【岡野あつこ】「疲れてるのに揚げ物なんて…」モラハラ言動妻に尽くしてきた30代夫が下した決断

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離婚の兆候「熟年離婚の割合が増えている」というニュースを耳にしたことのある人は多いはず。厚生労働省によると、2020年に離婚した夫婦のうち、20年以上同居生活をつづけたいわゆる「熟年離婚」の割合は21.5%と過去最高だったことも話題になりました。だとしたら、熟年世代がもっとも離婚の多い年代かというと、じつはそうではありません。厚労省が発表している最新の人口動態統計によると、別居時の夫婦の年齢が64歳までの5歳ごとの年齢別離婚率でみると、トップは男女ともに30~34歳とのこと。つまり、30代前半の夫婦がもっとも離婚の危機にさらされているともいえるのではないでしょうか。

では、離婚の危機を迎えた30代前半の男女には、夫婦関係に決定的な亀裂が入る前にどのような兆候があったのでしょうか。実際に筆者のところに夫婦問題の相談に訪れた事例をもとにみていきましょう。結婚して5年、子どもがひとりいる野口美咲さん(31歳・仮名・会社員)は、2歳年上の夫の浮気が原因で離婚の危機を迎えています。美咲さんが夫の浮気に気づいたのはスマホでした。「夫はスマホをテーブルの上に置きっぱなしにしたまま、トイレに行こうと席を離れたタイミングで画面にポップアップが表示されたんです。Photo by gettyimages『もうすぐ二人の記念日だね。今年も私の部屋でお祝いしようね』という、夫と同じ職場の女性からのLINEのメッセージが見えた瞬間、『まだ続いていたのか!』と怒り心頭でした」じつは美咲さんの夫は2年前に同じ女性との浮気が発覚。そのときは「彼女とは別れるから許してほしい」と平謝りしたのち、夫婦関係を修復していました。唐突な離婚宣言その後、「何度かあやしいと思ったことがあった」という美咲さんは、そのたびに本人にたずねるものの、「そんなわけないだろ」「オレを信用できないわけ?」と夫は逆ギレ。それがきっかけで夫婦喧嘩へと発展し、夫婦仲は冷えこんでいく一方だったといいます。「だからこそ、スマホの画面に浮気の証拠となるLINEのメッセージが表示されたのはショックでした。やっぱり夫に裏切られていたんだな、と」席に戻ってきた夫を問いただしたところ、「ごめん。オレが悪かった」とそれまでは必ず浮気を否定してきた夫が突然、アッサリ認めたとのこと。その晩を境に、美咲さんの夫の口数は激減。それまで激しく言い合っていた夫婦喧嘩もしなくなり、「穏やかな毎日が戻ってきたものの、なんだか様子がおかしいな」と美咲さんが感じていたところ、数日後に夫から「話がある」と言われ、離婚を切り出されたのでした。「夫は、私にスマホを見られて浮気がバレたことで、浮気相手と一緒になる覚悟ができたと話していました。夫婦喧嘩が減ったのは、夫が改心したからではなかったようです」妻に何かと言われ続けて「離婚までの妻との日々が苦痛でたまらないんです」と嘆くのは渡辺大輝さん(32歳・仮名・会社員)。3年前に結婚した3歳年下の会社員の妻との間には子どもはなく、夫婦二人で暮らしています。「正直な話、たった3年間とはいえ一緒に暮らす時間が長くなればなるほど、妻のことを嫌いになっています」と話す大輝さんは、妻に対する不満が尽きません。Photo by gettyimages「妻も会社員ですが、私より収入は多くありません。それでも私は仕事もがんばって、家事の分担も平等にこなしているのに、妻からはなぜか文句ばかり言われ続ける毎日。自分なりに努力をしているのに、なぜこんな思いをしなければならないのか。イライラがとまりません」掃除をすれば「掃除機のかけ方が雑すぎる」、洗濯ものを畳んでも「結局私がやり直さなくてはならないから二度手間なんだよね」と言った具合で、大輝さんは妻から日々責め立てられていたそうです。そんな大輝さんが離婚を決めたのは、妻がシフトの遅番で帰宅時間が遅い夜だったといいます。「その日は妻が食事をつくる担当だったのですが、遅くまで働いて疲れているかと思い、オレが料理をすることにしたんです。ところが、そんなふうに仏心を出したのが裏目に出たんです」帰宅した妻は、テーブルに並ぶ大輝さんがつくった唐揚げを一瞥するやいなや、「疲れているのに揚げ物なんて食べられるわけないじゃない。だいたい、私が買っておいた食材を勝手に使わないでくれない?」と怒りはじめたのでした。何をしても感謝の言葉がない妻に嫌気がさした大輝さんは、その週末、「妻に離婚の話し合いをしたいと持ち掛けた」とのこと。Photo by gettyimagesさらに、妻が遅く帰宅する晩は、先に寝室に向かい、床についていることにしたといいます。「妻との会話を極力少なくしたくて、眠くはなくても眠っているフリをすることにしました。今は、早く別れたい一心です」※登場された方のプライバシーに配慮し、実際の事例を一部変更、再構成しています。ーーーー後編記事「「教育ママ」を嫌っていた30代妻が、いつの間にか別人のように…夫が絶句したワケ」へ続く。
「熟年離婚の割合が増えている」というニュースを耳にしたことのある人は多いはず。厚生労働省によると、2020年に離婚した夫婦のうち、20年以上同居生活をつづけたいわゆる「熟年離婚」の割合は21.5%と過去最高だったことも話題になりました。
だとしたら、熟年世代がもっとも離婚の多い年代かというと、じつはそうではありません。
厚労省が発表している最新の人口動態統計によると、別居時の夫婦の年齢が64歳までの5歳ごとの年齢別離婚率でみると、トップは男女ともに30~34歳とのこと。つまり、30代前半の夫婦がもっとも離婚の危機にさらされているともいえるのではないでしょうか。
では、離婚の危機を迎えた30代前半の男女には、夫婦関係に決定的な亀裂が入る前にどのような兆候があったのでしょうか。実際に筆者のところに夫婦問題の相談に訪れた事例をもとにみていきましょう。
結婚して5年、子どもがひとりいる野口美咲さん(31歳・仮名・会社員)は、2歳年上の夫の浮気が原因で離婚の危機を迎えています。
美咲さんが夫の浮気に気づいたのはスマホでした。「夫はスマホをテーブルの上に置きっぱなしにしたまま、トイレに行こうと席を離れたタイミングで画面にポップアップが表示されたんです。
Photo by gettyimages
『もうすぐ二人の記念日だね。今年も私の部屋でお祝いしようね』という、夫と同じ職場の女性からのLINEのメッセージが見えた瞬間、『まだ続いていたのか!』と怒り心頭でした」
じつは美咲さんの夫は2年前に同じ女性との浮気が発覚。そのときは「彼女とは別れるから許してほしい」と平謝りしたのち、夫婦関係を修復していました。
その後、「何度かあやしいと思ったことがあった」という美咲さんは、そのたびに本人にたずねるものの、「そんなわけないだろ」「オレを信用できないわけ?」と夫は逆ギレ。それがきっかけで夫婦喧嘩へと発展し、夫婦仲は冷えこんでいく一方だったといいます。
「だからこそ、スマホの画面に浮気の証拠となるLINEのメッセージが表示されたのはショックでした。やっぱり夫に裏切られていたんだな、と」
席に戻ってきた夫を問いただしたところ、「ごめん。オレが悪かった」とそれまでは必ず浮気を否定してきた夫が突然、アッサリ認めたとのこと。
その晩を境に、美咲さんの夫の口数は激減。それまで激しく言い合っていた夫婦喧嘩もしなくなり、「穏やかな毎日が戻ってきたものの、なんだか様子がおかしいな」と美咲さんが感じていたところ、数日後に夫から「話がある」と言われ、離婚を切り出されたのでした。
「夫は、私にスマホを見られて浮気がバレたことで、浮気相手と一緒になる覚悟ができたと話していました。夫婦喧嘩が減ったのは、夫が改心したからではなかったようです」
「離婚までの妻との日々が苦痛でたまらないんです」と嘆くのは渡辺大輝さん(32歳・仮名・会社員)。3年前に結婚した3歳年下の会社員の妻との間には子どもはなく、夫婦二人で暮らしています。
「正直な話、たった3年間とはいえ一緒に暮らす時間が長くなればなるほど、妻のことを嫌いになっています」と話す大輝さんは、妻に対する不満が尽きません。
Photo by gettyimages
「妻も会社員ですが、私より収入は多くありません。それでも私は仕事もがんばって、家事の分担も平等にこなしているのに、妻からはなぜか文句ばかり言われ続ける毎日。自分なりに努力をしているのに、なぜこんな思いをしなければならないのか。イライラがとまりません」
掃除をすれば「掃除機のかけ方が雑すぎる」、洗濯ものを畳んでも「結局私がやり直さなくてはならないから二度手間なんだよね」と言った具合で、大輝さんは妻から日々責め立てられていたそうです。
そんな大輝さんが離婚を決めたのは、妻がシフトの遅番で帰宅時間が遅い夜だったといいます。
「その日は妻が食事をつくる担当だったのですが、遅くまで働いて疲れているかと思い、オレが料理をすることにしたんです。ところが、そんなふうに仏心を出したのが裏目に出たんです」
帰宅した妻は、テーブルに並ぶ大輝さんがつくった唐揚げを一瞥するやいなや、「疲れているのに揚げ物なんて食べられるわけないじゃない。だいたい、私が買っておいた食材を勝手に使わないでくれない?」と怒りはじめたのでした。
何をしても感謝の言葉がない妻に嫌気がさした大輝さんは、その週末、「妻に離婚の話し合いをしたいと持ち掛けた」とのこと。
Photo by gettyimages
さらに、妻が遅く帰宅する晩は、先に寝室に向かい、床についていることにしたといいます。
「妻との会話を極力少なくしたくて、眠くはなくても眠っているフリをすることにしました。今は、早く別れたい一心です」
※登場された方のプライバシーに配慮し、実際の事例を一部変更、再構成しています。
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