませんが、大丈夫。ネットやお店で売っているような市販のカーテンなら、分厚いドレープカーテンも、薄いレースカーテンも、家庭用の洗濯機での洗えるものが大半です。
5月はカーテンの洗濯に絶好のタイミング ※写真はイメージ AFLO
いずれも詳細は商品タグの洗濯表示に描いてありますが、カーテンの基本の洗い方、そして効果的に洗うためにはいくつかのポイントがあります。
〈・一度に洗える枚数は、ドレープで1枚、レースで2枚(1枚の大きさは横90センチ・縦180センチ目安)まで。決して洗濯機に詰め込まないこと
・カーテンフックは外しておくこと
・カーテンは蛇腹に折り畳んで、大きなサイズの洗濯ネットに入れること
・全自動洗濯機の洗濯モードは、「普通」ではなく「おしゃれ着」や「ドライ」といった、水量が多く、回転と脱水の弱いモードに設定すること
・投入する洗剤も、普通の洗濯用ではなく「おしゃれ着」用とされる「中性洗剤」を使うこと〉

上の内容を守れば基本的にサッパリ洗い上がります。次に、カーテン本体の洗濯と同時にやっておきたい、フックやタッセルとといった附属品のお手入れ方法を紹介します。
まずはカーテンを留めるためのフックの洗い方から。洗面器にぬるま湯を張って食器用洗剤を数滴落としたところにフックを入れ、お米を研ぐようにザザッと洗って、綺麗な水ですすぎ、乾いたタオルの上に並べて乾かします。
洗濯が終わったら、カーテンに1箇所ずつ元通りに挿し直しましょう。

タッセルと呼ばれる「カーテンを束ねるもの」ですが、カーテンと同じ布でできているシンプルなタイプと、ロープの先にふさがついているような装飾的なタイプに大きく分けられます。
カーテンと同じ布でできているタイプは一緒に洗濯できることがほとんどですが、ロープやリボンやビーズでできているようなタイプは洗濯できないことが多いので注意しましょう(脱色や破損の可能性があります)。
洗濯を終えたカーテンですが、ベランダなどに干して乾かす必要はありません。脱水が終わったものからフックをつけてカーテンレールにかけてしまいましょう。濡れた布の自重でシワなくきれいに乾き上がります。
ただし当然部屋の中は湿っぽくなりますので、カーテンの洗濯は空気の乾燥した晴れた日にするのをお勧めします。

ポリエステルではなく、天然素材のウール(羊毛)やシルク(絹)を使っているような重厚で高級なカーテンは自宅洗いをすると不可逆的に縮んでしまう可能性が高いので、洗うならば外注、専門店でのドライクリーニング一択にするのが無難です。
コットン(木綿)やリネン(麻)のカーテンも縮みが出やすいので自宅では洗濯せず、専門店に相談しましょう。
また材質不明な手作りカーテンや、長期間吊るしっぱなしで洗濯表示が日焼けして素材不明なもの、長期間吊るしっぱなしで生地が日焼けで傷みすぎているものも、自分で洗濯するのはやめておくか、するならば自己責任で、がんばりましょう。
ちなみに「遮光カーテン」でもポリエステル製で洗濯表示が洗濯機洗濯可能なものであれば、前述の方法で自宅洗濯できます。
カーテンのみならず、窓周りはガラス窓そのものや、カーテンレール、カーテンボックスにもホコリやカビ、ベタついた汚れがついていることが多いのです。洗濯している間に拭き掃除をしておくと、せっかく洗ったカーテンを汚さずに済みます。
もしこれといった洗剤や掃除道具が無い場合は、100円ショップでクルマのフロントガラス掃除用の使い捨てウエットシートを買ってきて、それで窓ガラスやサッシを拭くのをおすすめします。手軽に綺麗になります。

そもそも「カーテン、今まで洗濯したことなんか一度もないけど、洗濯する意味なんてあるの?」と思われる方もいるかもしれませんが、カーテンを洗濯すると、例えばこんなメリットがあります。
〈・部屋の空気がてきめんに良い匂いになります
・空気清浄機をつけたかのように部屋のホコリっぽさが消えます
・白系のカーテンなら、部屋の中が一段階明るくなります〉
部屋の中でもとりわけ広い面を覆う布であるカーテンには、思いのほかホコリが付着しています。さらにホコリだけでなく油煙、屋外由来の煤煙や花粉などのPM2.5と呼ばれる微粒子が付着し汚れています。喫煙しているならもちろんヤニも吸い込まれています。
冬のあいだ閉め切りにしていたカーテンなら、窓ガラスについた結露の水滴が染みてシミ汚れができていたり、黒いテンテン汚れがついていたりもしますが、このテンテンの正体はカビ。
つまりそのままにしていると、カーテンを動かす度にカビの胞子を部屋に撒き散らしてしまい、空気の汚染、室内環境の悪化の原因となってしまいます。

ジョンソンの「カビキラー」はカビ取り剤として有名ですが、「布」のカビ取りは用途外です。
カビキラーの主成分である次亜塩素酸ナトリウムを用いた布用塩素系漂白剤は別に市販されています。塩素系漂白剤の使用が洗濯表示で許可されているカーテンについては、こういった別の布用塩素系漂白剤を使えることもありますが、それも真っ白なカーテンに限ります。
塩素系漂白剤では色物は脱色してしまうので色むらや変色、黄変の可能性があります。くれぐれも注意してください。
一般的なカーテンに用いられている素材、ポリエステルはプラスチックの一種なので、黒いテンテン状にカビが生えても洗濯だけで落とせることがほとんどです。それでもカビが心配なら、塩素系ではなく酸素系の漂白剤(粉なら過炭酸ナトリウム、液体なら過酸化水素水)の水溶液で漬け込むか、カーテンの洗濯頻度を高くすることをおすすめします。

ちなみにカーテンは年に2回(5月、11月)目安に洗濯するのが理想的。5月の洗濯を終えたら、次は夏の泥砂や煤煙を落とす11月と意識しておくと良いでしょう。まずは軽くて薄いレースのカーテンから、この週末にでも洗濯してみては?
(藤原 千秋)

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