北海道の採卵鶏、2割超が殺処分 千歳で3例目鳥インフル「非常事態」

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北海道千歳市の養鶏場で死んだ鶏からA型鳥インフルエンザウイルスの陽性反応が確認された問題で、道は7日、高病原性とみられる鳥インフルエンザを遺伝子検査で確認したと発表し、約31万羽の殺処分を始めた。同市での発生は3月28日(約53万羽)、今月3日(約39万羽)に続き3例目。殺処分される採卵鶏は計約120万羽で、道内の飼育数(約526万羽)の2割以上を占める。
卵12個入りで550円?! ニワトリ飼う人や「密輸」も 道によると、同市の養鶏場で6日午前、鶏19羽が死んでいるのが見つかり、簡易検査を行ったところ、A型鳥インフルエンザウイルスの陽性反応が確認された。道は、半径3キロ以内の約12万羽を飼育する養鶏場での鶏や卵の移動を禁止▽半径3~10キロ圏内の計約49万羽を飼育する五つの養鶏場で域外への出荷を禁止――などの防疫対策を講じた。

今回の養鶏場は、鳥インフルエンザが発生したほかの二つの養鶏場から半径3キロ以内に位置する。道は二つの養鶏場の間で人や資材の往来がなかったことから、感染の可能性は低いとみている。発生場所が集中している理由について、道の担当者は渡り鳥の北上ルートと重なっていることを挙げた上で「世界規模で鳥インフルエンザが発生し、全道一円でもウイルス量が例年よりも高く、非常事態と認識している」と危機感を示した。 一方、卵の卸売価格は、ロシアによるウクライナ侵攻の影響でトウモロコシなどの飼料価格が高騰していることに加え、鳥インフルエンザの発生による殺処分で例年を大きく上回る水準で推移している。ホクレン農業協同組合連合会(札幌市)によると、卸売価格の目安となるMサイズ1キロ当たりの平均価格は札幌で、3月が345円と昨年同月比で145円上昇。7日の価格は360円でさらに値上がりしている。 道の担当者は「鳥インフルエンザは今シーズン、道内だけではなく、全国の養鶏場で過去最悪のペースで発生している。ヒナが成長するには時間がかかり、供給量が戻らないと価格は簡単に下がらない」と話している。【真貝恒平】
道によると、同市の養鶏場で6日午前、鶏19羽が死んでいるのが見つかり、簡易検査を行ったところ、A型鳥インフルエンザウイルスの陽性反応が確認された。道は、半径3キロ以内の約12万羽を飼育する養鶏場での鶏や卵の移動を禁止▽半径3~10キロ圏内の計約49万羽を飼育する五つの養鶏場で域外への出荷を禁止――などの防疫対策を講じた。
今回の養鶏場は、鳥インフルエンザが発生したほかの二つの養鶏場から半径3キロ以内に位置する。道は二つの養鶏場の間で人や資材の往来がなかったことから、感染の可能性は低いとみている。発生場所が集中している理由について、道の担当者は渡り鳥の北上ルートと重なっていることを挙げた上で「世界規模で鳥インフルエンザが発生し、全道一円でもウイルス量が例年よりも高く、非常事態と認識している」と危機感を示した。
一方、卵の卸売価格は、ロシアによるウクライナ侵攻の影響でトウモロコシなどの飼料価格が高騰していることに加え、鳥インフルエンザの発生による殺処分で例年を大きく上回る水準で推移している。ホクレン農業協同組合連合会(札幌市)によると、卸売価格の目安となるMサイズ1キロ当たりの平均価格は札幌で、3月が345円と昨年同月比で145円上昇。7日の価格は360円でさらに値上がりしている。
道の担当者は「鳥インフルエンザは今シーズン、道内だけではなく、全国の養鶏場で過去最悪のペースで発生している。ヒナが成長するには時間がかかり、供給量が戻らないと価格は簡単に下がらない」と話している。【真貝恒平】

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