地震発生時は「通電火災」に注意。電気の復旧時にも注意が必要。地震火災とその対策を考える

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規模の大きい地震では、同時に多くの場所で火災が発生する恐れがあります。大地震が発生した際に気をつけたい火災対策について考えてみましょう。
【写真】関東大震災の被害* * * * * * *関東大震災では火災による被害が大きかった地震発生時、さまざまな被害の中に火災があります。100年前の関東大震災では「火災旋風」も猛威を振るいました。火災旋風というのは火災により発生する竜巻のような渦のことで、周囲に火の粉を飛ばして延焼を拡大します。先日、ハワイのマウイ島で発生した山火事でも、火災旋風が発生して被害を拡大したのではないかと考えられています。

大規模地震発生時には、複数の場所で火災が同時に発生するおそれがあります。関東大震災では調理火を原因とする火災が多数発生しましたが、1995年の阪神・淡路大震災や2011年の東日本大震災で発生した火災では、停電から復旧して再通電した際に発生する「通電火災」が出火原因の多くを占めました。実際に、出火の原因が特定されている火災のうち、阪神・淡路大震災では6割が、東日本大震災の本震では過半数が通電火災だったという報告もあります。『9月1日は防災の日。東日本大震災でマンションが「大規模半壊」となるも、部屋の中は3日でもとに戻せた理由。ものを減らし、片づけることが家族の命を守る』はこちら電気の復旧時に要注意!通電火災は、主に「地震の揺れで転倒した暖房器具が可燃物に接触したまま、停電が復旧した場合」と「停電が復旧した際に、損傷した電化製品などに再通電し配線がショートした場合」に発生します。また、通電火災が発生した時にはすでに住人が避難所などに移動しており、出火の発見・消火が遅れて延焼につながってしまうことも多いようです。複数箇所で通電火災が発生すると、火災旋風などの大規模地震火災につながるおそれがあります。これらを防ぐためには、日頃から対策を講じておき、地震発生後にも出火を防ぐ対応を取ることが重要です。「巨大地震の備えに〈地震保険〉の内容を再確認! 多発する災害で、二重ローンの悲劇に泣かないために」はこちら通電火災を防ぐために(日頃からできること)・感震ブレーカーを設置する感震ブレーカーは、設定値以上の地震の揺れを感知すると、自動で電気を止める器具です。地震を感知してから電気を止めるまでに数分間の猶予を持たせるタイプや、工事不要なコンセントタイプなど、さまざまなタイプのものが販売されており、ご家庭の状況に合わせて選ぶことが可能です。・暖房機器の周囲を整頓する地震の揺れでストーブなどが転倒し、可燃物に接触して火災につながることがあります。日頃から暖房機器の周囲は整頓しておくようにしましょう。・家具の転倒防止対策をとる転倒防止対策をとっておくと、家具の転倒による怪我だけでなく、転倒により損傷した配線や電化製品からの出火も防ぐことができます。最も確実なのは、家具を壁にL型金具でネジ止めする方法です。ネジ止めが難しい場合はポール式器具(突っ張り棒)や粘着シートを使用しましょう。他にも、机や椅子に滑り止めを装着したり、キャスター付き家具をロックし、壁や床に着脱式ベルトなどでつないだりするのも有効な方法です。(地震発生直後に取るべき行動)・停電中は電化製品のスイッチを切り、電源プラグをコンセントから抜く・石油ストーブや石油ファンヒーターからの油漏れの有無を確認する・避難の際はブレーカーを落とす電気・ガスの復旧後にガス機器や電化製品、石油器具の使用を再開するときは、機器に破損がないこと、近くに燃えやすいものがないことを確認するようにしてください。再通電後は、しばらく電化製品に煙やにおいなどの異常がないか注意を払いましょう。『3.11の死者・行方不明者は大半が60歳以上。シニアの防災対策、備蓄で最も重要なのは「災害用トイレ」。避難のタイミング、持っていくべきものは?』はこちら
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地震発生時、さまざまな被害の中に火災があります。100年前の関東大震災では「火災旋風」も猛威を振るいました。火災旋風というのは火災により発生する竜巻のような渦のことで、周囲に火の粉を飛ばして延焼を拡大します。
先日、ハワイのマウイ島で発生した山火事でも、火災旋風が発生して被害を拡大したのではないかと考えられています。
大規模地震発生時には、複数の場所で火災が同時に発生するおそれがあります。
関東大震災では調理火を原因とする火災が多数発生しましたが、1995年の阪神・淡路大震災や2011年の東日本大震災で発生した火災では、停電から復旧して再通電した際に発生する「通電火災」が出火原因の多くを占めました。実際に、出火の原因が特定されている火災のうち、阪神・淡路大震災では6割が、東日本大震災の本震では過半数が通電火災だったという報告もあります。
『9月1日は防災の日。東日本大震災でマンションが「大規模半壊」となるも、部屋の中は3日でもとに戻せた理由。ものを減らし、片づけることが家族の命を守る』はこちら
通電火災は、主に「地震の揺れで転倒した暖房器具が可燃物に接触したまま、停電が復旧した場合」と「停電が復旧した際に、損傷した電化製品などに再通電し配線がショートした場合」に発生します。
また、通電火災が発生した時にはすでに住人が避難所などに移動しており、出火の発見・消火が遅れて延焼につながってしまうことも多いようです。
複数箇所で通電火災が発生すると、火災旋風などの大規模地震火災につながるおそれがあります。
これらを防ぐためには、日頃から対策を講じておき、地震発生後にも出火を防ぐ対応を取ることが重要です。
「巨大地震の備えに〈地震保険〉の内容を再確認! 多発する災害で、二重ローンの悲劇に泣かないために」はこちら
(日頃からできること)
・感震ブレーカーを設置する
感震ブレーカーは、設定値以上の地震の揺れを感知すると、自動で電気を止める器具です。地震を感知してから電気を止めるまでに数分間の猶予を持たせるタイプや、工事不要なコンセントタイプなど、さまざまなタイプのものが販売されており、ご家庭の状況に合わせて選ぶことが可能です。
・暖房機器の周囲を整頓する
地震の揺れでストーブなどが転倒し、可燃物に接触して火災につながることがあります。日頃から暖房機器の周囲は整頓しておくようにしましょう。
・家具の転倒防止対策をとる
転倒防止対策をとっておくと、家具の転倒による怪我だけでなく、転倒により損傷した配線や電化製品からの出火も防ぐことができます。
最も確実なのは、家具を壁にL型金具でネジ止めする方法です。ネジ止めが難しい場合はポール式器具(突っ張り棒)や粘着シートを使用しましょう。他にも、机や椅子に滑り止めを装着したり、キャスター付き家具をロックし、壁や床に着脱式ベルトなどでつないだりするのも有効な方法です。
(地震発生直後に取るべき行動)
・停電中は電化製品のスイッチを切り、電源プラグをコンセントから抜く
・石油ストーブや石油ファンヒーターからの油漏れの有無を確認する
・避難の際はブレーカーを落とす
電気・ガスの復旧後にガス機器や電化製品、石油器具の使用を再開するときは、機器に破損がないこと、近くに燃えやすいものがないことを確認するようにしてください。
再通電後は、しばらく電化製品に煙やにおいなどの異常がないか注意を払いましょう。
『3.11の死者・行方不明者は大半が60歳以上。シニアの防災対策、備蓄で最も重要なのは「災害用トイレ」。避難のタイミング、持っていくべきものは?』はこちら

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