【独自】松井の母校・星稜高校野球部監督が「試験問題をLINEで漏えい」で出勤停止180日

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石川県の名門・星稜高校といえば、ヤンキース・松井秀喜が高校時代に5打席連続敬遠、箕島高校との延長18回の歴史的大熱戦を繰り広げたことで知られる。春夏通算で36回もの甲子園出場を果たしている同高校野球部は、北陸を代表する強豪校で、今年の夏も甲子園に3年ぶりの出場を果たした。
ところが、この星稜高校野球部では、今年に入ってから1年に3人も監督が交代する不可解な「事件」が起きている。
今年春のセンバツでベスト8に進出したときの監督は林和成氏だった。その後、今年の夏に向けて田中辰治氏が就任したものの、わずか2ヵ月で「体調不良」を理由に離脱。代理監督として、部長の山下智将氏が急遽夏の甲子園の指揮をとった。山下氏は、星稜高校野球部の礎を築いた山下智茂名誉監督の長男だ。
「石川県では屈指の名門で、今年も春夏連続出場した星稜で、1年で3人もの監督が変わるなんてありえません。実はその原因は、田中辰治監督の不祥事でした」
田中辰治前監督(馳浩氏Facebookより)
こう声を潜めて語るのは星稜高校の関係者だ。現代ビジネスが入手した内部資料よると、田中氏は今年7月28日付で、出勤停止180日の懲戒処分を受けていたことがわかった。
驚くのはその理由である。田中氏は、星稜高校と星稜中学校で現代社会と政治経済を担当する教員でもあるが、実はこの田中氏、校内の試験問題を「漏えい」したことがバレてしまったというのだ。
「田中氏の親族が星稜で学んでいるのですが、田中先生がLINEを使い、校内の試験問題の内容をこの親族に事前に教えたのです。それが生徒の間で噂になり、保護者まで知るところとなった。そこで学校側が、やむなく弁護士らの第三者委員会を設置して調査したところ、試験問題の外部流出が認められ、重い処分になったのです」(前出・関係者)
いかなる「漏えい」だったのか。田中監督が試験問題を流出させた「証拠」と見られているLINEのスクリーンショットを、現代ビジネスは入手した。生徒らの間で出回っているものだ。これによれば、【監督】という名前の人物が、今年5月10日12時10分に以下のLINEを送っている。
《内緒やぞ 〇〇(注・親族の名前)に伝えて》
ここには政治経済の試験問題と配点入りの模範解答が添付されている。問題には図版に修正液がついていることから、作成したばかりの問題だと思われる。【監督】のアイコンにあるのは、薄いイエローのユニフォームと青の野球帽の顔写真。田中監督の著書『人間性も野球も“日本一”』の表紙写真にそっくりのものだ。
「監督」が送ったLINE画像
同じ日の18時27分にはご丁寧に解答用紙まで添付したうえ、《〇〇のテストこちらでお願いします》というLINEが送られている。
「監督」が送ったLINE画像
このLINEの受信者は不明だが、「既読」がつき、受信者は《お小遣いありがとう》と返信している。星稜高校ではちょうどこの時期に中間試験が予定されており、その問題だったと思われる。中間試験とはいえ、現役教員の「流出」劇を克明に記したLINEが出回れば、生徒が騒然となったことは想像に難くない。「サインも出せない監督」の評判だが、この事実は外部に明かされることはなかった。地元の北國新聞では7月26日、星稜高校が甲子園出場を決めた記事でこう触れている。《就任したばかりの田中辰治(たつはる)監督(45)が5月に体調不良でまさかの離脱》体調不良を起こしたために、監督を辞任していたというのだ。しかしこの時点で、実は星稜は田中氏の試験問題漏えいで第三者委員会が設置し、処分を下そうとしていた。LINEでは試験問題の模範解答も送られていた確かに田中氏の体調不良は事実だったようだ。別の星稜高校野球部の関係者が語る。「田中先生が監督になったばかりの5月、練習中のことでした。ノックをしていた田中先生が突然倒れたそうです。救急車が出動するほどの騒ぎになったようですが、学校から先生の病名について正式な連絡はなく、突然、校長先生が『山下先生が代理監督に就任する』と発表したのです」実はこの田中氏は、4月に監督に就任してから、複数のトラブルを抱え、野球部員やその保護者、野球部OBからも不満の声があがっていた。「練習試合の後、負けた部員を前に『今日は許さない』と選手を罵倒したことがありましたし、普段の練習でも『このアホが』『バカか』とメガホン片手で口汚く罵る姿は、これが名門・星稜の監督か? と情けなかった」こう語るのは、別の野球部関係者だ。「ヤクルトにドラフト1位で入団した奥川投手も育てた先代の林監督時代とはうって変わって、田中氏には監督しての力量がなかった。サインも出せないため、すぐ敵に見破られる始末でした。体系的な指導メソッドを持っておらず、『こういう練習をさせてほしい』『練習を工夫しないとバッティングがよくならない』など、選手が田中氏に直訴することさえあったのです」(同)また、田中氏は監督就任後、野球部員の体力データ測定や分析を専門家に依頼するとの名目で、突然保護者会に年間約130万円の費用負担を求めてきたことも、保護者や関係者の不信を招いたという。「分析」の内容も乏しく、監督という優越的地位の利用だと反発されたからだ。 「選手の体力をデータ化して、それをもとに専門家にアドバイスを求めるという趣旨でしたが、具体的に専門家は誰か、どんなデータが何の役立つのか、明確な説明はありませんでした。しかし、監督の言うことなので、130万円を部員で頭割りにして徴収しましたが、東京在住の専門家が、月に1度星稜に来るだけだという。なぜそんなことにカネを出さないといけないのかと思いました」(同)結局、田中氏の退任後に2ヵ月分を引いてその大半が保護者に返金されたというが、田中氏の独善的運営はこれにとどまらなかったという。「田中氏が心酔している自己啓発の雑誌を、選手に読ませるといって購読料金を保護者が支払わされた。その講演会に部員を集めて聞かせていたこともありますが、田中氏の自己満足としか思えませんでした」(同)体力データも自己啓発の雑誌も、野球と直接関係がないのに余計な金銭がかかる以上、保護者には評判が悪かったようだ。星稜高校は取材にどう答えた?ところで星稜高校は、野球部だけでなくサッカー部も有名だ。サッカー元日本代表の本田圭佑氏を輩出し、全国選手権でも優勝経験がある。このサッカー部監督だった河崎護氏も2020年1月に暴言などで懲戒処分60日の出勤停止を受け、解任されている。 星稜高校の現役教員はこう証言する。「田中先生の停職180日の懲戒処分は本当ですよ。そう、試験問題の漏えいが原因です。普通、先生が試験問題を事前に漏らせば、クビでしょう。サッカー部の河崎先生のときも、副校長という立場だったのに、一時的な職務停止として処分せず、マスコミに書かれるまで公表しなかった。河崎氏も田中氏も、学校経営へのダメージとイメージダウンを恐れて隠ぺいしていると感じますね」星稜高校野球部ウェブサイトより野球部の現役部員の証言も得ることができた。「田中先生が試験問題をLINEでバラしてそれが拡散され、懲戒処分されたというのは、野球部員なら誰もが知っています。LINEのスクショも出回っているのも本当です。なぜ田中先生がクビじゃないのか、不思議だと部員は言っています。田中先生は野球のレベルも低いし、全国からハイレベルの部員が集まった星稜高校の野球部監督は無理でした。実際、田中先生が監督になって練習試合は負け続けでした。しかし山下先生に交代してからは、3年前の夏の甲子園で優勝した履正社や、今年夏ベスト8でイチローの母校でもある愛工大名電にも練習試合で勝っており、変化は明確です。田中先生は、監督に就任してすぐに、自分が気に入らないという理由だけでキャプテンを交代させました。春にベスト8まで残ったチームなのにもかかわらず、です。今、部員が怖がっているのは、田中先生が出勤停止後の来年1月に学校に戻ってくることです。試験問題を漏らすような先生の授業は受けたくないし、野球部の監督に復帰などありえません」評判の芳しくない田中氏だが、星稜高校監督の前には、星稜中学校の野球部監督を務め、そのときは全国大会で7回優勝という実績を残している。実力はあったのではないか?とこの部員に問うと、こう答えた。 「中学校の試合はコーチがベンチ入りできるんですよ。コーチが上手で、うまくサインを出して選手を動かしているからで、田中先生の手腕ではないと思う」一連の疑惑を、8項目の詳細な質問状にまとめて星稜高校に取材を申し込んだところ、出勤停止180日の処分については《特定の教員に関するご質問については、個人情報保護等の観点からその事実の有無を含めて回答は差し控えさせて頂きます》と回答し、それ以外の疑惑についても同様に《回答を差し控える》と繰り返すばかりだった。田中氏は、自身の星稜中学校時代の実績を『人間性も野球も“日本一”』(ベースボール・マガジン社)という著書にまとめている。《人間教育なくして、日本一はない。私はそう信じている》と記した田中氏は、《人間形成の野球道》を強調している。星稜高校のOBの一人はこう嘆息する。「サッカー部の監督の事件からわずか2年で、またしても野球部で不祥事とは、名門の名前がすたります。田中氏の処分は当然のことですが、校長以下の管理職にも大きな責任がある。情報公開は不十分で、説明責任を果たしているとは思えません」星稜高等学校は今年で創立60周年を迎え、10月の記念同窓会では伝説のOB・松井秀喜氏が講演を開く予定だという。そんな中、監督が試験問題漏えいをするという教員にとってあるまじき行為が発覚した。星稜高校は、名門校として、疑惑に誠実に向き合うべきではないか。
このLINEの受信者は不明だが、「既読」がつき、受信者は《お小遣いありがとう》と返信している。星稜高校ではちょうどこの時期に中間試験が予定されており、その問題だったと思われる。
中間試験とはいえ、現役教員の「流出」劇を克明に記したLINEが出回れば、生徒が騒然となったことは想像に難くない。
だが、この事実は外部に明かされることはなかった。
地元の北國新聞では7月26日、星稜高校が甲子園出場を決めた記事でこう触れている。
《就任したばかりの田中辰治(たつはる)監督(45)が5月に体調不良でまさかの離脱》
体調不良を起こしたために、監督を辞任していたというのだ。しかしこの時点で、実は星稜は田中氏の試験問題漏えいで第三者委員会が設置し、処分を下そうとしていた。
LINEでは試験問題の模範解答も送られていた
確かに田中氏の体調不良は事実だったようだ。別の星稜高校野球部の関係者が語る。
「田中先生が監督になったばかりの5月、練習中のことでした。ノックをしていた田中先生が突然倒れたそうです。救急車が出動するほどの騒ぎになったようですが、学校から先生の病名について正式な連絡はなく、突然、校長先生が『山下先生が代理監督に就任する』と発表したのです」
実はこの田中氏は、4月に監督に就任してから、複数のトラブルを抱え、野球部員やその保護者、野球部OBからも不満の声があがっていた。
「練習試合の後、負けた部員を前に『今日は許さない』と選手を罵倒したことがありましたし、普段の練習でも『このアホが』『バカか』とメガホン片手で口汚く罵る姿は、これが名門・星稜の監督か? と情けなかった」
こう語るのは、別の野球部関係者だ。
「ヤクルトにドラフト1位で入団した奥川投手も育てた先代の林監督時代とはうって変わって、田中氏には監督しての力量がなかった。サインも出せないため、すぐ敵に見破られる始末でした。体系的な指導メソッドを持っておらず、『こういう練習をさせてほしい』『練習を工夫しないとバッティングがよくならない』など、選手が田中氏に直訴することさえあったのです」(同)
また、田中氏は監督就任後、野球部員の体力データ測定や分析を専門家に依頼するとの名目で、突然保護者会に年間約130万円の費用負担を求めてきたことも、保護者や関係者の不信を招いたという。「分析」の内容も乏しく、監督という優越的地位の利用だと反発されたからだ。
「選手の体力をデータ化して、それをもとに専門家にアドバイスを求めるという趣旨でしたが、具体的に専門家は誰か、どんなデータが何の役立つのか、明確な説明はありませんでした。しかし、監督の言うことなので、130万円を部員で頭割りにして徴収しましたが、東京在住の専門家が、月に1度星稜に来るだけだという。なぜそんなことにカネを出さないといけないのかと思いました」(同)結局、田中氏の退任後に2ヵ月分を引いてその大半が保護者に返金されたというが、田中氏の独善的運営はこれにとどまらなかったという。「田中氏が心酔している自己啓発の雑誌を、選手に読ませるといって購読料金を保護者が支払わされた。その講演会に部員を集めて聞かせていたこともありますが、田中氏の自己満足としか思えませんでした」(同)体力データも自己啓発の雑誌も、野球と直接関係がないのに余計な金銭がかかる以上、保護者には評判が悪かったようだ。星稜高校は取材にどう答えた?ところで星稜高校は、野球部だけでなくサッカー部も有名だ。サッカー元日本代表の本田圭佑氏を輩出し、全国選手権でも優勝経験がある。このサッカー部監督だった河崎護氏も2020年1月に暴言などで懲戒処分60日の出勤停止を受け、解任されている。 星稜高校の現役教員はこう証言する。「田中先生の停職180日の懲戒処分は本当ですよ。そう、試験問題の漏えいが原因です。普通、先生が試験問題を事前に漏らせば、クビでしょう。サッカー部の河崎先生のときも、副校長という立場だったのに、一時的な職務停止として処分せず、マスコミに書かれるまで公表しなかった。河崎氏も田中氏も、学校経営へのダメージとイメージダウンを恐れて隠ぺいしていると感じますね」星稜高校野球部ウェブサイトより野球部の現役部員の証言も得ることができた。「田中先生が試験問題をLINEでバラしてそれが拡散され、懲戒処分されたというのは、野球部員なら誰もが知っています。LINEのスクショも出回っているのも本当です。なぜ田中先生がクビじゃないのか、不思議だと部員は言っています。田中先生は野球のレベルも低いし、全国からハイレベルの部員が集まった星稜高校の野球部監督は無理でした。実際、田中先生が監督になって練習試合は負け続けでした。しかし山下先生に交代してからは、3年前の夏の甲子園で優勝した履正社や、今年夏ベスト8でイチローの母校でもある愛工大名電にも練習試合で勝っており、変化は明確です。田中先生は、監督に就任してすぐに、自分が気に入らないという理由だけでキャプテンを交代させました。春にベスト8まで残ったチームなのにもかかわらず、です。今、部員が怖がっているのは、田中先生が出勤停止後の来年1月に学校に戻ってくることです。試験問題を漏らすような先生の授業は受けたくないし、野球部の監督に復帰などありえません」評判の芳しくない田中氏だが、星稜高校監督の前には、星稜中学校の野球部監督を務め、そのときは全国大会で7回優勝という実績を残している。実力はあったのではないか?とこの部員に問うと、こう答えた。 「中学校の試合はコーチがベンチ入りできるんですよ。コーチが上手で、うまくサインを出して選手を動かしているからで、田中先生の手腕ではないと思う」一連の疑惑を、8項目の詳細な質問状にまとめて星稜高校に取材を申し込んだところ、出勤停止180日の処分については《特定の教員に関するご質問については、個人情報保護等の観点からその事実の有無を含めて回答は差し控えさせて頂きます》と回答し、それ以外の疑惑についても同様に《回答を差し控える》と繰り返すばかりだった。田中氏は、自身の星稜中学校時代の実績を『人間性も野球も“日本一”』(ベースボール・マガジン社)という著書にまとめている。《人間教育なくして、日本一はない。私はそう信じている》と記した田中氏は、《人間形成の野球道》を強調している。星稜高校のOBの一人はこう嘆息する。「サッカー部の監督の事件からわずか2年で、またしても野球部で不祥事とは、名門の名前がすたります。田中氏の処分は当然のことですが、校長以下の管理職にも大きな責任がある。情報公開は不十分で、説明責任を果たしているとは思えません」星稜高等学校は今年で創立60周年を迎え、10月の記念同窓会では伝説のOB・松井秀喜氏が講演を開く予定だという。そんな中、監督が試験問題漏えいをするという教員にとってあるまじき行為が発覚した。星稜高校は、名門校として、疑惑に誠実に向き合うべきではないか。
「選手の体力をデータ化して、それをもとに専門家にアドバイスを求めるという趣旨でしたが、具体的に専門家は誰か、どんなデータが何の役立つのか、明確な説明はありませんでした。
しかし、監督の言うことなので、130万円を部員で頭割りにして徴収しましたが、東京在住の専門家が、月に1度星稜に来るだけだという。なぜそんなことにカネを出さないといけないのかと思いました」(同)
結局、田中氏の退任後に2ヵ月分を引いてその大半が保護者に返金されたというが、田中氏の独善的運営はこれにとどまらなかったという。
「田中氏が心酔している自己啓発の雑誌を、選手に読ませるといって購読料金を保護者が支払わされた。その講演会に部員を集めて聞かせていたこともありますが、田中氏の自己満足としか思えませんでした」(同)
体力データも自己啓発の雑誌も、野球と直接関係がないのに余計な金銭がかかる以上、保護者には評判が悪かったようだ。
ところで星稜高校は、野球部だけでなくサッカー部も有名だ。サッカー元日本代表の本田圭佑氏を輩出し、全国選手権でも優勝経験がある。このサッカー部監督だった河崎護氏も2020年1月に暴言などで懲戒処分60日の出勤停止を受け、解任されている。 星稜高校の現役教員はこう証言する。
「田中先生の停職180日の懲戒処分は本当ですよ。そう、試験問題の漏えいが原因です。普通、先生が試験問題を事前に漏らせば、クビでしょう。サッカー部の河崎先生のときも、副校長という立場だったのに、一時的な職務停止として処分せず、マスコミに書かれるまで公表しなかった。河崎氏も田中氏も、学校経営へのダメージとイメージダウンを恐れて隠ぺいしていると感じますね」
星稜高校野球部ウェブサイトより
野球部の現役部員の証言も得ることができた。
「田中先生が試験問題をLINEでバラしてそれが拡散され、懲戒処分されたというのは、野球部員なら誰もが知っています。LINEのスクショも出回っているのも本当です。なぜ田中先生がクビじゃないのか、不思議だと部員は言っています。
田中先生は野球のレベルも低いし、全国からハイレベルの部員が集まった星稜高校の野球部監督は無理でした。実際、田中先生が監督になって練習試合は負け続けでした。しかし山下先生に交代してからは、3年前の夏の甲子園で優勝した履正社や、今年夏ベスト8でイチローの母校でもある愛工大名電にも練習試合で勝っており、変化は明確です。
田中先生は、監督に就任してすぐに、自分が気に入らないという理由だけでキャプテンを交代させました。春にベスト8まで残ったチームなのにもかかわらず、です。
今、部員が怖がっているのは、田中先生が出勤停止後の来年1月に学校に戻ってくることです。試験問題を漏らすような先生の授業は受けたくないし、野球部の監督に復帰などありえません」
評判の芳しくない田中氏だが、星稜高校監督の前には、星稜中学校の野球部監督を務め、そのときは全国大会で7回優勝という実績を残している。実力はあったのではないか?とこの部員に問うと、こう答えた。
「中学校の試合はコーチがベンチ入りできるんですよ。コーチが上手で、うまくサインを出して選手を動かしているからで、田中先生の手腕ではないと思う」一連の疑惑を、8項目の詳細な質問状にまとめて星稜高校に取材を申し込んだところ、出勤停止180日の処分については《特定の教員に関するご質問については、個人情報保護等の観点からその事実の有無を含めて回答は差し控えさせて頂きます》と回答し、それ以外の疑惑についても同様に《回答を差し控える》と繰り返すばかりだった。田中氏は、自身の星稜中学校時代の実績を『人間性も野球も“日本一”』(ベースボール・マガジン社)という著書にまとめている。《人間教育なくして、日本一はない。私はそう信じている》と記した田中氏は、《人間形成の野球道》を強調している。星稜高校のOBの一人はこう嘆息する。「サッカー部の監督の事件からわずか2年で、またしても野球部で不祥事とは、名門の名前がすたります。田中氏の処分は当然のことですが、校長以下の管理職にも大きな責任がある。情報公開は不十分で、説明責任を果たしているとは思えません」星稜高等学校は今年で創立60周年を迎え、10月の記念同窓会では伝説のOB・松井秀喜氏が講演を開く予定だという。そんな中、監督が試験問題漏えいをするという教員にとってあるまじき行為が発覚した。星稜高校は、名門校として、疑惑に誠実に向き合うべきではないか。
「中学校の試合はコーチがベンチ入りできるんですよ。コーチが上手で、うまくサインを出して選手を動かしているからで、田中先生の手腕ではないと思う」
一連の疑惑を、8項目の詳細な質問状にまとめて星稜高校に取材を申し込んだところ、出勤停止180日の処分については《特定の教員に関するご質問については、個人情報保護等の観点からその事実の有無を含めて回答は差し控えさせて頂きます》と回答し、それ以外の疑惑についても同様に《回答を差し控える》と繰り返すばかりだった。
田中氏は、自身の星稜中学校時代の実績を『人間性も野球も“日本一”』(ベースボール・マガジン社)という著書にまとめている。《人間教育なくして、日本一はない。私はそう信じている》と記した田中氏は、《人間形成の野球道》を強調している。
星稜高校のOBの一人はこう嘆息する。
「サッカー部の監督の事件からわずか2年で、またしても野球部で不祥事とは、名門の名前がすたります。田中氏の処分は当然のことですが、校長以下の管理職にも大きな責任がある。情報公開は不十分で、説明責任を果たしているとは思えません」
星稜高等学校は今年で創立60周年を迎え、10月の記念同窓会では伝説のOB・松井秀喜氏が講演を開く予定だという。そんな中、監督が試験問題漏えいをするという教員にとってあるまじき行為が発覚した。星稜高校は、名門校として、疑惑に誠実に向き合うべきではないか。

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