元アイドル田中聖被告に実刑判決 薬物判決9日後に再び覚醒剤事件で逮捕 千葉地裁支部「薬物と親和性」

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薬物事件で有罪判決を受けた9日後に、また覚醒剤事件で逮捕・起訴された、元アイドルの田中聖被告(36)の裁判が、午後2時から開かれた。千葉地裁松戸支部は、田中被告に対して懲役1年4カ月の実刑を言い渡した(求刑・懲役2年)。
田中被告は、去年6月29日、千葉県柏市の柏駅で覚醒剤を所持していたところを現行犯逮捕された。パトロール中の警察官に対して、目をそらすなど不審な態度をとったことから、職務質問を受けたところ、覚醒剤が見つかったという。
さらに、尿鑑定の結果、覚醒剤の陽性反応が出たため、覚醒剤使用の疑いで再逮捕された(覚醒剤所持と使用の罪で起訴)。
田中被告をめぐっては、去年1月、名古屋市のホテルで覚醒剤を所持するなどして逮捕・起訴され、6月20日、名古屋地裁で、懲役1年8カ月・執行猶予3年の判決を言い渡されていた。この判決の9日後に、再び、薬物事件で逮捕されたことになる。
千葉事件について、田中被告は起訴内容を認めている。被告人質問では、再び覚醒剤を使用した動機について、「社会復帰を目指していたのですが、ネットなどで覚えのない記事が出され、多くの誹謗中傷があり、それによる不安やストレスからです」と述べていた。
今月2日に行われた論告で、検察側は、「執行猶予付き判決の2日後には、薬物の使用を再開している。常習性は顕著で、再犯の恐れは大きい。厳重な処罰が不可欠」と強調し、懲役2年を求刑した
一方、弁護側は、名古屋事件で控訴しているため、判決が確定していないと指摘。その上で、「推定無罪の原則から、被告は罪を犯していない人として扱わなければいけない。将来への不安から覚せい剤を使用したもので、嗜好とは異なる。薬物依存から脱却する意思は強固で、再犯の恐れはない」と主張して、執行猶予付きの判決を求めていた。
名古屋事件の判決が確定していないことで、田中被告が「初犯」なのか、「再犯」なのか、どちらで扱われるべきかが、裁判の争点となっていた。
きょうの判決で千葉地裁松戸支部は、「執行猶予期間中にかかわらず、10日足らずで、薬物への親和的動機から犯行に及んでいる。言い分があるとしても、相応の責任があり、非難に値する」と指摘して、懲役1年4カ月の実刑を言い渡した。法廷で田中被告は、微動だにせず、判決の読み上げを聞いていた。

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