熊本市は8日、同市中央区の泰勝寺跡にある国指定史跡・熊本藩主細川家墓所で、文化財の「四つ御廟(ごびょう)」に液体がかけられた痕跡が見つかったと発表した。
市は人為的に汚された可能性が高いとして、熊本県警に被害届を提出する方針。
市によると、四つ御廟は、細川家の初代、藤孝夫婦と息子の忠興夫婦の計4人をまつる霊廟(れいびょう)。忠興の妻・ガラシャは、戦国武将・明智光秀の娘としても知られる。泰勝寺は細川家の菩提(ぼだい)寺で、立田自然公園内に跡がある。
公園の管理を請け負う団体が2日、四つ御廟を構成する4基の五輪塔(高さ約2・8メートル)の最下段に、やや赤い色をした液体の痕跡を確認した。液体の種類は不明で、水で洗浄したが除去できず、6日に市に連絡した。
五輪塔はそれぞれ木造の建屋内に設置されている。常時監視はしておらず、扉の鍵や監視カメラはないという。市文化財課は「比較的目立つため、発見した2日に近い日の行為と思われる」としている。文化庁や県に相談しながら、洗浄方法や再発防止策などを検討する。