実は完全に寝てない?冬眠クマの驚きの生態“冬眠中も起きる”

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まもなく冬眠の時期を迎えるクマ。実は、冬眠といっても、ずっと寝ているというわけではないそうです。「だらだら寝ている」とでも言うのでしょうか。一見、寝ているように見えて、すぐに動き出すというケースもあって注意が必要です。【写真で見る】「完全な睡眠状態じゃない」ダラダラ寝するクマの様子■「ヒヤリとした」小学校にクマ出没撮影者「いやいやいやいや。やばいな」これは6日、北海道岩見沢市の住宅街で撮影された映像…奥の住宅の横に、なにやら動く物体が…クマです。このクマは、近くの小学校にも出没していました。

今もなお、雪の上にクマの足跡が残されています。岩見沢市立東小学校・村上咲枝 校長「ここにクマが出たということは、きのう本当にヒヤリとしたことでした」小学校では、パトロールを強化するなど、厳戒態勢がしかれていました。■冬眠中でも「物音で起きる」12月に入り、冬眠の時期を迎えているクマ。ただ、冬眠したからといって安心はできません。北海道大学大学院 獣医学研究院・下鶴倫人 准教授「冬眠中であっても、例えば外で物音がしたりすれば、(気づいて)起き上がって、すぐに動くようなことができる」これは、北秋田市の動物園で、クマが冬眠している様子を撮影した映像。まったく動きませんが、意識がないわけではありません。北海道大学大学院 獣医学研究院・下鶴倫人 准教授「完全に意識を失うことなく、人間でいうところのダラダラ寝ているという感覚」実際、冬眠の最中にも、寝床の藁を整えたり、噛んでいる様子がー一方、自然界のクマは、いつどのように冬眠するのでしょうか?■クマの「冬眠穴」を撮影長野県・軽井沢町でツキノワグマの保護管理に取り組むNPO法人ピッキオ。およそ20年にわたり冬眠調査を続け、100カ所以上の冬眠穴を調べてきました。地面にポッカリと空いた穴。これは、ツキノワグマの冬眠用の巣穴です。NPO法人ピッキオ クマ保護管理チーム・玉谷宏夫さん「(ツキノワグマは)自分で穴を掘って冬眠したのは見たことがない。(自然に)元々ある穴で寝る」例えば、これらは木の根元にある、冬眠用の巣穴です。一方、木そのものを巣にする場合も。木の幹に空いた穴。中を覗いてみると空洞があり、入ることができます。こうした冬眠穴で撮影された連続写真です。NPO法人ピッキオ クマ保護管理チーム・玉谷宏夫さん「冬の間に穴の外の落ち葉をかき込む」冬眠中ですが、穴から顔をのぞかせ、落ち葉を集めている様子が写っていました。■“驚き生態”冬眠中もクマ覚醒?私たちの想像とは異なる、クマの冬眠。その体の仕組みは驚くべきものでした。クマは、心拍数や呼吸数を下げることで、エネルギー消費を25%程度に抑え、冬眠状態に入ります。ただ、体温については、他の冬眠する動物とは異なると言います。北海道大学大学院 獣医学研究院・下鶴倫人 准教授「他の小型の冬眠動物は、体温が外気温近くまで低下するのが一般的。クマの場合は体温が下がっても、32~33℃までしか低下しない」そのため、完全な睡眠状態ではなく、突然、起きだして動くこともあるというのです。北海道大学大学院 獣医学研究院・下鶴倫人 准教授「冬眠期間中でも雪山に入る場合は、クマへ警戒を続ける必要がある」さらに、近年、注意しなければいけないのは、アーバンベアの冬眠についてです。■空き家の下で…アーバンベアは要注意こちらは、アメリカで撮影されたクマの映像です。地面の藁をかき集め、おしりから入っていく先は、建物の床下です。実はこのクマ、空き家の下を、冬眠用の穴にしているのです。さらに、別の場所でも…床下をのぞくと、クマがいます。撮影した人によると、アメリカのいくつかの地域では、こうした空き家などの床下を、冬眠用の巣穴にするクマが多くいるそうです。これはアメリカの映像ですが、日本でも注意が必要だと言います。北海道大学大学院 獣医学研究院・下鶴倫人 准教授「最近では、人を極端に避ける行動を示さないようなクマもいるので、居住地からちょっと入った山の中で冬眠していることも十分に考えられる」
まもなく冬眠の時期を迎えるクマ。実は、冬眠といっても、ずっと寝ているというわけではないそうです。「だらだら寝ている」とでも言うのでしょうか。一見、寝ているように見えて、すぐに動き出すというケースもあって注意が必要です。
■「ヒヤリとした」小学校にクマ出没撮影者「いやいやいやいや。やばいな」これは6日、北海道岩見沢市の住宅街で撮影された映像…奥の住宅の横に、なにやら動く物体が…クマです。このクマは、近くの小学校にも出没していました。

今もなお、雪の上にクマの足跡が残されています。岩見沢市立東小学校・村上咲枝 校長「ここにクマが出たということは、きのう本当にヒヤリとしたことでした」小学校では、パトロールを強化するなど、厳戒態勢がしかれていました。■冬眠中でも「物音で起きる」12月に入り、冬眠の時期を迎えているクマ。ただ、冬眠したからといって安心はできません。北海道大学大学院 獣医学研究院・下鶴倫人 准教授「冬眠中であっても、例えば外で物音がしたりすれば、(気づいて)起き上がって、すぐに動くようなことができる」これは、北秋田市の動物園で、クマが冬眠している様子を撮影した映像。まったく動きませんが、意識がないわけではありません。北海道大学大学院 獣医学研究院・下鶴倫人 准教授「完全に意識を失うことなく、人間でいうところのダラダラ寝ているという感覚」実際、冬眠の最中にも、寝床の藁を整えたり、噛んでいる様子がー一方、自然界のクマは、いつどのように冬眠するのでしょうか?■クマの「冬眠穴」を撮影長野県・軽井沢町でツキノワグマの保護管理に取り組むNPO法人ピッキオ。およそ20年にわたり冬眠調査を続け、100カ所以上の冬眠穴を調べてきました。地面にポッカリと空いた穴。これは、ツキノワグマの冬眠用の巣穴です。NPO法人ピッキオ クマ保護管理チーム・玉谷宏夫さん「(ツキノワグマは)自分で穴を掘って冬眠したのは見たことがない。(自然に)元々ある穴で寝る」例えば、これらは木の根元にある、冬眠用の巣穴です。一方、木そのものを巣にする場合も。木の幹に空いた穴。中を覗いてみると空洞があり、入ることができます。こうした冬眠穴で撮影された連続写真です。NPO法人ピッキオ クマ保護管理チーム・玉谷宏夫さん「冬の間に穴の外の落ち葉をかき込む」冬眠中ですが、穴から顔をのぞかせ、落ち葉を集めている様子が写っていました。■“驚き生態”冬眠中もクマ覚醒?私たちの想像とは異なる、クマの冬眠。その体の仕組みは驚くべきものでした。クマは、心拍数や呼吸数を下げることで、エネルギー消費を25%程度に抑え、冬眠状態に入ります。ただ、体温については、他の冬眠する動物とは異なると言います。北海道大学大学院 獣医学研究院・下鶴倫人 准教授「他の小型の冬眠動物は、体温が外気温近くまで低下するのが一般的。クマの場合は体温が下がっても、32~33℃までしか低下しない」そのため、完全な睡眠状態ではなく、突然、起きだして動くこともあるというのです。北海道大学大学院 獣医学研究院・下鶴倫人 准教授「冬眠期間中でも雪山に入る場合は、クマへ警戒を続ける必要がある」さらに、近年、注意しなければいけないのは、アーバンベアの冬眠についてです。■空き家の下で…アーバンベアは要注意こちらは、アメリカで撮影されたクマの映像です。地面の藁をかき集め、おしりから入っていく先は、建物の床下です。実はこのクマ、空き家の下を、冬眠用の穴にしているのです。さらに、別の場所でも…床下をのぞくと、クマがいます。撮影した人によると、アメリカのいくつかの地域では、こうした空き家などの床下を、冬眠用の巣穴にするクマが多くいるそうです。これはアメリカの映像ですが、日本でも注意が必要だと言います。北海道大学大学院 獣医学研究院・下鶴倫人 准教授「最近では、人を極端に避ける行動を示さないようなクマもいるので、居住地からちょっと入った山の中で冬眠していることも十分に考えられる」
これは6日、北海道岩見沢市の住宅街で撮影された映像…
奥の住宅の横に、なにやら動く物体が…クマです。このクマは、近くの小学校にも出没していました。
小学校では、パトロールを強化するなど、厳戒態勢がしかれていました。
12月に入り、冬眠の時期を迎えているクマ。ただ、冬眠したからといって安心はできません。
これは、北秋田市の動物園で、クマが冬眠している様子を撮影した映像。
まったく動きませんが、意識がないわけではありません。
実際、冬眠の最中にも、寝床の藁を整えたり、噛んでいる様子がー
一方、自然界のクマは、いつどのように冬眠するのでしょうか?
長野県・軽井沢町でツキノワグマの保護管理に取り組むNPO法人ピッキオ。
およそ20年にわたり冬眠調査を続け、100カ所以上の冬眠穴を調べてきました。
地面にポッカリと空いた穴。これは、ツキノワグマの冬眠用の巣穴です。
例えば、これらは木の根元にある、冬眠用の巣穴です。
一方、木そのものを巣にする場合も。木の幹に空いた穴。中を覗いてみると空洞があり、入ることができます。
こうした冬眠穴で撮影された連続写真です。
冬眠中ですが、穴から顔をのぞかせ、落ち葉を集めている様子が写っていました。
私たちの想像とは異なる、クマの冬眠。その体の仕組みは驚くべきものでした。
クマは、心拍数や呼吸数を下げることで、エネルギー消費を25%程度に抑え、冬眠状態に入ります。ただ、体温については、他の冬眠する動物とは異なると言います。
そのため、完全な睡眠状態ではなく、突然、起きだして動くこともあるというのです。
さらに、近年、注意しなければいけないのは、アーバンベアの冬眠についてです。
こちらは、アメリカで撮影されたクマの映像です。
地面の藁をかき集め、おしりから入っていく先は、建物の床下です。実はこのクマ、空き家の下を、冬眠用の穴にしているのです。
さらに、別の場所でも…床下をのぞくと、クマがいます。
撮影した人によると、アメリカのいくつかの地域では、こうした空き家などの床下を、冬眠用の巣穴にするクマが多くいるそうです。
これはアメリカの映像ですが、日本でも注意が必要だと言います。

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