空き巣・強盗に狙われやすい家の特徴とは?「マーキング」されていませんか?家庭でできる防犯対策を紹介

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侵入強盗全体の数は2003年をピークに減少傾向にありますが、住宅を対象とした侵入強盗は、いったん減少に転じたものの、2022年には290件と約20%もう増加しているそうです。一人暮らしや留守が多い家庭の場合、注意しておきたいのが、空き巣や強盗です。今年1月に発生した東京都狛江市で起きた強盗殺人事件をきっかけに防犯意識を強く持つようになった人が増えており、防犯グッズの売れ行きも上がっているようです。空き巣や強盗に狙われやすい家には特徴があり、犯行の多い時間帯や手口にも傾向があるため、把握したうえで対策を立てておくのが有効です。この記事では、空き巣や強盗の傾向と対策、そして防犯に有効な警視庁のスマホアプリをご紹介します。
【写真】注意!空き巣・強盗被害の多い時間帯* * * * * * *空き巣・強盗の被害に遭いやすいのは?狙われやすい家の特徴空き巣や強盗は、侵入しやすく、逃げやすい家を選ぶ傾向があります。例えば、以下のような家は狙われやすいため注意が必要です。・周辺に人通りが少ない・高い塀に囲まれていたり、庭に樹木が多かったりと、死角が多い・幹線道路沿いや線路沿い、飛行場の近くなど、周囲に騒音が多い・マンションやアパートの低層階・外灯が少なく薄暗い被害の多い時間帯警視庁の発表した「令和3年の犯罪」によると、空き巣と強盗の発生時間の傾向は以下のようになっています。これによると、空き巣は夕方から夜にかけて発生しやすいことが分かります。この時間帯は、家の明かりの有無で留守か否かが判別しやすいことも関係していると考えられます。反対に、家に人がいる可能性の高い深夜から朝にかけては被害が少ないようです。一方、強盗の場合は空き巣と異なり、深夜に被害が多い結果となっています。また、人々が起床して活動を開始する朝の時間帯は狙われにくい傾向にあるようです。特に深夜における被害が多い強盗ですが、日中であっても警戒が必要です。なぜなら、宅配業者や点検業者などを装って侵入することもあるからです。今年1月に発生した狛江市の強盗殺人事件でも、犯人が午前11時半頃に宅配業者を装って侵入し、犯行に及んだことが分かっています。主な手口警視庁の調べによると、空き巣の際の侵入経路として最も多いのは、「窓」と「表出入口」です。表出入口の場合、「無締り(ドアや窓などに鍵をかけていない状態のこと)」を原因とする被害が圧倒的ですが、「合鍵」による侵入も多くあります。その場合は、ポストの中や植木鉢の下など、家の外に隠してある合鍵を使われてしまうというケースが多いようです。強盗の場合も同様で、「窓」と「表出入口」が最も選ばれやすい侵入経路です。空き巣と異なり合鍵を使用して侵入する例は少なく、多くが無締りの家を狙った犯行となっています。「アラ還・女性・単身・低収入で家は借りられる? 住むことは人生そのもの。今の自分が何を大事に思っているかが住まい選びに出る」はこちら空き巣・強盗の予兆「マーキング」「マーキング」って?空き巣犯や強盗犯は、犯行に及ぶ前に入念な下見を行う場合が多いようです。その際に把握した、家族構成や留守の時間、金目の物の有無といった情報を、ペンやシールなどを使ってその家のどこかに残します。これが「マーキング」です。単独犯が自分用のメモとして使うこともあれば、グループ犯が他の仲間に情報を共有するためにマーキングする場合もあるようです。(マーキングの例)・ドアノブや窓枠、表札などにキズをつける・ペンで文字や記号を記す・小さな色付きのシールを貼る・石を置く(マーキングされやすい場所)・ドア・ドアノブ・インターフォン・表札・郵便受け・電気メーター・ガスメーターマーキングかな?と思ったら…マーキングが疑われる何らかの印を見つけた場合は、念のためスマホなどで証拠写真を撮ってから、速やかに消すようにしましょう。空き巣・強盗を企てている人間は、マーキングした家の住民の対応をよく見ています。マーキングを消すことで、こちらが侵入を警戒していることが相手に伝わるため、ターゲットから外される可能性が高くなります。不安な場合は、最寄りの交番に相談するのも手です。見回り強化などの対応を取ってもらえる場合もあります。ドアと窓からの侵入を防ぐのが最優先先ほど、空き巣・強盗の侵入経路は「窓」と「表出入り口」だとお伝えしました。特に表出入り口については、無締りの家を狙った犯行が圧倒的ですので、ほんの短時間の外出であっても、欠かさず戸締りを行うことが重要です。そのほかにも、ドアと窓に防犯対策を行うことで、より被害に遭うリスクを減らすことができます。ドアの防犯対策・補助錠をつける1つのドアに錠が2つ以上ついていると、侵入に時間を要するため、犯行を諦めさせやすくなります。・ガードプレートを取りつけるガードプレートは、ドアとドアの隙間をふさぐためのプレートです。隙間にバールなどの工具を差し込まれてドア錠が破壊されたり、サムターン(ドアの内側についている、鍵の開け閉めをするためのつまみ)回しや針金などでこじ開けられたりするのを防ぎます。イメージ(写真提供:Photo AC)窓の防犯対策・補助錠をつけるドアと同様、窓のサッシに補助錠をつけることで侵入を防ぎます。クレセント錠(サッシに取りつけられている三日月のような半円形をした締め金具のこと)はロックつきのものにすると安心です。・防犯フィルムを貼る窓ガラスに貼ることで強度を高めます。防犯フィルムの貼られた窓を割ろうとすると何度も強打しなければならず、大きな破壊音を出し続けることになるため、侵入を諦めさせる効果があります。ホームセンターなどでも販売していますが、専門の施工業者に貼付してもらうのがおすすめです。「侵入しやすい家」だと思わせない無締りの家を狙った犯行が多いことから、戸締りについては特に注意する必要があります。ゴミ出しなどの短時間の外出でも欠かさず戸締りをするようにし、わずかな侵入の隙も作らないようにしましょう。日頃から心がけておきたいこと・戸締りをきちんとする ・合鍵を家の外に置かない・脚立やポリバケツなど、足場になるものを置かない・郵便受けに新聞を溜めない(長期の外出の際は止めるなどする)イメージ(写真提供:Photo AC)導入しておきたい防犯対策主な侵入経路であるドアと窓以外にも、以下のような防犯対策を施しておくと、さらに安心です。・玄関やベランダに防犯カメラを設置する。あわせて「防犯カメラ作動中」などと書かれたステッカーを目立つところに貼っておくとより効果的・センサーライトを設置する・軽く踏むだけで大きな音が出る防犯砂利を敷く「空き巣、押し売り、アポ電……ひとり暮らしでも狙われない知恵」はこちらもしも被害に遭ってしまったら…空き巣の場合帰宅した際に、玄関の鍵が壊されていたり、窓が割れていたり、外から見て家の中が荒らされているようであれば、空き巣に入られた可能性があります。まだ家の中に空き巣がいる可能性もあるため、違和感を覚えたら家の中には入らず、その場で速やかに110番通報してください。また、家の中にクレジットカードやキャッシュカードなどがあった場合、不正利用される恐れがありますので、ただちにカード停止の手続きを取るようにしましょう。その後、警察の指示に従って被害届や盗難届を提出します。強盗の場合家に強盗が入ってきた場合、逃げられる状況であれば外に出て助けを呼びます。逃げられない状況の場合は、抵抗せずに強盗の要求に従うことでケガなどのリスクを避けられる可能性があります。犯行中は相手の人相や服装をよく覚えておき、犯行後、すぐに110番通報しましょう。犯人の細かい情報を警察に伝えることができれば、速やかな逮捕につながります。警視庁の防犯アプリも検討を警視庁の防犯アプリに「Digi Police(デジポリス)」というものがあります。東京都内の犯罪発生情報や防犯情報を提供する防犯アプリです。女性や子どもに向けた防犯対策コンテンツや、特殊詐欺対策コンテンツを見られたり、痴漢撃退機能や防犯ブザー機能がついていたりと、都外に住む人でも使用メリットがあるため、日頃から防犯意識を高めておきたい人はインストールしておくとよいでしょう。
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空き巣や強盗は、侵入しやすく、逃げやすい家を選ぶ傾向があります。例えば、以下のような家は狙われやすいため注意が必要です。
・周辺に人通りが少ない
・高い塀に囲まれていたり、庭に樹木が多かったりと、死角が多い
・幹線道路沿いや線路沿い、飛行場の近くなど、周囲に騒音が多い
・マンションやアパートの低層階
・外灯が少なく薄暗い
警視庁の発表した「令和3年の犯罪」によると、空き巣と強盗の発生時間の傾向は以下のようになっています。
これによると、空き巣は夕方から夜にかけて発生しやすいことが分かります。この時間帯は、家の明かりの有無で留守か否かが判別しやすいことも関係していると考えられます。反対に、家に人がいる可能性の高い深夜から朝にかけては被害が少ないようです。
一方、強盗の場合は空き巣と異なり、深夜に被害が多い結果となっています。また、人々が起床して活動を開始する朝の時間帯は狙われにくい傾向にあるようです。
特に深夜における被害が多い強盗ですが、日中であっても警戒が必要です。なぜなら、宅配業者や点検業者などを装って侵入することもあるからです。今年1月に発生した狛江市の強盗殺人事件でも、犯人が午前11時半頃に宅配業者を装って侵入し、犯行に及んだことが分かっています。
警視庁の調べによると、空き巣の際の侵入経路として最も多いのは、「窓」と「表出入口」です。表出入口の場合、「無締り(ドアや窓などに鍵をかけていない状態のこと)」を原因とする被害が圧倒的ですが、「合鍵」による侵入も多くあります。その場合は、ポストの中や植木鉢の下など、家の外に隠してある合鍵を使われてしまうというケースが多いようです。
強盗の場合も同様で、「窓」と「表出入口」が最も選ばれやすい侵入経路です。空き巣と異なり合鍵を使用して侵入する例は少なく、多くが無締りの家を狙った犯行となっています。
「アラ還・女性・単身・低収入で家は借りられる? 住むことは人生そのもの。今の自分が何を大事に思っているかが住まい選びに出る」はこちら
空き巣犯や強盗犯は、犯行に及ぶ前に入念な下見を行う場合が多いようです。その際に把握した、家族構成や留守の時間、金目の物の有無といった情報を、ペンやシールなどを使ってその家のどこかに残します。これが「マーキング」です。
単独犯が自分用のメモとして使うこともあれば、グループ犯が他の仲間に情報を共有するためにマーキングする場合もあるようです。
(マーキングの例)
・ドアノブや窓枠、表札などにキズをつける
・ペンで文字や記号を記す
・小さな色付きのシールを貼る
・石を置く
(マーキングされやすい場所)
・ドア
・ドアノブ
・インターフォン
・表札
・郵便受け
・電気メーター
・ガスメーター
マーキングが疑われる何らかの印を見つけた場合は、念のためスマホなどで証拠写真を撮ってから、速やかに消すようにしましょう。
空き巣・強盗を企てている人間は、マーキングした家の住民の対応をよく見ています。マーキングを消すことで、こちらが侵入を警戒していることが相手に伝わるため、ターゲットから外される可能性が高くなります。
不安な場合は、最寄りの交番に相談するのも手です。見回り強化などの対応を取ってもらえる場合もあります。
先ほど、空き巣・強盗の侵入経路は「窓」と「表出入り口」だとお伝えしました。特に表出入り口については、無締りの家を狙った犯行が圧倒的ですので、ほんの短時間の外出であっても、欠かさず戸締りを行うことが重要です。
そのほかにも、ドアと窓に防犯対策を行うことで、より被害に遭うリスクを減らすことができます。
・補助錠をつける
1つのドアに錠が2つ以上ついていると、侵入に時間を要するため、犯行を諦めさせやすくなります。
・ガードプレートを取りつける
ガードプレートは、ドアとドアの隙間をふさぐためのプレートです。隙間にバールなどの工具を差し込まれてドア錠が破壊されたり、サムターン(ドアの内側についている、鍵の開け閉めをするためのつまみ)回しや針金などでこじ開けられたりするのを防ぎます。
イメージ(写真提供:Photo AC)
・補助錠をつける
ドアと同様、窓のサッシに補助錠をつけることで侵入を防ぎます。クレセント錠(サッシに取りつけられている三日月のような半円形をした締め金具のこと)はロックつきのものにすると安心です。
・防犯フィルムを貼る
窓ガラスに貼ることで強度を高めます。防犯フィルムの貼られた窓を割ろうとすると何度も強打しなければならず、大きな破壊音を出し続けることになるため、侵入を諦めさせる効果があります。ホームセンターなどでも販売していますが、専門の施工業者に貼付してもらうのがおすすめです。
無締りの家を狙った犯行が多いことから、戸締りについては特に注意する必要があります。ゴミ出しなどの短時間の外出でも欠かさず戸締りをするようにし、わずかな侵入の隙も作らないようにしましょう。
・戸締りをきちんとする
・合鍵を家の外に置かない
・脚立やポリバケツなど、足場になるものを置かない
・郵便受けに新聞を溜めない(長期の外出の際は止めるなどする)
イメージ(写真提供:Photo AC)
主な侵入経路であるドアと窓以外にも、以下のような防犯対策を施しておくと、さらに安心です。
・玄関やベランダに防犯カメラを設置する。あわせて「防犯カメラ作動中」などと書かれたステッカーを目立つところに貼っておくとより効果的
・センサーライトを設置する
・軽く踏むだけで大きな音が出る防犯砂利を敷く
「空き巣、押し売り、アポ電……ひとり暮らしでも狙われない知恵」はこちら
帰宅した際に、玄関の鍵が壊されていたり、窓が割れていたり、外から見て家の中が荒らされているようであれば、空き巣に入られた可能性があります。まだ家の中に空き巣がいる可能性もあるため、違和感を覚えたら家の中には入らず、その場で速やかに110番通報してください。
また、家の中にクレジットカードやキャッシュカードなどがあった場合、不正利用される恐れがありますので、ただちにカード停止の手続きを取るようにしましょう。
その後、警察の指示に従って被害届や盗難届を提出します。
家に強盗が入ってきた場合、逃げられる状況であれば外に出て助けを呼びます。逃げられない状況の場合は、抵抗せずに強盗の要求に従うことでケガなどのリスクを避けられる可能性があります。
犯行中は相手の人相や服装をよく覚えておき、犯行後、すぐに110番通報しましょう。犯人の細かい情報を警察に伝えることができれば、速やかな逮捕につながります。
警視庁の防犯アプリに「Digi Police(デジポリス)」というものがあります。東京都内の犯罪発生情報や防犯情報を提供する防犯アプリです。
女性や子どもに向けた防犯対策コンテンツや、特殊詐欺対策コンテンツを見られたり、痴漢撃退機能や防犯ブザー機能がついていたりと、都外に住む人でも使用メリットがあるため、日頃から防犯意識を高めておきたい人はインストールしておくとよいでしょう。

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