天下りポストに「14年間」居座った元農水次官がついに退任…でも日本の漁業がヤバい理由

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一般社団法人「大日本水産会」の白須敏朗会長が6月にも退任する見通しだ。白須氏は農林水産事務次官退任後、14年にわたって同会長に居座り、霞が関で顰蹙を買っていた。後任には枝元真徹・前農水事務次官の就任が有力視されている。
大日本水産会は水産業の振興を目的に1882年に設立された、500余りの水産関連団体からなる組織。会長職は農水次官経験者の「天下りポスト」となっている。
白須氏は’08年、基準値を上回る農薬で汚染された事故米の不正転売事件の責任を取るため、就任1年で農水次官を辞任。ところが、官僚の天下り斡旋全面禁止を掲げる民主党政権が発足する直前の’09年9月、滑り込みで天下って復権を果たした。
魚離れや水産物の不漁の深刻化で、水産業界の改革は待ったなし。だが白須氏は「いかに役所から予算を分捕るかしか考えていない」(農水省キャリア)と評される。コロナ禍で巨額支援が定着した近年は、予算要求の圧力をさらに強めていた。
Photo by iStock(画像はイメージです)
元官僚が一つの天下り先に10年以上在籍することは極めて異例のため、かねて白須氏の進退は注目されていた。ある業界関係者は、その心中を「次官を1年でクビにされたから、長くやって当然と思っている」と語る。昨年5月に瑞宝重光章を受章して、ようやく満足したとも囁かれる。後任となる見込みの枝元氏は「水産庁で勤務経験があり水産業への理解は深いが、改革志向ではない」(元農水省幹部)。水産業の衰退には歯止めがかかりそうにない。「週刊現代」2023年4月1・8日号より
元官僚が一つの天下り先に10年以上在籍することは極めて異例のため、かねて白須氏の進退は注目されていた。ある業界関係者は、その心中を「次官を1年でクビにされたから、長くやって当然と思っている」と語る。昨年5月に瑞宝重光章を受章して、ようやく満足したとも囁かれる。
後任となる見込みの枝元氏は「水産庁で勤務経験があり水産業への理解は深いが、改革志向ではない」(元農水省幹部)。水産業の衰退には歯止めがかかりそうにない。
「週刊現代」2023年4月1・8日号より

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