パーキンソン病発症の仕組み解明と東北大が発表 ソーティリンというタンパク質がαシヌクレインを細胞内に取り込み蓄積 進行抑制治療薬開発にも期待

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東北大学の研究チームは、難病の「パーキンソン病」が起きる詳しい仕組みを解明したと発表しました。病気の進行を抑制する治療の開発につながることも期待されるということです。
手が震えたり動作が緩慢になったりする難病の「パーキンソン病」は、脳内にα(アルファ)シヌクレインというタンパク質が異常に蓄積されることが原因であることがわかっています。
東北大学の長谷川隆文准教授らの研究グループが脳の膜タンパク質を網羅的に調べたところ、脳内に多くあるソーティリンと呼ばれる膜タンパク質の一種がαシヌクレインと結びついて、αシヌクレインを細胞内に取り込み蓄積させていることを初めて突き止めました。
ソーティリンの働きを抑制する抗体を投与すると、αシヌクレインの取り込みや蓄積も抑制されることも確認されたということです。
長谷川教授は「今後パーキンソン病だけでなく、類似した疾患においても病気の進行を抑制する治療薬の開発に寄与することが期待される」と話しています。
パーキンソン病は60歳以上の日本人の1%が発症し、全国に16万人以上の患者がいるといわれています。αシヌクレインの異常蓄積により、脳内のドーパミンを作る細胞が死んでいく結果、震えや動作が緩慢になるなどの症状がでる難病です。
現在は薬で脳内のドーパミンを補充する対症療法が治療の中心ですが、進行を抑制する治療は確立していません。

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