「警察の補導は同窓会」みたいなもの…「トー横キッズ」が語った恐ろしすぎる「若者の歌舞伎町事情」

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新宿・歌舞伎町、トー横と呼ばれる若者たちが多く集う場所では、多くの問題が発生した。
そうした中で行政は、本格的に見回りを強化し、多くの未成年たちが補導され、広場には入れないようにされたものの、結局すぐ近くに場所を変えただけという結果になっている。
今年に入って歌舞伎町を取り巻く環境は大きく変わったが、今のトー横に集う人々は何を感じ、どう思っているのか。
トー横には多種多様な人物が存在し、キッズと呼ばれるような未成年もいれば、ダンボールを敷き、布団を持参して路上で寝ているようなホームレスもいる。
こうした無秩序な場所ではあるが、それぞれのトー横への思いは違ってくる。そこで、トー横で動画コンテンツを配信しているクリエイター、ゆきにゃん氏に今のトー横事情について話を聞いた。
「私もトー横キッズであることは自覚をしています。自分で言うとキモいので他の人に言ったりはしませんが。警察が来るようになってもあまり変わりません。インスタやTikTokを見て新しい子がここへ来るので、トー横キッズの入れ替わりは激しいです。2~3ヵ月サイクルで人が変わります」(ゆきにゃん氏)
自身もトー横キッズであることを自覚し、それでもトー横に通うゆきにゃん氏。彼女が言うには、トー横のサイクルはかなり速いという。取り締まりによって拘留されたとしても、10日から20日で留置所から出てくるため、行き場のない未成年たちは、ここへ来るしかない。
「環境は変わりましたが、やっていることは変わっていないと感じます。パパ活で一日十万円稼いだとか、未成年が援助交際しているだとかは今でも話を聞きます。大宮から来た子は小6でした。正直言って、警察は意味ないです」
パパ活や未成年の援助交際については、今も変わらずに行われているのがトー横の現状である。また小学生であっても、SNSで話題を聞いて、トー横へやってくる。特に若いのが、大宮から来る人たちだという。
他のトー横キッズに話を聞いてみると、概ね歌舞伎町の変化については変わらないといった意見が多い。
「警察はザコ」「面倒だし警察に関わりたくない」「メディアがトー横はやばいと煽っているだけ」といった激しい声もちらほらとある。
歌舞伎町で流行っているオーバードーズ。各種報道によって話題になっているが、彼らは報道された後も、オーバードーズを続けている。トー横界隈のインフルエンサーであるメロンにーと氏に話を聞いた。
「パキっている(オーバードーズのこと)人はそこら中にいる。それに薬を売っている人もいる。最近だと近所の薬局とかは、顔を見て売るかどうかを判断している。顔を見てダメと思った店はキッズ達には売ってくれない」(メロンにーと氏)
歌舞伎町でよくオーバードーズに使われる薬物は『パキシル』『サイレース』『メジコン』である。これらを鏡月(焼酎)で流し込んでフラフラとした感覚を楽しむのが流行りと聞く。
1シート500円程度で市販されている薬を、トー横キッズ達は1シート6000円で身内に売る。市販されている値段に比べてだいぶ高いが、それでも購入するトー横キッズは多い。売春やパパ活といった違法行為の他にもこうした問題がトー横には広がっている。
「実際に今のトー横は怖い人も多いです。暴走する人もいますから、自分や友人は守りたいと思っています。でも家庭環境が悪い人はここに来るしかない。私が言えることではないけど、この場所の友達は守りたいです」(メロンにーと氏)
メロンにーと氏の友人たちは何人も補導されている。補導されると警察署の一室に集められるらしく、彼女の友人たちは警察に補導されると「同窓会みたいだね」と笑っているのだそうだ。トー横キッズの間では、補導されたことはネタとして笑い話になる。
こうした行き場のない若者が集うトー横。行政が対策に乗り出しているが、根本的な問題を解決しない限り、パフォーマンスで終わってしまうだろう。
取材・文・PHOTO:白紙 緑

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