「町長室で性交渉」と虚偽の告白、元町議らに賠償命令…前橋地裁が町長への名誉棄損認定

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群馬県草津町の黒岩信忠町長(77)が、「町長室で町長と性交渉をした」という虚偽の告白が電子書籍に載り名誉を傷つけられたとして、新井祥子元町議(55)や書籍著者の飯塚玲児(本名・飯嶋辰昭)氏(57)ら3人に慰謝料4400万円の支払いなどを求めた訴訟の判決が17日、前橋地裁であった。
田中芳樹裁判長(小川雅敏裁判長代読)は性交渉がなかったと認定し、新井氏と飯塚氏に275万円の支払いなどを命じた。別の元町議への請求は棄却した。
判決などによると、新井氏は2019年10月頃、飯塚氏に「町長室で黒岩町長と性交渉した」などと書いた手紙などを送り、それらを基に飯塚氏は19年11月、電子書籍を出版した。
しかし、新井氏は23年11月の本人尋問で「性交渉はなかった」と述べ、胸を触るなどのわいせつ行為をされたと主張を変えた。判決で田中裁判長は「主張の変遷に合理的理由はなく、わいせつ行為をうかがわせる音声は記録されていない」と指摘し、「新井氏の供述は信用できない」とした。また、電子書籍出版で町長の社会的評価が低下したと認め、名誉毀損(きそん)が成立すると結論づけた。
黒岩町長は判決後、「一つの区切り。性被害の問題では男であれば自動的に加害者にされてしまう恐ろしさを感じた」と語った。
この問題では、新井氏は22年10月に名誉毀損と虚偽告訴の罪で在宅起訴され、公判はまだ開かれていない。飯塚氏は今年1月に名誉毀損罪で懲役1年、執行猶予3年の判決が言い渡されている。

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