インバウンド活況の京都で…「安くても客が来ない」中小ホテルの嘆き

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インバウンド復活で賑わいが戻る日本有数の観光都市、京都。市内の主要ホテル(109施設)の稼働率(8月)は、前年同月比19.4ポイント増の69.3%と回復傾向にある(京都市観光協会データ月報から)。コロナ前(19年同月)の83.1%に劣るものの、これから迎える紅葉シーズンでさらなる稼働率の戻りが予想される。
地方スーパーの相次ぐ倒産で「買い物難民」急増…食品アクセス問題は社会的な課題に さらに、8月のADR(平均客室単価)は1万6303円と、9カ月連続で19年同月の水準を上回っている。ホテルの活況を牽引するのは、円安や航空便数増を背景に増加する訪日客だが、京都市内のホテルは明と暗に分かれているという。

京都のあるホテルチェーン関係者はこう話す。「訪日客の消費単価が上がっているように、アマン、ザ・リッツ・カールトンなどの外資系ホテルや高級旅館の2ケタ万円台の客室が上質を求める外国人の引き合いがある一方、コロナ前から増えている中小規模の宿泊特化型ホテルは桜や紅葉の季節でも空きが目立ち、1泊1万円以下のところも少なくありません。どこもキレイで快適なんですが……」 ビジネスホテルなど宿泊特化型は客室が狭くシングル、セミダブルが多い上、食事は朝食のみでフルサービスでないのも、訪日外国人の敬遠要因に。団体の場合、大型バスが横づけできないとそもそも選択肢に入らない。 京都のオーバーツーリズム(過剰観光)がメディアで報じられているが、インバウンド復活とはいえ、ハイシーズンを除けば芋洗い状態というわけではないとのこと。「さらに問題なのが、清掃やフロント業務の人手不足。人件費やエネルギー費の高騰で、中小のホテルではあえて稼働制限したり、休館を余儀なくされているところも少なくありません」(前出のホテルチェーン関係者) インバウンドの恩恵が受けられていない一部ホテルでは、週や月単位で宿泊できる長期滞在プランの提供を始めているところが増えている。この場合、1日当たりのADRは通常の宿泊より下がるものの、1回2000~3000円のコストがかかる清掃の頻度が減ることから、収益への貢献度は意外と小さくない。 京都から足が遠のいていた国内の個人旅行客や、リモートワークで長期滞在できる人にとっては狙い目だが、中小ホテルは苦しい状況に置かれている。
さらに、8月のADR(平均客室単価)は1万6303円と、9カ月連続で19年同月の水準を上回っている。ホテルの活況を牽引するのは、円安や航空便数増を背景に増加する訪日客だが、京都市内のホテルは明と暗に分かれているという。
京都のあるホテルチェーン関係者はこう話す。
「訪日客の消費単価が上がっているように、アマン、ザ・リッツ・カールトンなどの外資系ホテルや高級旅館の2ケタ万円台の客室が上質を求める外国人の引き合いがある一方、コロナ前から増えている中小規模の宿泊特化型ホテルは桜や紅葉の季節でも空きが目立ち、1泊1万円以下のところも少なくありません。どこもキレイで快適なんですが……」
ビジネスホテルなど宿泊特化型は客室が狭くシングル、セミダブルが多い上、食事は朝食のみでフルサービスでないのも、訪日外国人の敬遠要因に。団体の場合、大型バスが横づけできないとそもそも選択肢に入らない。
京都のオーバーツーリズム(過剰観光)がメディアで報じられているが、インバウンド復活とはいえ、ハイシーズンを除けば芋洗い状態というわけではないとのこと。
「さらに問題なのが、清掃やフロント業務の人手不足。人件費やエネルギー費の高騰で、中小のホテルではあえて稼働制限したり、休館を余儀なくされているところも少なくありません」(前出のホテルチェーン関係者)
インバウンドの恩恵が受けられていない一部ホテルでは、週や月単位で宿泊できる長期滞在プランの提供を始めているところが増えている。この場合、1日当たりのADRは通常の宿泊より下がるものの、1回2000~3000円のコストがかかる清掃の頻度が減ることから、収益への貢献度は意外と小さくない。
京都から足が遠のいていた国内の個人旅行客や、リモートワークで長期滞在できる人にとっては狙い目だが、中小ホテルは苦しい状況に置かれている。

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