急成長の男性美容 顔を気にする男性が増えた一因は「リモートの普及」だった

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男が美容なんて…。そんな風に、男性が見た目のお手入れをすることに眉をひそめる人もいるかもしれません。しかし、時代は変わり、今では男性のスキンケアも、眉の手入れも、メイクだって、若い世代を中心に当たり前に受け入れられてきているようです。そして、コロナがこの傾向に拍車をかけたといいます。どういうことでしょうか。【写真を見る】急成長の男性美容 顔を気にする男性が増えた一因は「リモートの普及」だった「自分に自信」男性美容は見た目のためだけじゃない就職活動中の大学生Aさんは、高校の部活を引退して、自分の太眉が気になったのをきっかけに、眉の手入れをするため男性美容サロンに通うようになりました。初めは緊張したといいますが、その後はかかさず眉の手入れを続けています。男性美容は見た目だけでなく、内面にもいい影響を与えてくれると感じているといいます。

「男性美容をして、堂々と話ができるようになったと思います。自分の印象を変えるために、できるだけの努力、工夫をしていることは、自分の自信に繋がっていると思います」この日、Aさんは3か月ぶりにサロンを訪れました。いつもの眉で、とオーダーして、手入れをしていました。このサロンでは、どんな印象に変えたらいいかわからない人には、「目ヂカラ俳優」「理想の上司」「人気ホスト」「世界で最もハンサムな顔」など具体的ななりたい顔のイメージに合わせて眉の手入れをしてくれるといいます。しかし、このところ予約を取るのが難しくなっていると言います。「自分が通い始めたころは、このサロンも始まったばかりでした。でも、今はとても混んでます。すごく人気が高まってるのかなと思います」人気の高まりの背景には、コロナ禍で当たり前になったあの働き方がありました。コロナ禍で急増した男性美容の需要 背景にテレワークがAさんが通う男性美容の専門サロン『イケメン製作所』は、現在予約が1か月待ち。キャンセル待ちは、去年の3倍近くだといいます。3月13日にマスクが“個人の判断”になり、にわかに男性美容が注目されたのかと思われるかもしません。しかし、実は男性美容サロンは、マスク生活だったここ数年、急成長を続けています。イケメン製作所もコロナ禍の2022年5月に2号店を開きました。コロナの影響で人に会うことが減り、外ではマスク姿だったにもかかわらず、なぜこの時期に男性は見た目を気にするようになったのでしょうか。イケメン製作所・統括マネージャーの板川哲也さんは、もともと男性美容への機運が高まっているなかで、コロナ禍の“リモートワーク”増加が男性の意識を大きく変えたと分析します。「もともと、コロナ前から男性美容への注目は高まっていました。女性の社会進出が進み、ビジネスで上司や、商談相手が女性ということも増えて、男性がより身だしなみを気にするようになっていました。また、Z世代の男性は、女性と何ら変わらない高い美意識を持っている傾向があり、相対的に男性の美意識が押し上げられ、男性美容が広がってきていました。そんな男性美容の意識の高まりのなかで、コロナのため、リモートワークが増加したんです。人に会わないから、男性美容なんて必要ないと思われるかもしれませんが、実情は逆でした。オンライン会議で画面上に常に映った自分の顔を見る機会が増えたわけです。それをきっかけに、今一度自分を見直そうという男性が増え、美容への関心につながったのだとみています」コロナ禍における男性美容への意識の高まりは、民間のデータ(※1)でも示されています。メイクを始めた時期についてのアンケートによると「直近 2.3 か月以内」が 16.5%・「半年以内」が 18.0%・「1 年以内」が 19.0%・「3 年以内」が 19.0%と多く、コロナ禍(3年以内)にメイクを始めた男性の割合が72.5%と大きく伸びています。その理由として一番多かったのが「身だしなみとして」で全体の4割以上が回答しています。他にも「自信を持ちたかったから」が3割以上の人が回答しています。オンライン会議は、普段は見ることのない自分自身を見つめ続け、意識させる、鏡のような役割を果たしたようです。では、オンライン会議が減り、対面での作業が増えるだろうこれからも、男性美容の人気は続くのでしょうか。イケメン製作所の板川哲也さんは「一度高まった美意識が下がることは考えにくいので、今後も身だしなみへの意識の高まりは続くと思います」と話します。これからは、男性が美容なんて、などとは言ってはいられなくなるのかもしれません。※1生活者起点のリサーチ&マーケティング支援を行なうネオマーケティングが実施した「メンズメイクに関する調査」より(n=200人の16歳以上男性)
男が美容なんて…。そんな風に、男性が見た目のお手入れをすることに眉をひそめる人もいるかもしれません。しかし、時代は変わり、今では男性のスキンケアも、眉の手入れも、メイクだって、若い世代を中心に当たり前に受け入れられてきているようです。そして、コロナがこの傾向に拍車をかけたといいます。どういうことでしょうか。
【写真を見る】急成長の男性美容 顔を気にする男性が増えた一因は「リモートの普及」だった「自分に自信」男性美容は見た目のためだけじゃない就職活動中の大学生Aさんは、高校の部活を引退して、自分の太眉が気になったのをきっかけに、眉の手入れをするため男性美容サロンに通うようになりました。初めは緊張したといいますが、その後はかかさず眉の手入れを続けています。男性美容は見た目だけでなく、内面にもいい影響を与えてくれると感じているといいます。

「男性美容をして、堂々と話ができるようになったと思います。自分の印象を変えるために、できるだけの努力、工夫をしていることは、自分の自信に繋がっていると思います」この日、Aさんは3か月ぶりにサロンを訪れました。いつもの眉で、とオーダーして、手入れをしていました。このサロンでは、どんな印象に変えたらいいかわからない人には、「目ヂカラ俳優」「理想の上司」「人気ホスト」「世界で最もハンサムな顔」など具体的ななりたい顔のイメージに合わせて眉の手入れをしてくれるといいます。しかし、このところ予約を取るのが難しくなっていると言います。「自分が通い始めたころは、このサロンも始まったばかりでした。でも、今はとても混んでます。すごく人気が高まってるのかなと思います」人気の高まりの背景には、コロナ禍で当たり前になったあの働き方がありました。コロナ禍で急増した男性美容の需要 背景にテレワークがAさんが通う男性美容の専門サロン『イケメン製作所』は、現在予約が1か月待ち。キャンセル待ちは、去年の3倍近くだといいます。3月13日にマスクが“個人の判断”になり、にわかに男性美容が注目されたのかと思われるかもしません。しかし、実は男性美容サロンは、マスク生活だったここ数年、急成長を続けています。イケメン製作所もコロナ禍の2022年5月に2号店を開きました。コロナの影響で人に会うことが減り、外ではマスク姿だったにもかかわらず、なぜこの時期に男性は見た目を気にするようになったのでしょうか。イケメン製作所・統括マネージャーの板川哲也さんは、もともと男性美容への機運が高まっているなかで、コロナ禍の“リモートワーク”増加が男性の意識を大きく変えたと分析します。「もともと、コロナ前から男性美容への注目は高まっていました。女性の社会進出が進み、ビジネスで上司や、商談相手が女性ということも増えて、男性がより身だしなみを気にするようになっていました。また、Z世代の男性は、女性と何ら変わらない高い美意識を持っている傾向があり、相対的に男性の美意識が押し上げられ、男性美容が広がってきていました。そんな男性美容の意識の高まりのなかで、コロナのため、リモートワークが増加したんです。人に会わないから、男性美容なんて必要ないと思われるかもしれませんが、実情は逆でした。オンライン会議で画面上に常に映った自分の顔を見る機会が増えたわけです。それをきっかけに、今一度自分を見直そうという男性が増え、美容への関心につながったのだとみています」コロナ禍における男性美容への意識の高まりは、民間のデータ(※1)でも示されています。メイクを始めた時期についてのアンケートによると「直近 2.3 か月以内」が 16.5%・「半年以内」が 18.0%・「1 年以内」が 19.0%・「3 年以内」が 19.0%と多く、コロナ禍(3年以内)にメイクを始めた男性の割合が72.5%と大きく伸びています。その理由として一番多かったのが「身だしなみとして」で全体の4割以上が回答しています。他にも「自信を持ちたかったから」が3割以上の人が回答しています。オンライン会議は、普段は見ることのない自分自身を見つめ続け、意識させる、鏡のような役割を果たしたようです。では、オンライン会議が減り、対面での作業が増えるだろうこれからも、男性美容の人気は続くのでしょうか。イケメン製作所の板川哲也さんは「一度高まった美意識が下がることは考えにくいので、今後も身だしなみへの意識の高まりは続くと思います」と話します。これからは、男性が美容なんて、などとは言ってはいられなくなるのかもしれません。※1生活者起点のリサーチ&マーケティング支援を行なうネオマーケティングが実施した「メンズメイクに関する調査」より(n=200人の16歳以上男性)
就職活動中の大学生Aさんは、高校の部活を引退して、自分の太眉が気になったのをきっかけに、眉の手入れをするため男性美容サロンに通うようになりました。初めは緊張したといいますが、その後はかかさず眉の手入れを続けています。男性美容は見た目だけでなく、内面にもいい影響を与えてくれると感じているといいます。
「男性美容をして、堂々と話ができるようになったと思います。自分の印象を変えるために、できるだけの努力、工夫をしていることは、自分の自信に繋がっていると思います」
この日、Aさんは3か月ぶりにサロンを訪れました。いつもの眉で、とオーダーして、手入れをしていました。このサロンでは、どんな印象に変えたらいいかわからない人には、「目ヂカラ俳優」「理想の上司」「人気ホスト」「世界で最もハンサムな顔」など具体的ななりたい顔のイメージに合わせて眉の手入れをしてくれるといいます。
しかし、このところ予約を取るのが難しくなっていると言います。
「自分が通い始めたころは、このサロンも始まったばかりでした。でも、今はとても混んでます。すごく人気が高まってるのかなと思います」
人気の高まりの背景には、コロナ禍で当たり前になったあの働き方がありました。
Aさんが通う男性美容の専門サロン『イケメン製作所』は、現在予約が1か月待ち。キャンセル待ちは、去年の3倍近くだといいます。
3月13日にマスクが“個人の判断”になり、にわかに男性美容が注目されたのかと思われるかもしません。しかし、実は男性美容サロンは、マスク生活だったここ数年、急成長を続けています。イケメン製作所もコロナ禍の2022年5月に2号店を開きました。
コロナの影響で人に会うことが減り、外ではマスク姿だったにもかかわらず、なぜこの時期に男性は見た目を気にするようになったのでしょうか。イケメン製作所・統括マネージャーの板川哲也さんは、もともと男性美容への機運が高まっているなかで、コロナ禍の“リモートワーク”増加が男性の意識を大きく変えたと分析します。
「もともと、コロナ前から男性美容への注目は高まっていました。女性の社会進出が進み、ビジネスで上司や、商談相手が女性ということも増えて、男性がより身だしなみを気にするようになっていました。
また、Z世代の男性は、女性と何ら変わらない高い美意識を持っている傾向があり、相対的に男性の美意識が押し上げられ、男性美容が広がってきていました。
そんな男性美容の意識の高まりのなかで、コロナのため、リモートワークが増加したんです。人に会わないから、男性美容なんて必要ないと思われるかもしれませんが、実情は逆でした。オンライン会議で画面上に常に映った自分の顔を見る機会が増えたわけです。それをきっかけに、今一度自分を見直そうという男性が増え、美容への関心につながったのだとみています」
コロナ禍における男性美容への意識の高まりは、民間のデータ(※1)でも示されています。メイクを始めた時期についてのアンケートによると「直近 2.3 か月以内」が 16.5%・「半年以内」が 18.0%・「1 年以内」が 19.0%・「3 年以内」が 19.0%と多く、コロナ禍(3年以内)にメイクを始めた男性の割合が72.5%と大きく伸びています。
その理由として一番多かったのが「身だしなみとして」で全体の4割以上が回答しています。他にも「自信を持ちたかったから」が3割以上の人が回答しています。
オンライン会議は、普段は見ることのない自分自身を見つめ続け、意識させる、鏡のような役割を果たしたようです。
では、オンライン会議が減り、対面での作業が増えるだろうこれからも、男性美容の人気は続くのでしょうか。イケメン製作所の板川哲也さんは「一度高まった美意識が下がることは考えにくいので、今後も身だしなみへの意識の高まりは続くと思います」と話します。
※1生活者起点のリサーチ&マーケティング支援を行なうネオマーケティングが実施した「メンズメイクに関する調査」より(n=200人の16歳以上男性)

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