「髪形の規則で議論に」 生徒の隔離、欧米メディアも報道

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兵庫県立高校の卒業式で、黒人の伝統的な髪形にした生徒が隔離された問題は、欧米のメディアでも報じられた。
【写真で見る】生徒の普段の髪形と編み込み姿 英紙「ガーディアン」は3月30日、「日本の学校が髪形の規則で議論を巻き起こしている」と題して報道。生徒が毎日新聞の取材に「『おまえの特別な日じゃない』と言われているようで悔しかった」と話したことなどを引用した。大阪の私立高校の頭髪検査を巡り、大阪弁護士会が人権侵害があったとして改善を勧告したことや、各地の学校で校則の見直しが進んでいることにも言及した。

米国のウェブメディアも「日本の学校は、生徒の個人主義よりも学校全体のイメージを重視している」とする専門家の見方とともに紹介した。増える海外ルーツの子、米国では差別禁止法も 生徒の父は米ニューヨーク出身の研究者。母は日本人で、米国を訪れた際に父と知り合い結婚した。生徒は中国生まれで日米の二重国籍。海外と日本を行き来しながら育ち、2018年からは母親や兄弟とともに日本で暮らす。 父親は「編み込みは黒人が髪を整える方法で、日本人が分け目を作って髪を整えるのと同じ。ルーツとする髪形を理由なく違反と決めつけることは差別ではないか」と批判する。 海外にルーツを持つ子どもは増えている。厚生労働省の人口動態統計によると、20年に日本で生まれた子どものうち、両親またはどちらか一方が外国人である割合は24人に1人(4・1%)に上る。法務省の在留外国人統計によると、日本で暮らす外国人は21年12月末時点で276万人で、約30年で2・5倍になった。 米国では、髪による差別を禁じる「クラウン(CROWN)法」が広がっている。職場や学校で、黒人が髪形や髪質を理由に不当な目に遭ってきた歴史から生まれた運動がきっかけだ。 同法は「Creating a Respectful and Open World for Natural Hair(地毛を尊重する開かれた世界を作る)」の頭文字。19年のカリフォルニア州を皮切りに、ニュージャージーやコネティカットなど多くの州で同等の法律が制定されている。 日本でも頭髪をはじめとする不条理な校則を見直す動きが出ている。 大阪府立高校の女子生徒が17年、生まれつき茶色の髪を黒く染めるよう強要されたと訴えた問題などが発端だ。ツーブロックやポニーテールの禁止、地毛証明書の提出、下着の色指定などが問題視されてきた。 文部科学省は21年6月、「校則は児童生徒の実情や社会常識、時代の進展などを踏まえたものになっているか、絶えず積極的に見直さなければならない」と都道府県の教育委員会に通知した。【幸長由子】
英紙「ガーディアン」は3月30日、「日本の学校が髪形の規則で議論を巻き起こしている」と題して報道。生徒が毎日新聞の取材に「『おまえの特別な日じゃない』と言われているようで悔しかった」と話したことなどを引用した。大阪の私立高校の頭髪検査を巡り、大阪弁護士会が人権侵害があったとして改善を勧告したことや、各地の学校で校則の見直しが進んでいることにも言及した。
米国のウェブメディアも「日本の学校は、生徒の個人主義よりも学校全体のイメージを重視している」とする専門家の見方とともに紹介した。
増える海外ルーツの子、米国では差別禁止法も
生徒の父は米ニューヨーク出身の研究者。母は日本人で、米国を訪れた際に父と知り合い結婚した。生徒は中国生まれで日米の二重国籍。海外と日本を行き来しながら育ち、2018年からは母親や兄弟とともに日本で暮らす。
父親は「編み込みは黒人が髪を整える方法で、日本人が分け目を作って髪を整えるのと同じ。ルーツとする髪形を理由なく違反と決めつけることは差別ではないか」と批判する。
海外にルーツを持つ子どもは増えている。厚生労働省の人口動態統計によると、20年に日本で生まれた子どものうち、両親またはどちらか一方が外国人である割合は24人に1人(4・1%)に上る。法務省の在留外国人統計によると、日本で暮らす外国人は21年12月末時点で276万人で、約30年で2・5倍になった。
米国では、髪による差別を禁じる「クラウン(CROWN)法」が広がっている。職場や学校で、黒人が髪形や髪質を理由に不当な目に遭ってきた歴史から生まれた運動がきっかけだ。
同法は「Creating a Respectful and Open World for Natural Hair(地毛を尊重する開かれた世界を作る)」の頭文字。19年のカリフォルニア州を皮切りに、ニュージャージーやコネティカットなど多くの州で同等の法律が制定されている。
日本でも頭髪をはじめとする不条理な校則を見直す動きが出ている。
大阪府立高校の女子生徒が17年、生まれつき茶色の髪を黒く染めるよう強要されたと訴えた問題などが発端だ。ツーブロックやポニーテールの禁止、地毛証明書の提出、下着の色指定などが問題視されてきた。
文部科学省は21年6月、「校則は児童生徒の実情や社会常識、時代の進展などを踏まえたものになっているか、絶えず積極的に見直さなければならない」と都道府県の教育委員会に通知した。【幸長由子】

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