新潟・糸魚川市の高松山で3月24日、登山中のオーストラリア出身の男性が雪崩に巻き込まれ滑落した。滑落から“奇跡の生還”までの一部始終をカメラがとらえていた。
登山者を襲った突然の悪夢。雪崩に巻き込まれ、滑落した瞬間だ。
雪の山肌を滑落しつづける登山者。なかなか止まらない。
これは、3月24日、新潟・糸魚川市にある標高1725mの高松山を登山していた、オーストラリア出身のステファン・バートロさんが撮影した映像だ。
バートロさんが握りしめたカメラのレンズはどんどん雪に覆われていった。かなりの速度で滑落する間、身につけていた靴や帽子が脱げた。
バートロさんによると滑落した距離は約500m。約40秒後にようやく止まり、バートロさんは「私大丈夫よ～！」と叫んだ。
5年以上の登山歴があり、滑落も何度か経験しているというバートロさん。この事態を防ぐことはできなかったのだろうか。
バートロさんは「山頂達成してちょっと油断で360度のカメラを使いました。本当は、ベストはそのカメラの代わりにピッケル使ったら良かったね」と振り返った。
一瞬の油断が招いた滑落事故。向かいの山から別の男性が撮影した写真の矢印の先にいるのがバートロさんだという。
滑落中は黒い岩がむき出しになっている所もあり、危なかったという。
バートロさんは「やっぱり岩場にぶつかったら大変。映像を見たんだけど、なぜ私が急に横になったかというと、岩場にぶつからないためにできるだけとめようと思った」と話す。
十分な準備や計画を立てても、事故は起きると考えて危険に備えることが重要だ。（「イット！」 4月1日放送より）