埼玉立てこもり事件で保育園も深夜まで待機…保育士明かすそれでも泣き出す園児が出なかったワケ

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10月31日、埼玉・蕨市の郵便局で拳銃をもって立てこもっていた鈴木常雄容疑者(86)が人質強要処罰法違反の疑いで緊急逮捕された。鈴木容疑者は、午後2時ごろに郵便局に侵入し午後10時20分に警察官が突入するまで、8時間ほど建物内に立てこもった。
郵便局周辺には小中学校や幼稚園・保育園などが数多く存在している。時事通信によると、事件によって、戸田市内の小中学校の計18校が校舎内に一時待機、蕨市も集団下校などの対応を取ったという。
近隣の保育園の一部には、待機命令が出て帰宅ができなかったところもあったようだ。影響を受けた現場近くの保育園に勤める保育士に、当時の状況を聞いた。
園に待機命令が出たのは、立てこもり発生から30分ほど経った午後2時30分ごろ。待機の命令が解除され、帰宅できるようになったのは午後11時30分ごろで、園児全員が帰宅できたのは11月1日午前0時ごろだったという。
ーーいつもとは違う状況に、戸惑う園児はいませんでしたか。
「子供たちはイベントと同じような感じで、安心して過ごしてました」
待機命令が出た午後2時ごろは、ちょうどお昼寝の時間だったという。園児には外の状況は一切知らせず、園内にあるホールに全員を集合させ待機していたそう。
待機中は、保育士たちが機転を効かせ、午前中に行ったハロウィンパーティーの続きをしたり、英語の先生と歌を歌ったりして楽しみながら待っていたようだ。
ーー保育士の方たちが、とっさの緊急時でも冷静に対応できたのはなぜでしょうか。
「常にそういった非常事態に備えて避難訓練をしているので、それ通りに行動したまでです。お巡りさんたちが周りにいてくださるから、心強く安心して過ごせました」
普段から訓練をしているおかげか、園児も“ごっこ遊び”の延長だと理解したよう。泣き出したり、不安がる園児はいなかったそうだ。
ーー迎えにきたときの保護者の様子について教えてください。
「園内のスナップ写真ですとか、園内の様子なども随時、保護者が見られるようになっているから、保護者の方も安心して待つことができたようです」
迎えに来た保護者からは「(遅くまで)申し訳ない」と先生たちへのねぎらいの言葉もあったという。先生たちが帰宅できたのは、1日午前0時30分から1時すぎごろで、電車で通勤している先生から優先的に帰ったそうだ。
最後に、「いろいろな事件がないようにね、これからも避難訓練などで備えていきたいと思います」と語ってくれた。

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