「トトロの森」でナラ枯れ広がる…あたかも季節外れの紅葉のように

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埼玉県と東京都にまたがる狭山丘陵の「トトロの森」で、ナラ枯れの被害が広がっている。
通常は緑色の葉が赤や黄色に染まり、季節外れの紅葉のような状態になっている。
ナラ枯れは、カシノナガキクイムシが媒介する菌によって、ナラなどの樹木が水を吸い上げる機能を失い、葉が変色して枯死してしまう伝染病。東北の日本海側などで見られていたが、近年は本州各地に広がり、被害が深刻化している。
同丘陵の森林を購入し、保全に取り組む公益財団法人「トトロのふるさと基金」(埼玉県所沢市)によると、トトロの森では2020年に61本が感染、21年には263本が感染して64本が枯死した。今年はさらに増加しているという。
被害は高齢樹を中心に広がっており、薪や炭を作るために樹齢を15年前後に抑えていた昔と違い、雑木林に高齢樹が増えたのが原因の一つと推測されている。
ナラ枯れが発生した森の周囲では、触れただけで皮膚がただれる猛毒キノコ「カエンタケ」も発生しやすくなるといい、同基金は虫を駆除するわなを設置したり、枯れた木の伐採をしたりして対策を続けている。

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