福岡や佐賀で「硫黄の臭い」 火山ガスか、健康への心配なし

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福岡県や佐賀県で4日、大気中の二酸化硫黄の濃度が一時的に上昇し、ツイッターで「硫黄の臭い」を指摘する書き込みが相次いだ。福岡県が大気の流れを分析したところ、熊本県の阿蘇山や大分県の九重山付近を通過した大気が福岡県に流れ込んでいたことが分かり、県は「火山ガスが影響している可能性が否定できない」としている。
23年2月 阿蘇山、火山活動高まる 噴火警戒レベル引き上げ可能性も 福岡県などの観測データによると、二酸化硫黄の大気中濃度は4日午前10時ごろから上昇し、同日正午時点で福岡市博多区や同県太宰府市、篠栗町などで平常時の10~十数倍になった。佐賀県でも鳥栖市や基山町で一時的に上昇した。

濃度の上昇を受け福岡県が分析したところ、濃度が高かった時間帯の大気は阿蘇山や九重山付近を通過していた。県の担当者は「どの火山かは特定できないが、火山ガスの影響は否定できない」としたうえで「濃度は環境基準を大きく下回っており健康影響を心配するレベルではない」と話す。 福岡管区気象台によると、阿蘇山や九重山の火山活動に大きな変化はないが、上空の風などの条件が重なれば、日常的に出ている火山ガスが遠方に運ばれる可能性はあるという。 二酸化硫黄を巡っては2022年12月にも福岡県などで大気中の濃度が上昇した。県によると、当時は桜島がある南九州から大気が流れ込んでいた。 九州大応用力学研究所の竹村俊彦教授(気象学)は「前回は桜島からとみられるが、今回は阿蘇の方から二酸化硫黄が飛来してきた可能性がある。前回よりも濃度や範囲は限定的で、高気圧による下降気流で上空からゆっくり下降したのではないか」と話している。【平川昌範】
福岡県などの観測データによると、二酸化硫黄の大気中濃度は4日午前10時ごろから上昇し、同日正午時点で福岡市博多区や同県太宰府市、篠栗町などで平常時の10~十数倍になった。佐賀県でも鳥栖市や基山町で一時的に上昇した。
濃度の上昇を受け福岡県が分析したところ、濃度が高かった時間帯の大気は阿蘇山や九重山付近を通過していた。県の担当者は「どの火山かは特定できないが、火山ガスの影響は否定できない」としたうえで「濃度は環境基準を大きく下回っており健康影響を心配するレベルではない」と話す。
福岡管区気象台によると、阿蘇山や九重山の火山活動に大きな変化はないが、上空の風などの条件が重なれば、日常的に出ている火山ガスが遠方に運ばれる可能性はあるという。
二酸化硫黄を巡っては2022年12月にも福岡県などで大気中の濃度が上昇した。県によると、当時は桜島がある南九州から大気が流れ込んでいた。
九州大応用力学研究所の竹村俊彦教授(気象学)は「前回は桜島からとみられるが、今回は阿蘇の方から二酸化硫黄が飛来してきた可能性がある。前回よりも濃度や範囲は限定的で、高気圧による下降気流で上空からゆっくり下降したのではないか」と話している。【平川昌範】

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