【清水 芽々】露骨な「男尊女卑」がそこらじゅうに…ヤバすぎる地方都市に引っ越しを決めた40代妻の悲劇

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毎年、世界経済フォーラムが発表している、世界各国の男女格差について数値化した「ジェンダーギャップ指数」ランキング。2023年版で日本は過去最低の125位となった。
ジェンダーギャップ指数の算出方法と照らし合わせて考えると、日本は政治・経済・教育等、すべてにおいて男女格差が顕著であると認められたことになる。これはSDGsの「目標5」にあたる「ジェンダー平等」への達成率の低さも同時に表しており、先進国であるはずの日本が男女平等という点について世界基準から大きく後れていることを示している。
photo by gettyimages
未だに男尊女卑や女性蔑視という言い方を耳にすることが多いが、これを言葉だけでなく身をもって痛感した女性がいる。
夫の転勤に伴い、家族で中部地方のとある町へ移住した小山内沙穂さん(仮名・42歳)だ。
「夫はぶっちゃけ、転勤と言うより左遷です。夫は通信関係の会社に勤務していますが、よくある社内の派閥争いに負けてしまったようです。子供達の学校のこともありますし、本当は単身赴任して欲しかったんですけど『何年かかるかわからない』と言われ、家族で移住することにしました」(沙穂さん。以下同)
引っ越しの当日、自治会長や地元の議員さん、民生委員など、地域の世話的な立場の住民の家に家族揃って挨拶に出向いた沙穂さん。どのお宅も歓迎ムードで出迎えてくれたものの、ある違和感を感じる。
「挨拶に出てくるのが男性だけなんです。ご主人だったり、その息子さんだったり、お孫さんだったり…。彼らは名前や年齢、経歴など、聞いてもいないことまで自己紹介してくれるのに、女性の家族は紹介してくれません。
こちらが家族を紹介しても皆さん、夫と息子にしか話しかけず私と娘の存在はスルー。『何、この差別は?』とちらっと思いましたが、田舎だから、女性は控え目にしてるのかな?とか、男同士の方が話しやすいんだろうみたいに考えました」
地域の名士との顔合わせということもあって緊張していた沙穂さんは、この時のことをあまり深く考えなかったのだが、地域での生活が始まるにつれて再び違和感が頭をもたげるようになり、地域の異常性を感じ始める。
「寄合に出かけた時のことです。集会所で女性たちが座布団や机を並べたり、お茶を入れたり、お茶菓子を用意したりと準備をしている間、男性たちは座敷に座ったまま動きません。
しかも話し合いが始まると女性たちは座敷を出て、土間で待機。お茶やお茶菓子のおかわりで呼ばれる以外は座敷に入ろうとしないんです。『話し合いに参加しなくていいんですか?』と聞いたら『何で?決めるのは男衆なんだから女が参加する必要ないでしょう?』と言われ、『ちょっと時代錯誤では?』とびっくりしました」
とはいえ、まだこの時は「田舎ってそういうものなのかも」くらいに受け止めていた沙穂さん。しばらくして「女性だけを働かせる」という光景に再び遭遇することになる。
「地域でお祭りがあったんです。自治会に加入したばかりの我が家は特に役割分担もなかったので気楽に見て回ってたんですけど、ふと働いてるのが女性ばかりなことに気が付きました。
女性が料理を作ったり、飲み物を配ったり、屋台を切り盛りしてるのに対して、男性は集まってお酒を飲んでるだけ。泣いてる赤ん坊を背負いながら動き回ってる奥さんに目もくれないダンナさんもいました。
お祭りが終わっても、さんざん飲み食いしていた男連中は赤い顔に千鳥足でさっさと帰ってしまって、お祭りの間中、ろくに座ることもできなかった女性達は残飯を頬張りながら深夜まで片付けをしていました。
『女性が中心になって進行するタイプのお祭りなのかも知れない』と勝手に思いつつも『それにしてももうちょっと男性も手伝ってくれていいんじゃない?』と憤りのようなものを感じました。この前の寄合といい、この地域の男性は女性に対してちょっと冷たいんじゃないかって」
住民男性を敵視するようになった沙穂さんだが、その後「女性の敵が男性だけではない」ことを思い知る。
その続きを後編〈「あの家の嫁は子供ができない…」男女差別が露骨な地方都市に移住した一家の絶望、そして中二娘にも及んだ「陰湿なイジメ」〉にて詳にしよう。

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