「さまざまな偶然が、彼を怪物にした」大川隆法の長男(34)が語る「『幸福の科学』誕生のきっかけを作った【2人の女性】の正体」

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

〈「非モテで、根暗な田舎者」長男(34)が明かした「幸福の科学・大川隆法の“学生時代”」〉から続く
日本最大級の新興宗教・幸福の科学が生まれたきっかけは「2度の失恋」だった!?――大川隆法(1956~2023)の長男・宏洋氏が語った「幸福の科学」誕生の遠因を、新刊『神になりたかった男 回想の父・大川隆法』(幻冬舎)より一部抜粋してお届けする。(全2回の2回目/前編を読む)
【貴重写真】大川隆法の人生を支えた「元妻(58歳)」と「最後の妻(38歳)」
大川隆法氏の長男が語った「幸福の科学誕生の意外なきっかけ」とは? 文藝春秋
◆◆◆
恋に破れた隆法は、勉強に専念することで失恋を忘れようとしたらしい。本人の言葉を借りると「失意の中でも、私は、亀のごとく、本だけは読み続けておりました。頭が鈍るという理由から、夕食の量を減らしてまで、法律と政治学の勉強をしました」(『太陽の法』初版)。
しかし隆法は、留年までしたにもかかわらず狙っていた司法試験に落ち、さらには上級国家公務員試験にも落ちてしまう。隆法は東大に助手として残ろうとしたが、成績が悪かったためそれにも失敗する。
どん底の隆法は、なんとか総合商社である(株)トーメンに就職してサラリーマンになった。だが、三菱商事でも伊藤忠でもないトーメンが東大法学部卒の就職先としてはパッとしなかったことは言うまでもない。
隆法は、恋焦がれた彼女を手に入れられず、判事や官僚、学者になる夢も絶たれ、超一流企業への就職にも失敗した。四国から立身出世を夢見て上京してきたにもかかわらず、望んだものをすべて失ったということだ。隆法は四国の山の中で勉強していた少年時代を思い、ひとり涙したという。
隆法が宗教に目覚めたのはそのころだ。
東大の卒業を控えたこのころから、隆法は宗教法人GLAの創始者である高橋信次(1927~1976)の本を読みはじめ、かなりの影響を受けたらしい。
そして間もなく、「霊言」を聞くようになる。
『太陽の法』初版の隆法によると、彼にはじめて霊言が下りてきたのは1981年3月23日のことだ(ただしこの日付は怪しい。隆法はこの日が日曜日だったと『太陽の法』に書いているが、実際は月曜日だからだ)。日蓮の弟子である日興上人が、隆法の手を借りてカードに「イイシラセ、イイシラセ」と書かせた、と隆法は書いている。
隆法の書いたことを信じる必要はまったくないけれど、彼がサラリーマン時代に宗教活動をはじめたのは事実ではある。
1985年、彼は会社勤めの傍ら父親、つまり僕の祖父を著者に立てて『日蓮聖人の霊言』を潮文社から出す。「霊言シリーズ」のはじまりだ。
隆法は翌1986年には(株)トーメンを退社し、「幸福の科学」を設立する。この、幸福の科学設立の経緯は世に知られている事実だ。
しかし、隆法が会社を辞めるまでの間に、第2の失恋を経験したことを知っている人はどれほどいるだろうか?
おそらく『日蓮聖人の霊言』を出した前後だと思うけれど、当時(株)トーメンの名古屋支社に勤めていた隆法に、また好きな人ができたらしい。相手は会社の秘書だったと言っていた記憶がある。
前回の反省を活かしたのかどうか知らないが、なんと隆法は彼女をデートに誘うことに成功する(日蓮からいいアドバイスがあったのかもしれない)。昭和らしく、自動車でのデートだったと聞いた。
しかし隆法はデートで失敗してしまう。本人は「車のカギをなくしてしまった」とか言っていたが、ともかく失態があったらしい。彼女との顛末について隆法はゴニョゴニョ言っていたけれど、もちろんフラれたんだろう。
この話も、僕は彼から何度も聞かされた。例によって深く傷ついた隆法はその後免許を更新しなかったので、失効したはずだ。車は嫌いだ、と彼は言っていた。
隆法の気持ちは痛いほどわかる。
勇気を振り絞って声をかけ、初デート(人生初のデートだったんじゃなかろうか)に漕ぎつけたのに、緊張のあまり大失敗。しばらく立ち直れなくなっても無理はないし、その原因になった自動車を憎むのももっともだ。
僕は、この2回目の失恋は幸福の科学にとっても大きな意味を持っていたと思っている。隆法が会社を辞めるきっかけになったと睨んでいるからだ。
先にも書いたように、隆法は会社勤めが嫌で嫌でしょうがなかった。 そりゃそうだ。彼は人付き合いが苦手で、酒は1滴も飲めず、ゴルフも麻雀もできなかった。そんな人間が昭和の商社に放り込まれたら辛いに決まっている。 それでも隆法が会社を辞めなかったのは、会社にこの彼女がいたことも理由じゃないだろうか? 大嫌いな会社でも、そこに好きな子がいれば出社するモチベーションは維持できる。 ところが、見事に失恋。僕はこの失恋によって、隆法が会社にいる最後の理由が消えたんだろうと思っている。 そして彼は会社を辞め、幸福の科学を作る。宗教家・大川隆法の誕生だ。 こうやって改めて振り返ると、2度の失恋が隆法の人生に大きな影を落としたことがよくわかる。 都会育ちのエリートだったという東大の彼女は、田舎から上京した隆法にとっての「東京」を象徴する存在だったのかもしれない。そんな彼女への失恋は、単なる失恋以上のものだったんだろう。 苦学してなんとか入った東大で、司法試験の失敗なども含め、隆法は憬れ続けた「東京」に失恋してズタボロにされてしまう。隆法がそのタイミングで霊言を聞きはじめた(と本人が書いている)のは偶然だろうか? 傷ついた隆法は転がり込んだ商社にいやいや勤めつつ宗教活動をはじめるが、また失恋。そして会社に見切りをつけ、幸福の科学を設立。僕はここでも失恋がきっかけを作った可能性があると考えている。「失恋」が隆法を作った? 隆法は、この2人の女性のことが心から好きだったんだろうと思う。そうでなければ、いくら息子とはいえ、僕にあんなに失恋の話をした説明がつかない。失恋の話は、本当によく聞かされた。 彼に同情したくはないけれど、正直に言って、隆法の気持ちはよくわかる。念願の初デートで、見つからない車のカギを捜してオロオロする隆法の姿が、目に見えるようだ。 そして僕は、これらの失恋が大川隆法という人間をよく表しているとも思う。 自己愛が強くて傲慢だけれど、人と付き合う方法を知らず、劣等感に満ちていて傷つきやすい。そんな人間が恋愛で上手くやれるわけがないし、しかも失恋すれば、どん底に突き落とされるのもわかる。 隆法みたいな人間は、どこにでもいる。あるいは、誰の中にも小さな「大川隆法」がいるといってもいい。自己愛や劣等感と無縁な人間なんているだろうか? 隆法も、本当ならそんな平凡な人間のひとりに過ぎなかったはずだ。だけど、時代とさまざまな偶然が、彼を怪物にしてしまった。(宏洋/Webオリジナル(外部転載))
先にも書いたように、隆法は会社勤めが嫌で嫌でしょうがなかった。
そりゃそうだ。彼は人付き合いが苦手で、酒は1滴も飲めず、ゴルフも麻雀もできなかった。そんな人間が昭和の商社に放り込まれたら辛いに決まっている。
それでも隆法が会社を辞めなかったのは、会社にこの彼女がいたことも理由じゃないだろうか? 大嫌いな会社でも、そこに好きな子がいれば出社するモチベーションは維持できる。
ところが、見事に失恋。僕はこの失恋によって、隆法が会社にいる最後の理由が消えたんだろうと思っている。
そして彼は会社を辞め、幸福の科学を作る。宗教家・大川隆法の誕生だ。
こうやって改めて振り返ると、2度の失恋が隆法の人生に大きな影を落としたことがよくわかる。
都会育ちのエリートだったという東大の彼女は、田舎から上京した隆法にとっての「東京」を象徴する存在だったのかもしれない。そんな彼女への失恋は、単なる失恋以上のものだったんだろう。
苦学してなんとか入った東大で、司法試験の失敗なども含め、隆法は憬れ続けた「東京」に失恋してズタボロにされてしまう。隆法がそのタイミングで霊言を聞きはじめた(と本人が書いている)のは偶然だろうか?
傷ついた隆法は転がり込んだ商社にいやいや勤めつつ宗教活動をはじめるが、また失恋。そして会社に見切りをつけ、幸福の科学を設立。僕はここでも失恋がきっかけを作った可能性があると考えている。
隆法は、この2人の女性のことが心から好きだったんだろうと思う。そうでなければ、いくら息子とはいえ、僕にあんなに失恋の話をした説明がつかない。失恋の話は、本当によく聞かされた。
彼に同情したくはないけれど、正直に言って、隆法の気持ちはよくわかる。念願の初デートで、見つからない車のカギを捜してオロオロする隆法の姿が、目に見えるようだ。
そして僕は、これらの失恋が大川隆法という人間をよく表しているとも思う。
自己愛が強くて傲慢だけれど、人と付き合う方法を知らず、劣等感に満ちていて傷つきやすい。そんな人間が恋愛で上手くやれるわけがないし、しかも失恋すれば、どん底に突き落とされるのもわかる。
隆法みたいな人間は、どこにでもいる。あるいは、誰の中にも小さな「大川隆法」がいるといってもいい。自己愛や劣等感と無縁な人間なんているだろうか?
隆法も、本当ならそんな平凡な人間のひとりに過ぎなかったはずだ。だけど、時代とさまざまな偶然が、彼を怪物にしてしまった。
(宏洋/Webオリジナル(外部転載))

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

SNSでもご購読できます。