〈文書入手〉千葉の進学校で校長の女子生徒へのセクハラ疑惑 現役教師30人が調査要求文書を提出

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千葉県の私立・市原中央高校で、校長による女子生徒へのセクハラ疑惑があり、教員が学校側に調査要求書を提出していたことが「週刊文春」の取材でわかった。学校側は要求書を受けて、調査委員会を立ち上げている。
【画像】セクハラを受けたことがあると回答したAさんのアンケート
市原中央高校(校長のブログより)
市原中央高は昨年実績で国公立大学28名、早稲田大を始め有名私大に60名以上の合格者を出した進学校だ。校長は県の公立校で校長を務めた後、2019年に就任した。
校長による“セクハラ疑惑”が持ち上がったのは、今年3月のことだ。発端は高校2年生の女子生徒Aさんが提出した学校生活に関するアンケートだった。彼女は「『セクハラ』と思われる言動を先生から受けたことがある」という質問の「ある」にレ点を付け、別紙で実際に受けたハラスメントの内容を申告した。
そこには次のようなことが記されていた。〈令和3年10月~11月頃、校内見学会の配布資料作成にあたって、廊下で先生数人、生徒複数人で作業していた時にいきなり近づいてきて、背後から耳元で何かを囁いた。私はいきなりの出来事に驚いて、「うわあ!」と声をあげてしまった〉 この“囁き現場”は、ある男性教員が目撃していた。「彼女のうなじ間際まで顔を近づけた校長を見た男性教員は、『大丈夫?』と声をかけた。彼を中心に複数の教員が校長を問題視するようになった」(現役教員) 校長を巡っては、たびたびスマホで部活中の女子生徒の写真を撮るなど、セクハラを疑う声が校内で上がっていた。そして遂に4月、職員会議中に教員からこう声が上がったのだ。「校長のセクハラ問題はどうなっているんですか!」 それに対して、教頭はこう答えたという。「今、動いています」 だがしばらくしても事態は動かなかった。そこで6月17日、有志の教員らが校長のセクハラ調査を求め、学校側に要求書を提出した。「6月17日と6月27日の2回、セクハラ・パワハラの被害に対する学校側の適切な対応を求めた文書を、教頭と校長補佐に渡しました。2回目の要求書では、実に常勤教員の約7割に当たる30名以上が署名・捺印しています」(別の現役教員) ようやく8月、市原中央高校を設置する学校法人・君津学園は理事長名でAさんと保護者に、9月中にヒアリング調査を実施することを通知した。校長は「調査段階ですので取材にはお答えできません」 校長はどう答えるのか。電話で直撃した。――Aさんにセクハラをした疑惑がある。「学園の調査委員会が発足しまして調査段階ですので取材にはお答えできません。もちろん調査については真摯に対応していきます」 市原中央高校に校長のセクハラ疑惑について聞くと、概ね次のように答えた。「本校は、被害申告した生徒に不快な思いをさせたことについて心を痛めております。 本校としては、具体的な被害申告を受けてから、本校教頭及びセクハラ相談員を窓口として申告された事実の聞き取り調査を行い、加えて全校生徒に対するアンケート調査を実施するなど、慎重に対応を進めております。 現在は被害申告をした生徒及び保護者の希望もあり、学校法人君津学園として調査委員会を先月立ち上げ、被害申告をした生徒及びその保護者様のご都合を伺い更なる聞き取り調査を改めて行うところです。このため、質問の中の被害申告に関する回答は差し控えさせて頂きます」 だが、Aさんの母はこう憤る。「調査担当者に第三者はおらず、全員学校法人の要職者で占められており、公平な調査となるのか疑問です。さらに学校側が指定したヒアリングの日時には娘の期末テスト期間も含まれていて、誠意のある対応とは思えませんでした」 このほか、校長がAさんに行った別のセクハラ疑惑、Aさん本人の証言などを、9月21日(水)12時配信の「週刊文春 電子版」および9月22日(木)発売の「週刊文春」で詳報している。(「週刊文春」編集部/週刊文春 2022年9月29日号)
そこには次のようなことが記されていた。
〈令和3年10月~11月頃、校内見学会の配布資料作成にあたって、廊下で先生数人、生徒複数人で作業していた時にいきなり近づいてきて、背後から耳元で何かを囁いた。私はいきなりの出来事に驚いて、「うわあ!」と声をあげてしまった〉
この“囁き現場”は、ある男性教員が目撃していた。
「彼女のうなじ間際まで顔を近づけた校長を見た男性教員は、『大丈夫?』と声をかけた。彼を中心に複数の教員が校長を問題視するようになった」(現役教員)
校長を巡っては、たびたびスマホで部活中の女子生徒の写真を撮るなど、セクハラを疑う声が校内で上がっていた。そして遂に4月、職員会議中に教員からこう声が上がったのだ。
「校長のセクハラ問題はどうなっているんですか!」
それに対して、教頭はこう答えたという。
「今、動いています」
だがしばらくしても事態は動かなかった。そこで6月17日、有志の教員らが校長のセクハラ調査を求め、学校側に要求書を提出した。
「6月17日と6月27日の2回、セクハラ・パワハラの被害に対する学校側の適切な対応を求めた文書を、教頭と校長補佐に渡しました。2回目の要求書では、実に常勤教員の約7割に当たる30名以上が署名・捺印しています」(別の現役教員)
ようやく8月、市原中央高校を設置する学校法人・君津学園は理事長名でAさんと保護者に、9月中にヒアリング調査を実施することを通知した。校長は「調査段階ですので取材にはお答えできません」 校長はどう答えるのか。電話で直撃した。――Aさんにセクハラをした疑惑がある。「学園の調査委員会が発足しまして調査段階ですので取材にはお答えできません。もちろん調査については真摯に対応していきます」 市原中央高校に校長のセクハラ疑惑について聞くと、概ね次のように答えた。「本校は、被害申告した生徒に不快な思いをさせたことについて心を痛めております。 本校としては、具体的な被害申告を受けてから、本校教頭及びセクハラ相談員を窓口として申告された事実の聞き取り調査を行い、加えて全校生徒に対するアンケート調査を実施するなど、慎重に対応を進めております。 現在は被害申告をした生徒及び保護者の希望もあり、学校法人君津学園として調査委員会を先月立ち上げ、被害申告をした生徒及びその保護者様のご都合を伺い更なる聞き取り調査を改めて行うところです。このため、質問の中の被害申告に関する回答は差し控えさせて頂きます」 だが、Aさんの母はこう憤る。「調査担当者に第三者はおらず、全員学校法人の要職者で占められており、公平な調査となるのか疑問です。さらに学校側が指定したヒアリングの日時には娘の期末テスト期間も含まれていて、誠意のある対応とは思えませんでした」 このほか、校長がAさんに行った別のセクハラ疑惑、Aさん本人の証言などを、9月21日(水)12時配信の「週刊文春 電子版」および9月22日(木)発売の「週刊文春」で詳報している。(「週刊文春」編集部/週刊文春 2022年9月29日号)
ようやく8月、市原中央高校を設置する学校法人・君津学園は理事長名でAさんと保護者に、9月中にヒアリング調査を実施することを通知した。校長は「調査段階ですので取材にはお答えできません」 校長はどう答えるのか。電話で直撃した。――Aさんにセクハラをした疑惑がある。「学園の調査委員会が発足しまして調査段階ですので取材にはお答えできません。もちろん調査については真摯に対応していきます」 市原中央高校に校長のセクハラ疑惑について聞くと、概ね次のように答えた。「本校は、被害申告した生徒に不快な思いをさせたことについて心を痛めております。 本校としては、具体的な被害申告を受けてから、本校教頭及びセクハラ相談員を窓口として申告された事実の聞き取り調査を行い、加えて全校生徒に対するアンケート調査を実施するなど、慎重に対応を進めております。 現在は被害申告をした生徒及び保護者の希望もあり、学校法人君津学園として調査委員会を先月立ち上げ、被害申告をした生徒及びその保護者様のご都合を伺い更なる聞き取り調査を改めて行うところです。このため、質問の中の被害申告に関する回答は差し控えさせて頂きます」 だが、Aさんの母はこう憤る。「調査担当者に第三者はおらず、全員学校法人の要職者で占められており、公平な調査となるのか疑問です。さらに学校側が指定したヒアリングの日時には娘の期末テスト期間も含まれていて、誠意のある対応とは思えませんでした」 このほか、校長がAさんに行った別のセクハラ疑惑、Aさん本人の証言などを、9月21日(水)12時配信の「週刊文春 電子版」および9月22日(木)発売の「週刊文春」で詳報している。(「週刊文春」編集部/週刊文春 2022年9月29日号)
ようやく8月、市原中央高校を設置する学校法人・君津学園は理事長名でAさんと保護者に、9月中にヒアリング調査を実施することを通知した。
校長はどう答えるのか。電話で直撃した。
――Aさんにセクハラをした疑惑がある。
「学園の調査委員会が発足しまして調査段階ですので取材にはお答えできません。もちろん調査については真摯に対応していきます」
市原中央高校に校長のセクハラ疑惑について聞くと、概ね次のように答えた。
「本校は、被害申告した生徒に不快な思いをさせたことについて心を痛めております。
本校としては、具体的な被害申告を受けてから、本校教頭及びセクハラ相談員を窓口として申告された事実の聞き取り調査を行い、加えて全校生徒に対するアンケート調査を実施するなど、慎重に対応を進めております。
現在は被害申告をした生徒及び保護者の希望もあり、学校法人君津学園として調査委員会を先月立ち上げ、被害申告をした生徒及びその保護者様のご都合を伺い更なる聞き取り調査を改めて行うところです。このため、質問の中の被害申告に関する回答は差し控えさせて頂きます」
だが、Aさんの母はこう憤る。
「調査担当者に第三者はおらず、全員学校法人の要職者で占められており、公平な調査となるのか疑問です。さらに学校側が指定したヒアリングの日時には娘の期末テスト期間も含まれていて、誠意のある対応とは思えませんでした」
このほか、校長がAさんに行った別のセクハラ疑惑、Aさん本人の証言などを、9月21日(水)12時配信の「週刊文春 電子版」および9月22日(木)発売の「週刊文春」で詳報している。
(「週刊文春」編集部/週刊文春 2022年9月29日号)

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