旧型プリウスが被害全体の9割近くに…千葉で車のマフラー窃盗被害相次ぐ 背景に“レアメタル”高騰か

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トヨタのハイブリッド車「プリウス」から部品が盗まれる事件が相次いで発生しています。しかも、狙われているのは旧型のプリウスばかり。いったいなぜ?
「ちょっとふかしたらエンジンがバリバリバリバリって音がして」
千葉県内に住む男性(76)。去年11月、駐車場にとめていた旧型プリウスを走らせたところ、“異変”に気付きました。
旧型プリウスのマフラー盗難被害千葉県在住の男性「なんだこりゃと思って、慌ててブレーキかけ、止めてですね、エンジンルームを開けて見たけどエンジンは何ともないんですね」
実は、排気音を抑える役割などを担う車の「マフラー」が盗まれていたのです。
旧型プリウスのマフラー盗難被害千葉県在住の男性「悔しいです。もう古くなったから盗まれないだろうと思ってたら、2か月分の年金が吹っ飛びましたね」
千葉県内では去年、車のマフラーを狙った窃盗が前の年のおよそ16倍にあたる173件発生。このほとんど、151件が旧型のプリウスを狙ったものでした。
なぜ、あえて、古いはずの旧型の部品ばかりが狙われるのでしょうか。
背景にあるのが、希少金属=レアメタルの存在です。
マフラーには「触媒コンバーター」と呼ばれる排気ガスの有害物質を無害に変える装置も備わっていて、ここに、レアメタルの「パラジウム」などが使われています。
パラジウムの生産はロシアが世界シェアの4割以上を占めていて、ウクライナ情勢を受けてロシアからの供給が減り、市場価格が急騰しているのです。
ある捜査関係者は、“旧型プリウスには新型よりも多くの量のパラジウムが含まれるため、狙われやすいのではないか”と話します。
こうした「触媒コンバーター」を狙った窃盗被害は、世界でも。
こちらはイギリスのロンドン警視庁が公開した映像。捜査員が突入した犯罪組織の複数の拠点からは大量の「触媒コンバーター」が押収されました。
カー用品の販売や自動車整備を行う店の担当者は、「素人では盗むのは難しい」と話します。
スーパーオートバックス千葉長沼店若松亮人さん「ボルトが何本か取り付けをされてるんですが、なかなか見慣れてないとピンポイントでそこを狙ってというのは、やっぱり難しい部分もあるかと思います」
被害防止のためには「犯行をためらわせることが大切」だといいます。
スーパーオートバックス千葉長沼店若松亮人さん「盗難防止装置ついてますよ、みたいなセキュリティをつけていただいて、犯行に及ぶ人のちょっと一歩をためらわせる、というような対策が一番有効かと思いますね」
警察は、犯人らが買い取り業者に転売しているとみて捜査しています。

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