神秘的…こんなに青い水はいったいどこから!? 実は、偶然生まれた“観光名所”だった 北海道「白金青い池」の秘密

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北海道美瑛町を流れる美瑛川の左岸、標高500メートルの場所に不思議な景観を呈する池がある。水の色が真っ青なその池は「白金(しろがね)青い池」と呼ばれ、美瑛町で人気の観光スポットのひとつになっている。
【写真】上空から見た「白金青い池」…横には美瑛川が流れています
なぜここまで見事な青い色になるのか、一般社団法人美瑛町観光協会に聞いた。
「白金(しろがね)青い池」(以下、青い池)は、じつは自然にできた池ではないそうだ。1988年12月に十勝岳が噴火したとき、堆積物による火山泥流災害を防ぐため、美瑛川本流に複数の堰堤(えんてい)がつくられた。そのうちのひとつに川から流れ込んだ水が溜まり、偶発的にできあがった池なのだ。そのため、今は池の水から生えているように見える樹木も、もともと地面に生えていたものが水没したのである。
では、水の色が、なぜここまで青くなるのか。
観光協会によると、美瑛川の上流、白ひげの滝から青い池の間は、大雨や雪融け時季でない限り、川を流れる水は通常青く見えていたという。その水が溜まったから、池の水も青いというわけだ。
その青色の成分は、白金温泉付近で合流する支流や「白ひげの滝」に含まれる硫黄などの温泉成分と、アルミニウムなどを含んだ美瑛川の水で、これらが混ざると「コロイド」という0.1~0.001マイクロメートルの極微細な粒子が生成される。このコロイドが水中に差し込む太陽光を乱反射する際に、波長の短い青い光が散乱されやすいため、人の目には青く見えるのだそうだ。また、池の底には白い土壌があって、これが光を反射して青さを引き立てているという説もあるとか。
ただ、常に同じ青さを保っているわけではないようだ。
「気温による変化は確認できておりませんが、季節、天候による変化はございます。大雨等で土砂が美瑛川に流れ込むと青い池は濁ります」
観光協会のホームページには、四季折々の景色が掲載されており、季節によって青さが異なることが分かる。真冬には水面が凍り付いて、その上に雪が積もるので、あたりは一面の銀世界となる。あくまで筆者の私見だが、青さが際立って美しいのは、日差しが強くなる夏と、紅葉の後に来るカラマツの黄葉とのコントラストがきれいな秋だろうか。水面が穏やかなときは、まるで鏡に写したような上下対称の景色も楽しめる。
また、11月から4月までの間は、夜間にライトアップが行われて、さらに幻想的な風景を楽しむことができる。
もしかして青い池のキャラクターもいるのでは?と期待して観光協会に尋ねてみたが、それはいないとのこと。
「キャラはおりませんが、グッズやスイーツはいろいろございます」とのことで、観光協会のポータルサイトにはさまざまな商品が紹介されている。中でもイチオシしなのが夏季限定の「青い池ソフト」だそうで、クリームの色が青と白のツートンになっていて、キタキツネのクッキーがトッピングされている。見た目からは味が想像しづらいが、美瑛産の生乳を使用した牛乳ソフトとさわやかなラムネ味、そしてミックスの3種から選べるそうだ。
青い池の景色をぜひ見てみたいし、青い池ソフトの味も気になるから、季節のいいときを選んで訪れたいスポットだ。
(まいどなニュース特約・平藤 清刀)

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