鼻血が出たら「上を向く」「ティッシュを詰める」は間違い…理由と“正しい止め方”を学会に聞いた

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「上を向いて、鼻の上の方を押さえる」これは、鼻血が出た時の対処法として、広く知られているものなのではないだろうか?このように対処している人も、少なくないかもしれない。実は、この対処法は間違い。「一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会」によると、正しい対処法は「座って下を向き、小鼻を5分~10分、はさみ込むように押さえる」なのだという。この学会は2月18日にYouTubeに「鼻血の止め方」の動画を投稿、3月5日にはTwitterで同様の投稿をし、注意を呼び掛けている。

動画によると、鼻血が出たら、まず、座って、下を向く。そして、小鼻(鼻翼)を親指と人差し指ではさみ込むように押さえ、5~10分、圧迫を続ける。鼻血の多くは、この対処法で止めることができるとしている。下を向いて小鼻を押さえる時、洗面器などを準備し、口を開けて、ノドに流れてくる血を吐き出すのも大事。その理由は「血液が胃に溜まると吐き気が出る。血液はドロドロとした塊になるので、ノドに流れた血液や嘔吐物がノドに引っかかると、窒息の危険がある」と説明している。また、鼻血が出た時、「ティッシュを鼻に詰める」のはNG。「おすすめしない」としている。理由は「紙が硬いため、傷が擦れて大きくなることがあるから」。「何も詰めずに押さえるか、柔らかい脱脂綿などを使用する」ことをおすすめしている。鼻血の止め方として広く知られているのは、おそらく「上を向いて、鼻の上の方を押さえる」だが、なぜ、この方法は間違いなのだろうか?また、「首の後ろをトントンたたく」「鼻を冷やす」といった対処法を聞いたことがあるが、これらの方法で鼻血は止まるのか?日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会の担当者に“鼻血の正しい止め方”を聞いた。鼻の上は骨なので押さえても出血は止まらない――「鼻血の止め方」の注意喚起をする動画を投稿、ツイートをした理由は?「耳鼻咽喉科月間」の啓発の一貫として、動画を投稿しました。日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会のTwitterアカウント(@jibi_u) はフォロワーも多く、多くの方に知っていただくことに役立つと考えました。――「上を向いて、鼻の上の方を押さえる」が間違った対処法である理由は?上を向くと、血を飲み込みやすくなります。血を飲み込むと気分が悪くなり、嘔吐したりする場合もあります。血を飲み込みにくくするために下を向いていただきます。また、鼻の上は鼻骨と呼ばれる骨であり、そこを押さえても、鼻の出血は止まりません。鼻翼と呼ばれる鼻の膨らんでいる部分をしっかり圧迫することで、鼻の前方のよく出血が起こる部位(キーゼルバッハ部位といいます)を圧迫することができます。――「鼻血の正しい止め方」が浸透していない理由としては、どのようなことが考えられる?十分な啓発ができていないことが一番重要な点だと考えています。そのため、今回のような動画の投稿やツイートを行いました。「首の後ろトントン」は医学的な根拠に乏しい――鼻血が出た時の対処法として「首の後ろをトントンたたく」「鼻を冷やす」という方法を聞いたことがあるだが、これで鼻血は止まる?いずれの方法も医学的な根拠に乏しく、これによって鼻血が止まるということは考えにくいと思います。――間違った鼻血の止め方が広く伝わっていること、どのように受け止めている?十分な啓発ができておらず、残念です。今後とも、日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会では正しい知識を広めていきたいと考えています。多くの方にTwitterのフォローやYouTubeのチャンネル登録をしていただくことで、少しでも広がりやすくなるのではと期待しています。――「鼻血の正しい止め方」で、鼻血が止まらない場合はどうすればいい?耳鼻咽喉科などで、ご相談ください。鼻血が出た時の対処法として、広く知られている「上を向いて、鼻の上の方を押さえる」「ティッシュを鼻に詰める」は、実は間違った対処法。一方で、鼻血の正しい止め方である「座って下を向き、小鼻を5分~10分、はさみ込むように押さえる」は、あまり知られていない。今回の動画やツイートをきっかけに、鼻血の正しい止め方を知って対処してほしい。
「上を向いて、鼻の上の方を押さえる」
これは、鼻血が出た時の対処法として、広く知られているものなのではないだろうか?このように対処している人も、少なくないかもしれない。
実は、この対処法は間違い。
「一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会」によると、正しい対処法は「座って下を向き、小鼻を5分~10分、はさみ込むように押さえる」なのだという。
この学会は2月18日にYouTubeに「鼻血の止め方」の動画を投稿、3月5日にはTwitterで同様の投稿をし、注意を呼び掛けている。
動画によると、鼻血が出たら、まず、座って、下を向く。
そして、小鼻(鼻翼)を親指と人差し指ではさみ込むように押さえ、5~10分、圧迫を続ける。
鼻血の多くは、この対処法で止めることができるとしている。
下を向いて小鼻を押さえる時、洗面器などを準備し、口を開けて、ノドに流れてくる血を吐き出すのも大事。
その理由は「血液が胃に溜まると吐き気が出る。血液はドロドロとした塊になるので、ノドに流れた血液や嘔吐物がノドに引っかかると、窒息の危険がある」と説明している。
また、鼻血が出た時、「ティッシュを鼻に詰める」のはNG。「おすすめしない」としている。
理由は「紙が硬いため、傷が擦れて大きくなることがあるから」。
「何も詰めずに押さえるか、柔らかい脱脂綿などを使用する」ことをおすすめしている。
鼻血の止め方として広く知られているのは、おそらく「上を向いて、鼻の上の方を押さえる」だが、なぜ、この方法は間違いなのだろうか?
また、「首の後ろをトントンたたく」「鼻を冷やす」といった対処法を聞いたことがあるが、これらの方法で鼻血は止まるのか?
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会の担当者に“鼻血の正しい止め方”を聞いた。
――「鼻血の止め方」の注意喚起をする動画を投稿、ツイートをした理由は?
「耳鼻咽喉科月間」の啓発の一貫として、動画を投稿しました。
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会のTwitterアカウント(@jibi_u) はフォロワーも多く、多くの方に知っていただくことに役立つと考えました。
――「上を向いて、鼻の上の方を押さえる」が間違った対処法である理由は?
上を向くと、血を飲み込みやすくなります。血を飲み込むと気分が悪くなり、嘔吐したりする場合もあります。血を飲み込みにくくするために下を向いていただきます。
また、鼻の上は鼻骨と呼ばれる骨であり、そこを押さえても、鼻の出血は止まりません。鼻翼と呼ばれる鼻の膨らんでいる部分をしっかり圧迫することで、鼻の前方のよく出血が起こる部位(キーゼルバッハ部位といいます)を圧迫することができます。
――「鼻血の正しい止め方」が浸透していない理由としては、どのようなことが考えられる?
十分な啓発ができていないことが一番重要な点だと考えています。そのため、今回のような動画の投稿やツイートを行いました。
――鼻血が出た時の対処法として「首の後ろをトントンたたく」「鼻を冷やす」という方法を聞いたことがあるだが、これで鼻血は止まる?
いずれの方法も医学的な根拠に乏しく、これによって鼻血が止まるということは考えにくいと思います。
――間違った鼻血の止め方が広く伝わっていること、どのように受け止めている?
十分な啓発ができておらず、残念です。
今後とも、日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会では正しい知識を広めていきたいと考えています。多くの方にTwitterのフォローやYouTubeのチャンネル登録をしていただくことで、少しでも広がりやすくなるのではと期待しています。
――「鼻血の正しい止め方」で、鼻血が止まらない場合はどうすればいい?
耳鼻咽喉科などで、ご相談ください。
鼻血が出た時の対処法として、広く知られている「上を向いて、鼻の上の方を押さえる」「ティッシュを鼻に詰める」は、実は間違った対処法。

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