車なしでまずは1カ月 運転免許「お試し自主返納」 滋賀で開始

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運転免許証の自主返納を促すため、滋賀県警は8日から高齢運転者に車を運転しない生活を1カ月体験してもらう「お試し自主返納」を始める。県内では高齢者の自主返納率が減少傾向にあり、気軽に試してもらうことで少しでも返納につなげるのが狙いだ。
病院に車が突っ込む 77歳「アクセル踏みすぎた」 県警によると、他では大阪府が実施しているが、全国的には珍しい取り組みという。 お試し自主返納で利用者は1カ月間、車を運転しない代わりに県内各地の商業施設やマッサージ店で割引などの特典を受けることができる。また京阪電車の1日乗車券を割引価格で購入できるほか、彦根市など一部の自治体では乗り合いタクシーなどの回数券を無料で受け取ることもできる。県警に参加を申し込み、自宅に郵送される「お試し自主返納証」と運転免許証を利用時に提示する必要がある。

昨年の県内での65歳以上の高齢者の事故件数は617件(前年比25件増)、死者も8人(同4人増)といずれも増加している。一方で自主返納の数は、大津市で車同士の衝突に巻き込まれた保育園児ら16人が死傷した事故や東京・池袋で高齢者が運転する乗用車が暴走して12人が死傷した事故があった2019年の6345人をピークに年々減少。昨年は4746人(前年同期比452人減)だった。 県警交通企画課によると、高齢者が自身の衰えを認めたくない心理や車がないと生活が不便になるなどの理由が要因とみている。 同課は高齢ドライバーは身体能力の低下で視野範囲や首を振る角度が狭まることで左右の安全確認が不十分になることや、ブレーキを踏む反応が遅くなるため、事故につながる危険性が増えるとして自主返納を勧める。同課の伊吹貴也交通事故分析官は「自主返納に踏み切れない思いは理解できるが、一度車のない生活を体験してもらい、選択肢の一つとして考えてみてほしい」と話す。 定員(200人)に達し次第、終了する。申し込みは平日午前8時半~午後5時に同課高齢者交通安全推進室(077・522・1231)まで。【飯塚りりん】
県警によると、他では大阪府が実施しているが、全国的には珍しい取り組みという。
お試し自主返納で利用者は1カ月間、車を運転しない代わりに県内各地の商業施設やマッサージ店で割引などの特典を受けることができる。また京阪電車の1日乗車券を割引価格で購入できるほか、彦根市など一部の自治体では乗り合いタクシーなどの回数券を無料で受け取ることもできる。県警に参加を申し込み、自宅に郵送される「お試し自主返納証」と運転免許証を利用時に提示する必要がある。
昨年の県内での65歳以上の高齢者の事故件数は617件(前年比25件増)、死者も8人(同4人増)といずれも増加している。一方で自主返納の数は、大津市で車同士の衝突に巻き込まれた保育園児ら16人が死傷した事故や東京・池袋で高齢者が運転する乗用車が暴走して12人が死傷した事故があった2019年の6345人をピークに年々減少。昨年は4746人(前年同期比452人減)だった。
県警交通企画課によると、高齢者が自身の衰えを認めたくない心理や車がないと生活が不便になるなどの理由が要因とみている。
同課は高齢ドライバーは身体能力の低下で視野範囲や首を振る角度が狭まることで左右の安全確認が不十分になることや、ブレーキを踏む反応が遅くなるため、事故につながる危険性が増えるとして自主返納を勧める。同課の伊吹貴也交通事故分析官は「自主返納に踏み切れない思いは理解できるが、一度車のない生活を体験してもらい、選択肢の一つとして考えてみてほしい」と話す。
定員(200人)に達し次第、終了する。申し込みは平日午前8時半~午後5時に同課高齢者交通安全推進室(077・522・1231)まで。【飯塚りりん】

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