おととし3月、名古屋の入管施設で死亡したスリランカ人女性の遺族が国に損害賠償を求めている裁判で、収容中の監視カメラの映像がきょう法廷で初めて上映されました。
(監視カメラ映像)ウィシュマ・サンダマリさん「病院持って行って、お願い。お願い…、お願いします」
病院に連れて行くよう看守に何度も何度もお願いするこの女性は、おととし3月、名古屋の入管施設で死亡したウィシュマ・サンダマリさん(当時33)です。きょう、この映像が裁判で初めて上映されました。
遺族は、ウィシュマさんが死亡したのは入管が必要な医療を提供しなかったのが原因だとして、国に対し、およそ1億5600万円の損害賠償を求めています。
(監視カメラ映像)ウィシュマさん「私、絶対死ぬ」看守「死なないで、大丈夫だよ。死なないから、つらいけどね。私たち死んでほしくないから、ちゃんと見ているから」
これはウィシュマさんが亡くなる11日前の映像。「私、死ぬ」と繰り返し、病院に連れていくよう、うめくような声で懇願します。
きょうの裁判では、証拠として提出された5時間分の監視カメラ映像のうち、ウィシュマさんが亡くなる2日前までの映像が上映されました。続きは、次回の裁判で上映される予定です。
裁判後に行われた会見で、ウィシュマさんの妹のワヨミさんは「姉が入管で残酷な目に遭ったことは、皆さんにわかってもらったと思う」と涙ながらに話しました。