老舗旅館で基準値3700倍の菌検出 「温泉教授」が説く注意ポイント

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福岡県筑紫野市の老舗旅館「二日市温泉 大丸別荘」で、大浴場の湯が年2回しか換えられていなかったことが発覚した。この温泉も含め、国内外4000カ所に入浴し、「温泉教授」の愛称で知られる札幌国際大元教授の松田忠徳さん(73)に利用者が衛生面で注意すべきポイントなどを聞いた。【安藤龍朗】
福岡の老舗旅館、湯の交換は年2回だけ 基準の3700倍の菌 「庭園が美しく、品のある旅館。名門だからこそ誇りを守るために、管理を徹底してほしかった。非常に残念です」

小型キャンピングカーで日本を縦断し、大丸別荘にも数回、訪れたことがあるという松田さん。最低週1回の交換が求められている循環型の湯を年2回しか換えておらず、基準値の最大3700倍のレジオネラ属菌が検出されたことを知り、胸が締め付けられるような気持ちになったという。 レジオネラ属菌対策では、消毒用の塩素系薬剤の投入が挙げられる。松田さんは「薬剤を使っているから大丈夫というわけではありません。お湯を抜いて、浴槽の清掃を徹底することが大切です」と説く。 各地のレジオネラ属菌検出のニュースを長年フォローしており、「源泉かけ流しの施設よりも、薬剤を使用する循環型の施設の方が、むしろレジオネラ属菌が検出されている事例が多い印象です」と語る。 自治体によって異なるが、浴槽のお湯は1日1回以上、循環型施設でも週に1回以上は交換するよう条例で定めているところが多いという。 松田さんは、利用者が安心して温泉につかるためには、事前確認が大切だとする。循環設備の有無、レジオネラ属菌の検査の実施日と結果が、脱衣場などに掲示されており、判断材料になるという。「施設に電話などで確認する利用者が増えれば、施設側の意識を高める効果もあります」 北海道・洞爺湖温泉が産湯だったという松田さんは、温泉施設でレジオネラ属菌検出が撲滅できない現状に危機感を覚えている。「日本は世界に冠たる温泉大国です。新型コロナウイルス禍が過ぎて外国人観光客が戻ってくる時に向けて、行政も含めてしっかり対策を取っていくべきではないでしょうか」と話す。
「庭園が美しく、品のある旅館。名門だからこそ誇りを守るために、管理を徹底してほしかった。非常に残念です」
小型キャンピングカーで日本を縦断し、大丸別荘にも数回、訪れたことがあるという松田さん。最低週1回の交換が求められている循環型の湯を年2回しか換えておらず、基準値の最大3700倍のレジオネラ属菌が検出されたことを知り、胸が締め付けられるような気持ちになったという。
レジオネラ属菌対策では、消毒用の塩素系薬剤の投入が挙げられる。松田さんは「薬剤を使っているから大丈夫というわけではありません。お湯を抜いて、浴槽の清掃を徹底することが大切です」と説く。
各地のレジオネラ属菌検出のニュースを長年フォローしており、「源泉かけ流しの施設よりも、薬剤を使用する循環型の施設の方が、むしろレジオネラ属菌が検出されている事例が多い印象です」と語る。
自治体によって異なるが、浴槽のお湯は1日1回以上、循環型施設でも週に1回以上は交換するよう条例で定めているところが多いという。
松田さんは、利用者が安心して温泉につかるためには、事前確認が大切だとする。循環設備の有無、レジオネラ属菌の検査の実施日と結果が、脱衣場などに掲示されており、判断材料になるという。「施設に電話などで確認する利用者が増えれば、施設側の意識を高める効果もあります」
北海道・洞爺湖温泉が産湯だったという松田さんは、温泉施設でレジオネラ属菌検出が撲滅できない現状に危機感を覚えている。「日本は世界に冠たる温泉大国です。新型コロナウイルス禍が過ぎて外国人観光客が戻ってくる時に向けて、行政も含めてしっかり対策を取っていくべきではないでしょうか」と話す。

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