自己中心的な振る舞いで会社に迷惑をかける、効率重視に周囲を巻き込むetc. ――若手世代に潜むモンスター社員により、職場の社員全員が大迷惑を被るはめに……。彼らの特徴を分類するとともに、専門家たちにその撃退法を聞いた！◆驚異の巻き込み力で上司が窮地に…
セクハラ・パワハラされた！と、罪をでっち上げられて、ある日、突然コンプライアンス部署から呼び出しと、驚異の巻き込み力で窮地に追い込んでくるのがメンヘラモンスターだ。
「個としての自己を尊重する若者。『自分は特別だからひどい目に遭うんだ』と信じてやまない悲劇のヒロイン型思想。この2つの親和性は実は高い。彼ら彼女らにとって、選ばれし者の受難こそ存在意義。なので、被害状況の捏造さえいといません」（精神科医・春日武彦氏）
◆ひろゆきばりのツッコミが非常に効果的
距離を取りたい存在だが、打開策はまさかの一気に距離を詰め、メンヘラの天敵あの方を降臨させること。
「ひろゆきばりのツッコミで、『自分は特別という考えは、あなたの感想ですよね』と伝え、特別な人間ではない事実を教えてあげてください」（同）
◆承認欲求が満たして手なずけるのも有効
また、「僕の言い方が悪かったと、へりくだって伝えたほうが、彼ら彼女らの承認欲求が満たされて手なずけやすい」とは若者研究家の小島雄一郎氏。
モンスターの心の隙間を埋めるのも賢明だが、その優しさそのものが「特別だから」と解釈され、窮地に追い込まれることもある。精神科医のゆうきゆう氏は言う。
「メンヘラタイプは、論理が通じる相手ではない。こっそり会話を録音して“正しい事実”をいつでも提出できるよう防御策を築くのが得策です」
メンヘラモンスターを倒すには、ICレコーダーを活用するしかない。
◆●メンヘラモンスター社員の特徴
嘘のセクハラ・パワハラを演出
・LEVEL ★★★★★（MAX 5つ）職場を混乱させる、周囲に迷惑をかけるなどの悪影響の大きさ。レベル5は要注意レベル
・攻撃 100万（1万超えたら要注意）周囲のHPを削ったり、直接的な被害をもたらす力の強さ。100万という驚異の巻き込み力で窮地に追い込んでくる
・防御 10（1万超えたら要注意）説得が通じるか否かといった心理的な障壁の高さや、打たれ強さ。圧倒的な攻撃力に対して防御力は10と低く論破しやすい
◆＜撃退法＞
こういった迷惑社員の扱い方をまとめると…
・弱点（モンスター社員を撃退する上で、フックとなる特徴や性質）→ 承認欲求
・効果属性（モンスター社員にとって天敵となる中年世代のタイプ）→ ひろゆき的おやじ
・攻略法（弱点を踏まえた、モンスター社員を撃退する方法）→ 論破王召還
⇒悲劇の悪役にキャスティングされないよう現実に引き戻す一言で論破せよ！
【精神科医 春日武彦氏】医学博士。都立松沢病院精神科部長、都立墨東病院神経科部長などを歴任。現在も臨床に携わる。近著『「狂い」の調教』（扶桑社）ほか、著書多数
【若者研究家 小島雄一郎氏】’07年、大手広告会社に入社。日経COMEMOキーオピニオンリーダーも務める。著書に『広告のやりかたで就活をやってみた』（マスナビBOOKS）
【心理専門コンサルタント ゆうきゆう氏】精神科医。ゆうメンタルクリニック・スキンクリニックグループ総院長。著書に『マンガで分かる心療内科』（少年画報社）などがある
取材・文／週刊SPA！編集部 イラスト／さとうみゆき