エリート税関職員の知られざる“過酷な仕事”とは「4日で16回の排便に立ち会い」「排泄物の臭いと感触を確かめ異物がないかつぶさに探す」《道端ジェシカ夫のMDMAも発見》

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2023年3月、都内の高級ホテルに滞在していたモデルの道端ジェシカ(38)が麻薬特例法違反の疑いで逮捕され、4月5日に不起訴処分となった。道端とともに同容疑で逮捕された夫で、映画プロデューサーのケネス・カオ容疑者も同容疑では不起訴となったが、MDMAを密輸したとして、麻薬取締法違反の罪で再逮捕された。
【画像】「なんでも調べる!」税関職員の涙ぐましい努力の日々 逮捕の経緯について大手新聞社会部記者が解説する。MDMAで逮捕に対する“ジェシカの言い訳”「海外からカオ容疑者宛てに到着した荷物にMDMAなどのカプセル薬を、まず税関職員が発見しました。送り先であるホテルに荷物が届いた際に捜査員が部屋へ突入。道端夫妻をその場で逮捕しました」

ケネス・カオ容疑者と道端ジェシカ getty 道端は周囲に対して「友達が勝手に送ってきた」などと説明しているようだ。「友達が送ってくるにしても、まったく使ったこともない人には送りませんよね(苦笑)。普段からMDMAなどの違法薬物に近い生活を送っているんだろうなと邪推してしまいますよ」(ファッション関係者) 道端夫妻しかり、ここ最近、日本の街中でみかける外国人旅行者が激増した。2022年10月に新型コロナウイルスの感染拡大に伴い制限されていた外国人旅行者の受け入れが緩和され、浅草や秋葉原などの外国人旅行者に人気のエリアは、休日ともなると多くの旅行者で混雑する。 外国人による“爆買い”も発生し、円安に伴い停滞していた景気にとっては好転する良材料となってはいるが、一方で外国人を受け入れることでリスクも増大している。 その一つが、薬物などの違法物資の流入である。 昨年10月20日にも、ロンドンのヒースロー空港からの航空機で羽田空港に降り立った外国人旅行者が逮捕されたことがあった。スペイン国籍のビクター・チュクディ・ンワマジオブ容疑者である。 チュクディ・ンワマジオブ容疑者は、入国手続きの際、手荷物検査場をすり抜けようとしたそうだが、検査員に引き留められ任意でのレントゲン検査を行う旨を伝えられたところ、これを拒否した。「関税法に基づき、令状を取得すれば強制的にレントゲン撮影を行うことができるため、東京税関は令状を取って強制的にレントゲン撮影を行いました。容疑者の身柄は医療機関に移され、そこで検査したところ、容疑者の体内から粒状の異物が多数確認されたようです。後に容疑者の体内から取り出された100個を超える異物からは、末端価格で6000万円相当の覚せい剤が見つかっています」(別の社会部記者) これだけを聞けば、「東京税関の検査員の鋭い嗅覚により不審な外国人が判明し、日本への覚せい剤密輸を未然に防いだ」という美談だ。しかし、違法物資の流入を水際で防ぐための税関職員の日々の業務は決してスマートではない。 そこには“過酷すぎる業務”に奮闘する、税関職員の“涙ぐましい努力”があるのだ。容疑者の体内から異物を発見 その“嫌すぎる手法”とは… 税関職員であるAさんが、日々の業務についてこう解説する。「外国人は、さまざまな手段で日本に麻薬や覚せい剤など違法物資を持ち込みます。それは例えば、土産物の仏像の中に仕込んだり、匂いの強い薬品の中に紛れ込ませたりもする。 しかしそれらは、麻薬探知犬や手荷物のX線検査で見抜かれることが多く、税関職員からすれば“可愛いもの”。税関職員にとって、最もイヤな業務の一つが、体内に禁止薬物を隠して持ち込んでくるケースなんです」 税関職員が空港などで不審な人物を見つけた場合、まず手荷物検査を行う。手荷物検査で異常がなかった場合、任意でのレントゲン撮影に応じてもらうようにする。しかし、不審者がそれに応じないとなれば令状を取得し、強制的にレントゲン撮影することとなる。「ここで異物が見つかれば、付き合いのある医療機関に連絡し、異物の取り出しの作業が可能か確認し、可能な医療機関が見つかれば容疑者の身柄を移します。 ここで問題なのが、“体内からの異物の取り出し方”なんです。医療機関で開腹手術などするわけにはいかないので、下剤などを処方してもらい、排便する形で異物を取り出すこととなる。税関職員は、この現場に立ち会わなければならないんです」“目の前で排便された汚物”を税関職員が何度も確認 トイレの外で「出たか?」と聞けばいいわけではない。逃走や隠匿の可能性を排すため、排出のまさにその瞬間をその目で確認しなければいけないのだ。「大柄の外国人が、税関職員に見守られながら排便するわけです。しかも税関職員は、その排泄物の中から異物を取り出さなければならない。他人の排泄物に触れ、臭いと感触を確かめながら異物がないかつぶさに探します。目を背けなくなるような作業を繰り返すんです。なぜなら、その異物が容疑者から出たもの(持ち込んだもの)と確認しなければなりませんから」(同前) また、排せつの過程などで、異物が破損し中身が体内に流出すれば容疑者の生命に関わるため、そうした対応も考慮しなければならない。「早朝から深夜まで、4日にわたって16回の排便」「チュクディ・ンワマジオブ容疑者の逮捕事例で言えば、4日にわたって16回の排便を通じて102個もの異物がでてきたと聞いています。容疑者の排便が早朝や深夜に行われるのであれば、それにも立ち会わなければならない。様々な税関業務がある中で、これほど過酷な業務はそうはありませんよ」(同前) 税関職員と言えば、財務省に所属する財務事務官(財務官僚)であり、様々な国家公務員の仕事がある中でも“花形”の一つだ。入省するのも難しい。そうしたエリート職員らによる口にするのも憚られるような努力の末、我々の日常は違法薬物から守られているのだ。 今後も外国人旅行者は増加していくことだろう。そこにある税関職員らの陰の活躍も忘れずにいたい。(李 ハンス/Webオリジナル(特集班))
逮捕の経緯について大手新聞社会部記者が解説する。
「海外からカオ容疑者宛てに到着した荷物にMDMAなどのカプセル薬を、まず税関職員が発見しました。送り先であるホテルに荷物が届いた際に捜査員が部屋へ突入。道端夫妻をその場で逮捕しました」
ケネス・カオ容疑者と道端ジェシカ getty
道端は周囲に対して「友達が勝手に送ってきた」などと説明しているようだ。
「友達が送ってくるにしても、まったく使ったこともない人には送りませんよね(苦笑)。普段からMDMAなどの違法薬物に近い生活を送っているんだろうなと邪推してしまいますよ」(ファッション関係者)
道端夫妻しかり、ここ最近、日本の街中でみかける外国人旅行者が激増した。2022年10月に新型コロナウイルスの感染拡大に伴い制限されていた外国人旅行者の受け入れが緩和され、浅草や秋葉原などの外国人旅行者に人気のエリアは、休日ともなると多くの旅行者で混雑する。
外国人による“爆買い”も発生し、円安に伴い停滞していた景気にとっては好転する良材料となってはいるが、一方で外国人を受け入れることでリスクも増大している。 その一つが、薬物などの違法物資の流入である。 昨年10月20日にも、ロンドンのヒースロー空港からの航空機で羽田空港に降り立った外国人旅行者が逮捕されたことがあった。スペイン国籍のビクター・チュクディ・ンワマジオブ容疑者である。 チュクディ・ンワマジオブ容疑者は、入国手続きの際、手荷物検査場をすり抜けようとしたそうだが、検査員に引き留められ任意でのレントゲン検査を行う旨を伝えられたところ、これを拒否した。「関税法に基づき、令状を取得すれば強制的にレントゲン撮影を行うことができるため、東京税関は令状を取って強制的にレントゲン撮影を行いました。容疑者の身柄は医療機関に移され、そこで検査したところ、容疑者の体内から粒状の異物が多数確認されたようです。後に容疑者の体内から取り出された100個を超える異物からは、末端価格で6000万円相当の覚せい剤が見つかっています」(別の社会部記者) これだけを聞けば、「東京税関の検査員の鋭い嗅覚により不審な外国人が判明し、日本への覚せい剤密輸を未然に防いだ」という美談だ。しかし、違法物資の流入を水際で防ぐための税関職員の日々の業務は決してスマートではない。 そこには“過酷すぎる業務”に奮闘する、税関職員の“涙ぐましい努力”があるのだ。容疑者の体内から異物を発見 その“嫌すぎる手法”とは… 税関職員であるAさんが、日々の業務についてこう解説する。「外国人は、さまざまな手段で日本に麻薬や覚せい剤など違法物資を持ち込みます。それは例えば、土産物の仏像の中に仕込んだり、匂いの強い薬品の中に紛れ込ませたりもする。 しかしそれらは、麻薬探知犬や手荷物のX線検査で見抜かれることが多く、税関職員からすれば“可愛いもの”。税関職員にとって、最もイヤな業務の一つが、体内に禁止薬物を隠して持ち込んでくるケースなんです」 税関職員が空港などで不審な人物を見つけた場合、まず手荷物検査を行う。手荷物検査で異常がなかった場合、任意でのレントゲン撮影に応じてもらうようにする。しかし、不審者がそれに応じないとなれば令状を取得し、強制的にレントゲン撮影することとなる。「ここで異物が見つかれば、付き合いのある医療機関に連絡し、異物の取り出しの作業が可能か確認し、可能な医療機関が見つかれば容疑者の身柄を移します。 ここで問題なのが、“体内からの異物の取り出し方”なんです。医療機関で開腹手術などするわけにはいかないので、下剤などを処方してもらい、排便する形で異物を取り出すこととなる。税関職員は、この現場に立ち会わなければならないんです」“目の前で排便された汚物”を税関職員が何度も確認 トイレの外で「出たか?」と聞けばいいわけではない。逃走や隠匿の可能性を排すため、排出のまさにその瞬間をその目で確認しなければいけないのだ。「大柄の外国人が、税関職員に見守られながら排便するわけです。しかも税関職員は、その排泄物の中から異物を取り出さなければならない。他人の排泄物に触れ、臭いと感触を確かめながら異物がないかつぶさに探します。目を背けなくなるような作業を繰り返すんです。なぜなら、その異物が容疑者から出たもの(持ち込んだもの)と確認しなければなりませんから」(同前) また、排せつの過程などで、異物が破損し中身が体内に流出すれば容疑者の生命に関わるため、そうした対応も考慮しなければならない。「早朝から深夜まで、4日にわたって16回の排便」「チュクディ・ンワマジオブ容疑者の逮捕事例で言えば、4日にわたって16回の排便を通じて102個もの異物がでてきたと聞いています。容疑者の排便が早朝や深夜に行われるのであれば、それにも立ち会わなければならない。様々な税関業務がある中で、これほど過酷な業務はそうはありませんよ」(同前) 税関職員と言えば、財務省に所属する財務事務官(財務官僚)であり、様々な国家公務員の仕事がある中でも“花形”の一つだ。入省するのも難しい。そうしたエリート職員らによる口にするのも憚られるような努力の末、我々の日常は違法薬物から守られているのだ。 今後も外国人旅行者は増加していくことだろう。そこにある税関職員らの陰の活躍も忘れずにいたい。(李 ハンス/Webオリジナル(特集班))
外国人による“爆買い”も発生し、円安に伴い停滞していた景気にとっては好転する良材料となってはいるが、一方で外国人を受け入れることでリスクも増大している。
その一つが、薬物などの違法物資の流入である。
昨年10月20日にも、ロンドンのヒースロー空港からの航空機で羽田空港に降り立った外国人旅行者が逮捕されたことがあった。スペイン国籍のビクター・チュクディ・ンワマジオブ容疑者である。
チュクディ・ンワマジオブ容疑者は、入国手続きの際、手荷物検査場をすり抜けようとしたそうだが、検査員に引き留められ任意でのレントゲン検査を行う旨を伝えられたところ、これを拒否した。
「関税法に基づき、令状を取得すれば強制的にレントゲン撮影を行うことができるため、東京税関は令状を取って強制的にレントゲン撮影を行いました。容疑者の身柄は医療機関に移され、そこで検査したところ、容疑者の体内から粒状の異物が多数確認されたようです。後に容疑者の体内から取り出された100個を超える異物からは、末端価格で6000万円相当の覚せい剤が見つかっています」(別の社会部記者)
これだけを聞けば、「東京税関の検査員の鋭い嗅覚により不審な外国人が判明し、日本への覚せい剤密輸を未然に防いだ」という美談だ。しかし、違法物資の流入を水際で防ぐための税関職員の日々の業務は決してスマートではない。
そこには“過酷すぎる業務”に奮闘する、税関職員の“涙ぐましい努力”があるのだ。容疑者の体内から異物を発見 その“嫌すぎる手法”とは… 税関職員であるAさんが、日々の業務についてこう解説する。「外国人は、さまざまな手段で日本に麻薬や覚せい剤など違法物資を持ち込みます。それは例えば、土産物の仏像の中に仕込んだり、匂いの強い薬品の中に紛れ込ませたりもする。 しかしそれらは、麻薬探知犬や手荷物のX線検査で見抜かれることが多く、税関職員からすれば“可愛いもの”。税関職員にとって、最もイヤな業務の一つが、体内に禁止薬物を隠して持ち込んでくるケースなんです」 税関職員が空港などで不審な人物を見つけた場合、まず手荷物検査を行う。手荷物検査で異常がなかった場合、任意でのレントゲン撮影に応じてもらうようにする。しかし、不審者がそれに応じないとなれば令状を取得し、強制的にレントゲン撮影することとなる。「ここで異物が見つかれば、付き合いのある医療機関に連絡し、異物の取り出しの作業が可能か確認し、可能な医療機関が見つかれば容疑者の身柄を移します。 ここで問題なのが、“体内からの異物の取り出し方”なんです。医療機関で開腹手術などするわけにはいかないので、下剤などを処方してもらい、排便する形で異物を取り出すこととなる。税関職員は、この現場に立ち会わなければならないんです」“目の前で排便された汚物”を税関職員が何度も確認 トイレの外で「出たか?」と聞けばいいわけではない。逃走や隠匿の可能性を排すため、排出のまさにその瞬間をその目で確認しなければいけないのだ。「大柄の外国人が、税関職員に見守られながら排便するわけです。しかも税関職員は、その排泄物の中から異物を取り出さなければならない。他人の排泄物に触れ、臭いと感触を確かめながら異物がないかつぶさに探します。目を背けなくなるような作業を繰り返すんです。なぜなら、その異物が容疑者から出たもの(持ち込んだもの)と確認しなければなりませんから」(同前) また、排せつの過程などで、異物が破損し中身が体内に流出すれば容疑者の生命に関わるため、そうした対応も考慮しなければならない。「早朝から深夜まで、4日にわたって16回の排便」「チュクディ・ンワマジオブ容疑者の逮捕事例で言えば、4日にわたって16回の排便を通じて102個もの異物がでてきたと聞いています。容疑者の排便が早朝や深夜に行われるのであれば、それにも立ち会わなければならない。様々な税関業務がある中で、これほど過酷な業務はそうはありませんよ」(同前) 税関職員と言えば、財務省に所属する財務事務官(財務官僚)であり、様々な国家公務員の仕事がある中でも“花形”の一つだ。入省するのも難しい。そうしたエリート職員らによる口にするのも憚られるような努力の末、我々の日常は違法薬物から守られているのだ。 今後も外国人旅行者は増加していくことだろう。そこにある税関職員らの陰の活躍も忘れずにいたい。(李 ハンス/Webオリジナル(特集班))
そこには“過酷すぎる業務”に奮闘する、税関職員の“涙ぐましい努力”があるのだ。
税関職員であるAさんが、日々の業務についてこう解説する。
「外国人は、さまざまな手段で日本に麻薬や覚せい剤など違法物資を持ち込みます。それは例えば、土産物の仏像の中に仕込んだり、匂いの強い薬品の中に紛れ込ませたりもする。
しかしそれらは、麻薬探知犬や手荷物のX線検査で見抜かれることが多く、税関職員からすれば“可愛いもの”。税関職員にとって、最もイヤな業務の一つが、体内に禁止薬物を隠して持ち込んでくるケースなんです」
税関職員が空港などで不審な人物を見つけた場合、まず手荷物検査を行う。手荷物検査で異常がなかった場合、任意でのレントゲン撮影に応じてもらうようにする。しかし、不審者がそれに応じないとなれば令状を取得し、強制的にレントゲン撮影することとなる。「ここで異物が見つかれば、付き合いのある医療機関に連絡し、異物の取り出しの作業が可能か確認し、可能な医療機関が見つかれば容疑者の身柄を移します。 ここで問題なのが、“体内からの異物の取り出し方”なんです。医療機関で開腹手術などするわけにはいかないので、下剤などを処方してもらい、排便する形で異物を取り出すこととなる。税関職員は、この現場に立ち会わなければならないんです」“目の前で排便された汚物”を税関職員が何度も確認 トイレの外で「出たか?」と聞けばいいわけではない。逃走や隠匿の可能性を排すため、排出のまさにその瞬間をその目で確認しなければいけないのだ。「大柄の外国人が、税関職員に見守られながら排便するわけです。しかも税関職員は、その排泄物の中から異物を取り出さなければならない。他人の排泄物に触れ、臭いと感触を確かめながら異物がないかつぶさに探します。目を背けなくなるような作業を繰り返すんです。なぜなら、その異物が容疑者から出たもの(持ち込んだもの)と確認しなければなりませんから」(同前) また、排せつの過程などで、異物が破損し中身が体内に流出すれば容疑者の生命に関わるため、そうした対応も考慮しなければならない。「早朝から深夜まで、4日にわたって16回の排便」「チュクディ・ンワマジオブ容疑者の逮捕事例で言えば、4日にわたって16回の排便を通じて102個もの異物がでてきたと聞いています。容疑者の排便が早朝や深夜に行われるのであれば、それにも立ち会わなければならない。様々な税関業務がある中で、これほど過酷な業務はそうはありませんよ」(同前) 税関職員と言えば、財務省に所属する財務事務官(財務官僚)であり、様々な国家公務員の仕事がある中でも“花形”の一つだ。入省するのも難しい。そうしたエリート職員らによる口にするのも憚られるような努力の末、我々の日常は違法薬物から守られているのだ。 今後も外国人旅行者は増加していくことだろう。そこにある税関職員らの陰の活躍も忘れずにいたい。(李 ハンス/Webオリジナル(特集班))
税関職員が空港などで不審な人物を見つけた場合、まず手荷物検査を行う。手荷物検査で異常がなかった場合、任意でのレントゲン撮影に応じてもらうようにする。しかし、不審者がそれに応じないとなれば令状を取得し、強制的にレントゲン撮影することとなる。
「ここで異物が見つかれば、付き合いのある医療機関に連絡し、異物の取り出しの作業が可能か確認し、可能な医療機関が見つかれば容疑者の身柄を移します。
ここで問題なのが、“体内からの異物の取り出し方”なんです。医療機関で開腹手術などするわけにはいかないので、下剤などを処方してもらい、排便する形で異物を取り出すこととなる。税関職員は、この現場に立ち会わなければならないんです」
トイレの外で「出たか?」と聞けばいいわけではない。逃走や隠匿の可能性を排すため、排出のまさにその瞬間をその目で確認しなければいけないのだ。
「大柄の外国人が、税関職員に見守られながら排便するわけです。しかも税関職員は、その排泄物の中から異物を取り出さなければならない。他人の排泄物に触れ、臭いと感触を確かめながら異物がないかつぶさに探します。目を背けなくなるような作業を繰り返すんです。なぜなら、その異物が容疑者から出たもの(持ち込んだもの)と確認しなければなりませんから」(同前)
また、排せつの過程などで、異物が破損し中身が体内に流出すれば容疑者の生命に関わるため、そうした対応も考慮しなければならない。
「早朝から深夜まで、4日にわたって16回の排便」「チュクディ・ンワマジオブ容疑者の逮捕事例で言えば、4日にわたって16回の排便を通じて102個もの異物がでてきたと聞いています。容疑者の排便が早朝や深夜に行われるのであれば、それにも立ち会わなければならない。様々な税関業務がある中で、これほど過酷な業務はそうはありませんよ」(同前) 税関職員と言えば、財務省に所属する財務事務官(財務官僚)であり、様々な国家公務員の仕事がある中でも“花形”の一つだ。入省するのも難しい。そうしたエリート職員らによる口にするのも憚られるような努力の末、我々の日常は違法薬物から守られているのだ。 今後も外国人旅行者は増加していくことだろう。そこにある税関職員らの陰の活躍も忘れずにいたい。(李 ハンス/Webオリジナル(特集班))
「チュクディ・ンワマジオブ容疑者の逮捕事例で言えば、4日にわたって16回の排便を通じて102個もの異物がでてきたと聞いています。容疑者の排便が早朝や深夜に行われるのであれば、それにも立ち会わなければならない。様々な税関業務がある中で、これほど過酷な業務はそうはありませんよ」(同前)
税関職員と言えば、財務省に所属する財務事務官(財務官僚)であり、様々な国家公務員の仕事がある中でも“花形”の一つだ。入省するのも難しい。そうしたエリート職員らによる口にするのも憚られるような努力の末、我々の日常は違法薬物から守られているのだ。
今後も外国人旅行者は増加していくことだろう。そこにある税関職員らの陰の活躍も忘れずにいたい。
(李 ハンス/Webオリジナル(特集班))

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