葬儀業者が“ケチった”せいでご遺体から出血が止まらない…火葬場職員が見た「ヤバい業者」の実態

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これまでに1万人のご遺体を見送った下駄華緒さんが火葬場職員時代の体験を明かし、注目を集めているYouTubeチャンネル「火葬場奇談」。その壮絶な体験は「最期の火を灯す者 火葬場で働く僕の日常」(原案:下駄華緒/漫画:蓮古田二郎)として漫画化され、話題を集めている。
寄せられた反響について下駄華緒さんはこう話す。
「感想もそうなのですが、思っていた以上に感謝の声が多くてびっくりしました。1番数が多く頂いたのは、本を読んでから自分の親族のお骨あげに行かれた方が、その時の記憶が鮮明に残り良かったというお声です。今まで何も知らずに行った時は、なかなか記憶に残らなかったそうですが、本で知識を得てから行かれたお骨あげは『記憶に残る』ということです」
前編【ご遺体から出血が止まらず、枢の外まで流れ出て…火葬場職員が思わず仰天した壮絶な経験】では、出血が止まらなくなってしまったご遺体のエピソードを取り上げた。その根本原因は病院での不適切な処置にあったのだが、それだけではなかった――。
『最期の火を灯す者 火葬場で働く僕の日常 (2) 』(竹書房)
ケチな葬儀業者のせいで…心臓に疾患を抱えた人が胸に埋め込むペースメーカーだが、火葬すると轟音とともに爆発するため、亡くなった後にご遺体から取り除いてくれる病院もある。しかしその後の縫合が不十分だと、ご遺体から血が流れ出てしまうこともあるのだ。下駄華緒さんが勤める火葬場に運ばれてきてのも、そのようなご遺体だった。しかし、血が流れ出てしまった原因はそれだけではない。なんと葬儀業者が、枢に入れるべきドライアイスを“ケチった”ことも理由の一つだという。たいていの場合、枢には15kgほどのドライアイスを入れるという。もちろんご遺体を冷やして腐乱を防止するのが目的だが、同時にご遺体を凍結させて、死後に体内から体液が流れ出てしまうのを防ぐ意味もあるのだ。『最期の火を灯す者 火葬場で働く僕の日常 (2) 』より なんとそのご遺体から出血が止まらなかったのは、担当した葬儀業者が枢に入れるドライアイスを“ケチった”ためだったという。経費削減が目的だというが、ドライアイスの量を減らしても利益には大して影響がない。しかしこの業者の「手口」は、それだけではなかった。大型バスにたったの2人同じ葬儀業者がよく使うのが、「不必要な高額請求」という手口だ。「火葬場職員は、ご遺族様が乗っていらした車のサイズを見て準備を変更することがよくあります。たとえば大型バスでいらした場合、ご遺族様が大人数だと推測して追加で焼番台を用意するんです」(下駄さん)その日も下駄さんは駐車場に入ってくる大型バスを目にして、あらかじめ準備を変更しようとした。しかしそんな下駄さんを先輩職員が止める。『最期の火を灯す者 火葬場で働く僕の日常 (2) 』より よく見ると、数十人は乗れそうな大型バスから降りてきたのは、たった2人だけだったのだ。先輩職員によると、この手口は同じ葬儀業者の「常套手段」なのだという。参加者が数人の葬儀でも、不必要なほど大きなバスで火葬場まで送迎することで、わざと高額な車両代を遺族に請求しているのだ。『最期の火を灯す者 火葬場で働く僕の日常 (2) 』より故人との別れの場であるはずの葬儀。ほとんどの葬儀業者は、我々が心残りなくお別れできるように心を砕いてくれる誠実な人ばかりである。しかし悲しいことに、大切な人を失って弱った心の隙間に付け込んで、1円でも多くの利益を得ようと企む業者も中には存在しているのだ。人生の最後にまつわる火葬場でのエピソード。今一度「生きること」や「命の尊さ」について考えてみるきっかけになるかもしれない。 下駄華緒/元火葬場職員。2018年、バンド「ぼくたちのいるところ。」のベーシストとしてユニバーサルミュージックよりデビュー。怪談最恐戦2019怪談最恐位。火葬場職員時代の経験を生かしたYouTubeチャンネル「火葬場奇談」が話題。Twitterアカウント⇒@geta_hanao蓮古田二郎/千葉県在住。二児の父。背景は妻が担当。主な著書に「しあわせ団地」(講談社)がある
心臓に疾患を抱えた人が胸に埋め込むペースメーカーだが、火葬すると轟音とともに爆発するため、亡くなった後にご遺体から取り除いてくれる病院もある。しかしその後の縫合が不十分だと、ご遺体から血が流れ出てしまうこともあるのだ。下駄華緒さんが勤める火葬場に運ばれてきてのも、そのようなご遺体だった。
しかし、血が流れ出てしまった原因はそれだけではない。なんと葬儀業者が、枢に入れるべきドライアイスを“ケチった”ことも理由の一つだという。
たいていの場合、枢には15kgほどのドライアイスを入れるという。もちろんご遺体を冷やして腐乱を防止するのが目的だが、同時にご遺体を凍結させて、死後に体内から体液が流れ出てしまうのを防ぐ意味もあるのだ。
『最期の火を灯す者 火葬場で働く僕の日常 (2) 』より
なんとそのご遺体から出血が止まらなかったのは、担当した葬儀業者が枢に入れるドライアイスを“ケチった”ためだったという。経費削減が目的だというが、ドライアイスの量を減らしても利益には大して影響がない。しかしこの業者の「手口」は、それだけではなかった。大型バスにたったの2人同じ葬儀業者がよく使うのが、「不必要な高額請求」という手口だ。「火葬場職員は、ご遺族様が乗っていらした車のサイズを見て準備を変更することがよくあります。たとえば大型バスでいらした場合、ご遺族様が大人数だと推測して追加で焼番台を用意するんです」(下駄さん)その日も下駄さんは駐車場に入ってくる大型バスを目にして、あらかじめ準備を変更しようとした。しかしそんな下駄さんを先輩職員が止める。『最期の火を灯す者 火葬場で働く僕の日常 (2) 』より よく見ると、数十人は乗れそうな大型バスから降りてきたのは、たった2人だけだったのだ。先輩職員によると、この手口は同じ葬儀業者の「常套手段」なのだという。参加者が数人の葬儀でも、不必要なほど大きなバスで火葬場まで送迎することで、わざと高額な車両代を遺族に請求しているのだ。『最期の火を灯す者 火葬場で働く僕の日常 (2) 』より故人との別れの場であるはずの葬儀。ほとんどの葬儀業者は、我々が心残りなくお別れできるように心を砕いてくれる誠実な人ばかりである。しかし悲しいことに、大切な人を失って弱った心の隙間に付け込んで、1円でも多くの利益を得ようと企む業者も中には存在しているのだ。人生の最後にまつわる火葬場でのエピソード。今一度「生きること」や「命の尊さ」について考えてみるきっかけになるかもしれない。 下駄華緒/元火葬場職員。2018年、バンド「ぼくたちのいるところ。」のベーシストとしてユニバーサルミュージックよりデビュー。怪談最恐戦2019怪談最恐位。火葬場職員時代の経験を生かしたYouTubeチャンネル「火葬場奇談」が話題。Twitterアカウント⇒@geta_hanao蓮古田二郎/千葉県在住。二児の父。背景は妻が担当。主な著書に「しあわせ団地」(講談社)がある
なんとそのご遺体から出血が止まらなかったのは、担当した葬儀業者が枢に入れるドライアイスを“ケチった”ためだったという。経費削減が目的だというが、ドライアイスの量を減らしても利益には大して影響がない。
しかしこの業者の「手口」は、それだけではなかった。
同じ葬儀業者がよく使うのが、「不必要な高額請求」という手口だ。
「火葬場職員は、ご遺族様が乗っていらした車のサイズを見て準備を変更することがよくあります。たとえば大型バスでいらした場合、ご遺族様が大人数だと推測して追加で焼番台を用意するんです」(下駄さん)
その日も下駄さんは駐車場に入ってくる大型バスを目にして、あらかじめ準備を変更しようとした。しかしそんな下駄さんを先輩職員が止める。
『最期の火を灯す者 火葬場で働く僕の日常 (2) 』より
よく見ると、数十人は乗れそうな大型バスから降りてきたのは、たった2人だけだったのだ。先輩職員によると、この手口は同じ葬儀業者の「常套手段」なのだという。参加者が数人の葬儀でも、不必要なほど大きなバスで火葬場まで送迎することで、わざと高額な車両代を遺族に請求しているのだ。『最期の火を灯す者 火葬場で働く僕の日常 (2) 』より故人との別れの場であるはずの葬儀。ほとんどの葬儀業者は、我々が心残りなくお別れできるように心を砕いてくれる誠実な人ばかりである。しかし悲しいことに、大切な人を失って弱った心の隙間に付け込んで、1円でも多くの利益を得ようと企む業者も中には存在しているのだ。人生の最後にまつわる火葬場でのエピソード。今一度「生きること」や「命の尊さ」について考えてみるきっかけになるかもしれない。 下駄華緒/元火葬場職員。2018年、バンド「ぼくたちのいるところ。」のベーシストとしてユニバーサルミュージックよりデビュー。怪談最恐戦2019怪談最恐位。火葬場職員時代の経験を生かしたYouTubeチャンネル「火葬場奇談」が話題。Twitterアカウント⇒@geta_hanao蓮古田二郎/千葉県在住。二児の父。背景は妻が担当。主な著書に「しあわせ団地」(講談社)がある
よく見ると、数十人は乗れそうな大型バスから降りてきたのは、たった2人だけだったのだ。
先輩職員によると、この手口は同じ葬儀業者の「常套手段」なのだという。参加者が数人の葬儀でも、不必要なほど大きなバスで火葬場まで送迎することで、わざと高額な車両代を遺族に請求しているのだ。
『最期の火を灯す者 火葬場で働く僕の日常 (2) 』より
故人との別れの場であるはずの葬儀。ほとんどの葬儀業者は、我々が心残りなくお別れできるように心を砕いてくれる誠実な人ばかりである。しかし悲しいことに、大切な人を失って弱った心の隙間に付け込んで、1円でも多くの利益を得ようと企む業者も中には存在しているのだ。
人生の最後にまつわる火葬場でのエピソード。今一度「生きること」や「命の尊さ」について考えてみるきっかけになるかもしれない。
下駄華緒/元火葬場職員。2018年、バンド「ぼくたちのいるところ。」のベーシストとしてユニバーサルミュージックよりデビュー。怪談最恐戦2019怪談最恐位。火葬場職員時代の経験を生かしたYouTubeチャンネル「火葬場奇談」が話題。Twitterアカウント⇒@geta_hanao蓮古田二郎/千葉県在住。二児の父。背景は妻が担当。主な著書に「しあわせ団地」(講談社)がある
下駄華緒/元火葬場職員。2018年、バンド「ぼくたちのいるところ。」のベーシストとしてユニバーサルミュージックよりデビュー。怪談最恐戦2019怪談最恐位。火葬場職員時代の経験を生かしたYouTubeチャンネル「火葬場奇談」が話題。Twitterアカウント⇒@geta_hanao
蓮古田二郎/千葉県在住。二児の父。背景は妻が担当。主な著書に「しあわせ団地」(講談社)がある

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