明治時代に建てられ、国の登録有形文化財に指定されている南海本線・浜寺公園駅旧駅舎(堺市西区)を蹴って傷つけたとして、大阪府警西堺署は8日、堺市西区に住む16歳の男子高校生ら3人を建造物損壊容疑で逮捕した。
捜査関係者への取材でわかった。3人は容疑を認めている。
捜査関係者によると、3人は1月8日午前2時半~3時頃、旧駅舎の柱2本を蹴ったり殴ったりして損壊した疑い。柱を傷つける様子をスマートフォンで撮影していたという。
柱は一部がひび割れ、塗料がはがれた。所有する南海電鉄が修復作業を行う。
旧駅舎は1907年(明治40年)完成の木造平屋建ての洋風建築。赤い屋根が特徴的で、東京駅などを手がけた建築家辰野金吾の事務所が設計した。98年に国の登録有形文化財となり、2016年の営業終了まで私鉄では国内最古の現役駅舎だった。現在はカフェやギャラリーとして利用されている。近くに住む田中正史さん(87)は「地域の誇りの建物が傷つけられ、憤りを感じる」と話している。