叔母重体から3カ月後、被告が不動産会社を継承 タリウム大学生殺害

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京都市北区の立命館大3年だった浜野日菜子さん(当時21歳)が毒性の強いタリウムの摂取で死亡した事件で、殺人罪で起訴された宮本一希被告(37)が3年前、意識不明の重体になった叔母(61)の不動産会社を引き継いでいたことが捜査関係者への取材で明らかになった。叔母は、体調急変時に医療機関で採取された血液からタリウムが検出されたことも判明した。
タリウム大学生殺害 被告の叔母の血液からも検出 大阪府警は叔母も何者かにタリウムを摂取させられた可能性があるとみて詳しい経緯を調べている。

捜査関係者や法人登記簿によると、叔母は宮本被告の父親の妹で、京都市中京区の不動産会社の代表だった。市内でイベント企画会社を経営していた宮本被告は2020年10月、この不動産会社の代表も兼務する形で会社を引き継いだ。 府警が宮本被告の逮捕前に周辺の捜査を進めたところ、被告と同じ京都市内で暮らしていた叔母はこの約3カ月前の7月中旬、頭痛を突然訴えて医療機関を受診。この数日後の20日に体調が急変し、市内の病院に搬送されていた。 叔母は急激な血圧上昇で脳に障害が生じたとされ、現在も入院中で回復が見込めない重篤な状況が続いている。当時は原因が分からなかったが、府警が病院に保管されていた当時の血液を鑑定した結果、タリウムが検出されたことが分かった。 毒性学の専門家によると、毒劇物取締法で化合物の硫酸タリウムなどが劇物に指定され、致死量はわずか1グラム程度とされる。無味無臭で、摂取すると早ければ数時間後にめまいや嘔吐(おうと)の症状が表れ、神経障害などに伴う呼吸不全も引き起こす。ネズミを駆除する殺そ剤として手に入りやすい時期もあったが、現在は薬局などでの取り扱いはほぼない。 一方、宮本被告は22年10月12日、浜野さんの自宅マンションで、タリウム化合物を浜野さんに摂取させたとされる。浜野さんは重度の呼吸不全に陥り、搬送先の大阪市内の病院で同15日に死亡。入院中に採取された尿や吐しゃ物から致死量を超えるタリウムが検出されたことが分かっている。 浜野さんはアルバイト先で、イベント企画会社代表の宮本被告と知り合ったとみられる。府警は宮本被告と接点を持つ無関係の2人から、一般的に入手困難なタリウムが相次いで検出された共通点に注目して慎重に捜査を進めている。 宮本被告は浜野さん殺害容疑で3日に逮捕されて以降、捜査当局の取り調べに黙秘を続けているという。【郡悠介、洪香】
大阪府警は叔母も何者かにタリウムを摂取させられた可能性があるとみて詳しい経緯を調べている。
捜査関係者や法人登記簿によると、叔母は宮本被告の父親の妹で、京都市中京区の不動産会社の代表だった。市内でイベント企画会社を経営していた宮本被告は2020年10月、この不動産会社の代表も兼務する形で会社を引き継いだ。
府警が宮本被告の逮捕前に周辺の捜査を進めたところ、被告と同じ京都市内で暮らしていた叔母はこの約3カ月前の7月中旬、頭痛を突然訴えて医療機関を受診。この数日後の20日に体調が急変し、市内の病院に搬送されていた。
叔母は急激な血圧上昇で脳に障害が生じたとされ、現在も入院中で回復が見込めない重篤な状況が続いている。当時は原因が分からなかったが、府警が病院に保管されていた当時の血液を鑑定した結果、タリウムが検出されたことが分かった。
毒性学の専門家によると、毒劇物取締法で化合物の硫酸タリウムなどが劇物に指定され、致死量はわずか1グラム程度とされる。無味無臭で、摂取すると早ければ数時間後にめまいや嘔吐(おうと)の症状が表れ、神経障害などに伴う呼吸不全も引き起こす。ネズミを駆除する殺そ剤として手に入りやすい時期もあったが、現在は薬局などでの取り扱いはほぼない。
一方、宮本被告は22年10月12日、浜野さんの自宅マンションで、タリウム化合物を浜野さんに摂取させたとされる。浜野さんは重度の呼吸不全に陥り、搬送先の大阪市内の病院で同15日に死亡。入院中に採取された尿や吐しゃ物から致死量を超えるタリウムが検出されたことが分かっている。
浜野さんはアルバイト先で、イベント企画会社代表の宮本被告と知り合ったとみられる。府警は宮本被告と接点を持つ無関係の2人から、一般的に入手困難なタリウムが相次いで検出された共通点に注目して慎重に捜査を進めている。
宮本被告は浜野さん殺害容疑で3日に逮捕されて以降、捜査当局の取り調べに黙秘を続けているという。【郡悠介、洪香】

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