電動車椅子の客、「バッテリー目視できない」とピーチ機に乗れず…国交省「現物確認を必須とせず」

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沖縄・那覇空港で今月、電動車椅子のバッテリーを目視で確認できないことを理由に、乗客が航空機に搭乗できないトラブルがあった。
国土交通省は16日、「車椅子のバッテリーの確認は現物を必須とせず、書類や口頭などで足りる」と、航空各社に改めて周知したと明らかにした。
国交省や格安航空会社ピーチ・アビエーションによると、台湾在住の女性が今月5日、利用する車椅子のバッテリーの種類や容量などを事前に申告した上で、台北行きのピーチ機に乗ろうとした。ピーチは、客の事前申告に加え、安全を確保するため搭乗当日に目視で現物を確認するよう社内で規定。女性の車椅子はバッテリーがカバーに覆われるなどして確認できなかったため、女性に謝罪した上で車椅子の貨物室への預かりを断った。女性には別会社の航空券を用意した。
電動車椅子を航空輸送する場合、気圧や温度の変化、振動・衝撃で液漏れや発火などが起きる恐れがあるため、航空会社は法令により、電池を確認し、種類に応じた取り扱いが求められる。
ピーチの広報担当者は「社内規定の案内が不十分だった。バッテリーの確認についても今後、合理的配慮の観点から方法を検討する」とコメントした。斉藤国交相は16日の閣議後記者会見で、「ピーチ社の対応を検証した上で、必要な指導を行う。障害者差別解消法の趣旨を踏まえ、しっかりと対応する」と語った。
障害者差別解消法で今月から、障害者に対する合理的配慮の提供が民間事業者に義務付けられている。

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