いま既婚女性が”女性専用風俗”に次々とハマっている意外な理由

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〈癒しを求めて”女風”に通い始めたのに、気がつけば、苦しい”沼”にハマってしまっていた。前編『実録“女性専用風俗”の沼にハマった30代シングルマザーの末路』に続き、”ガチ恋” にハマり、600万円貢いでしまったアスカさんのインタビューをお送りする〉
「それはこれまでの人生で味わったことのない多幸感でした。薬物にハマる人ってこういう感覚を味わいたくて止められなくなるんでしょうね。だからやっぱり彼との関係を続けてしまうんです」
女風セラピスト・Jくんに爛チ恋瓩靴討い薪時のことをアスカさんはこのように振り返る。だが、1回目の時点ではまだ「相手は女風セラピストだから」と割り切っていた。しかし、メールのやりとりや指名を重ねるうちにアスカさんはどんどんJくんにハマっていく。
「『俺たち両想いだね』とか『毎日アスカのことを考えている』とか『一番信頼できる』なんて言ってくれるわけです。私はこういうサービスを利用したことがなかったので、この手の言葉がまさか営業上の嘘だなんて思いません。すっかり倏焼發花畑畩態です。とどめは『俺は絶対アスカには嘘をつかないから』と言われたこと。そこまで言われると普通に信じちゃいます。もう彼のことしか考えられませんでした」
だがそれはつらい日々の始まりでもあった。Jくんに実際に会えるのは月に1回だけ。彼の都合で何か月も会えないこともあったからだ。
「会っているのが1か月の中で15時間だとすると、それ以外の29日と9時間はずっと辛い時間でした。その間毎日私の好きなJ君は仕事で他の女の人たちと会っているわけです。だから心はいつもボロボロです。でもそれが普通の状態だから、たまにLINEや電話をもらったときの喜びが半端じゃなくなっちゃうんです。宝くじで100億円当たったぐらい幸せなんです。この多幸感を忘れられなくて、会うのをやめられなくなりました」
Jくんと1回会うと料金やホテル代もろもろ含めて15万円前後。昼職のアスカさんには高額な料金だ。
「最初は高いと思いましたが『Jくんに会うため』と払っているうちにどんどん麻痺していってコンビニで少し高いものを買うぐらいの感覚でした。彼にふさわしい女性になるためにこれまで買ったことのないブランド品や自分磨きにもお金をつぎ込みました」
しかし、どんなにアスカさんがJくんを想っても彼にしてみればただのお客に過ぎなかったことが判明、アスカさんの歪な幸せの日々は終わりを告げる。
「最後の最後に『アスカに恋愛感情を感じたことはまったくなかった』と告白されました。それで彼のこれまでの言葉が嘘だったことがわかりました。さらにショックだったのは、嘘を責めると『こういうことは風俗を利用する側が知っていなければいけないことだ』と言われたことです。彼の言う風俗のルールが正しいかどうかは知りません。でも、それを知らなかったばかりに膨大な時間と600万円のお金とエネルギーを犠牲にしてしまったかと思うとやりきれない気持ちになりました。だからそのルールを知らない人たちのためにこのことを伝えなければ、と思い、ブログを始めたんです」
アスカさんが自らの体験をつづったブログ『世にも危険な「女性向け風俗」』(アメーバブログ)は女風ユーザーの間で反響を呼び、『地味OLの私ですが極上セラピストに恋しました~ひと晩15万~』というタイトルでコミカライズもされている。アスカさんのブログには多くの女風にハマって悩んでいるユーザーからの声が寄せられた。
「『男性風俗でもよくある話では?』と感じる方も多いかもしれません。でも、明らかに女風の方が依存症的にハマってしまう例が多いように感じます。それは男女の本能的な心の動きの違いに関係があるのではないでしょうか」
都内に住む40代の教員・メグミさん。女風の利用スタイルには厳格なマイルールを定めている。女風を利用するのは「彼氏ができるまで女として枯れないようにするため」だという。
「セラピストの新人割や期間限定サービスで2時間1万円になっているときしか行きません。それ以上は絶対に払いたくないので。1万円でも高いけど普通にオイルマッサージやリンパドレナージュに行っても1万円ぐらいはかかるから、1万円だったら女風もありかなと。リピートをすると正規料金になってしまうので2回以上同じセラピストを指名することはありません。実は、性感も性行為もそれほど良くはありませんでした。正直、これまで彼氏とやってきたセックスのほうが断然気持ちよかった。女風に行くたびに、これまでつき合ってきた男性たちに私は愛されていたんだなあって再確認しています(笑)」
そんなメグミさんでも1度だけリピートするかどうか迷ったことがあるという。
「セラピストが自分の好みの人で少しでも『いいな』と思ってしまうと、その人のことを忘れられなくなるんですよ。そのセラピーのことはリピートしようかと思いましたし、少しでも繋がっていたくてチマチマとメッセージを送ったり、ツイッターをチェックしたりとちょっとした沼にハマりかけました」
「マイルールを守ることが自己肯定感を上げるんです」というメグミさんでさえ、マイルールを破りそうになってしまったのだ。その理由について、
「私なりの考察ですけど、母性本能に近い感情があるんじゃないでしょうか。私は子供がいますが、生まれて初めて抱っこした瞬間にバーッて何か大きな感情が芽生えた感じがしたんです。それにちょっと近い感情です。恋に落ちるのと少し違う。そういう女性特有の感情があるから引っ張られやすいのではないでしょうか。たぶん男性が風俗に通うのとは違う感覚ですね」
どうも女風には男性風俗にはない、何かがあるようだ。アスカさんはそれを「脳のバグ」なのだと言う。
「風俗嬢や水商売をしている人からもよく悩んでいるという相談を受けることがあります。男女関係が商売だと頭では理解しているはずのそういった人たちでもハマってしまうことがあるんです。それはやっぱり頭でどれだけ理解していても、イチャイチャしてしまうとカラダが『この人を好きなんだ』と思っちゃうんですよ。心で生きている女性にとって女風はやはり中毒性のあるサービスなんです」(アスカさん)
だからと言って、女風が危険だと言っているのではない。女風に通ったことで、「人生が豊かになった」と感じている女性の方も多くいる。
50代、接客業のリエさん(仮名)は初めて利用したセラピストに、今でも2ヶ月に1回ほどのペースで会っている。
「これまで付き合った男性は、俺様的な人ばかりで優しくされたことがなくて、そういうのが男らしいのかなと思っていました。50代を過ぎて、今さらモテることはないし、“女”であることもほとんど忘れていました。でも、やっぱり枯れたくないんです。このまま枯れてしまうのが、一番怖い。だから、勇気を出して女風に行ってみました。一番感動したのは私がやってほしいことを言わなくてもしてくれたことです。女風で初めて外国人みたいにエスコートされて、『ただ添い寝してほしい』ってお願いすると、黙って添い寝をしてくれて、頭を撫でてくれる。本当に男らしい人って優しいんだなって女風で知りました。女風に行くために自分がキラキラできるように普段の生活も女らしく頑張ろうと思えるようになりました。本当に感謝しかないです」
女風は女性の心を豊かにしてくれることもある。しかし、一度ハマれば抜けるのは決して容易ではない。

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