けがや病気で衰弱している複数の小型犬を放置したとして、大阪府警は8日、犬の繁殖・販売業者「フィスドシェリー」(大阪府寝屋川市)のオーナー(57)を動物愛護法違反(虐待)容疑で逮捕した。
捜査関係者によると、オーナーは2016年6月~22年10月、寝屋川市の施設で飼育していたチワワやポメラニアンなどの小型犬計10匹について、足の脱臼や先天性の心臓病などがあるのに、動物病院での治療を十分に受けさせず放置した疑い。
この10匹はオーナーがいずれも飼育が困難になったとして動物愛護団体に引き渡していた。その後、死んだ犬もいたという。
オーナーは今月上旬、読売新聞の取材に「犬の買い手が減って経営は苦しかったが、食事や掃除をしっかりし、病院に連れて行っていた。(管理を怠って)死なせるようなことは絶対にしていない」と話した。
府警は、別の動物愛護団体から告発を受け、22年11月、同市と門真市の飼育施設を同法違反容疑で捜索。当時、計約400匹の小型犬が飼育されており、21年には施設で少なくとも40匹が死んでいた。
府動物愛護管理センターは、近隣住民の苦情を受け、施設を複数回調査し、適正に飼育するよう指導を繰り返していたという。
犬猫の飼育を巡っては、21年6月に施行された改正動物愛護法の省令で、飼育頭数の上限やゲージの広さなどを規定した数値規制が導入され、「多頭飼育」状態などの劣悪な環境でペットを飼育する悪質業者の取り締まりが強化されている。