栃木県大田原市が、ふるさと納税の返礼品に「栃木ニコン」(同市実取)で製造されているデジタルカメラ用の高級レンズを採用したところ、約2か月で2976万7000円の寄付が集まった。
同市では「予想外の反応で驚いている。今後も地元産のいいものを返礼品として開発していきたい」(斎藤達朗総合政策部長)と期待を強めている。
栃木ニコンは光学機器メーカー大手・ニコンのグループ会社で、国内のレンズ製造の拠点となっている。返礼品のラインアップは、最も多くの寄付額が必要な713万4000円の800ミリの超望遠レンズから、93万4000円の14~24ミリ広角ズームレンズまで13種類。
このうち、昨年10月31日の開始から12月末までに、491万7000円の600ミリ超望遠レンズを最高に16件の寄付があった。
同市のふるさと納税の返礼品はこれまで和牛やコメなど農畜産物が中心で、昨年度の寄付総額は約2億1400万円と県内14市の中で9位だった。相馬憲一市長は財政再建の一助としてふるさと納税の寄付額アップに力を入れることを表明しており、栃木ニコンが返礼品提供に応じた。
現在は一時的に受け付けを中止しているが、ふるさと納税の各ポータルサイトで16日頃に再開予定という。
■鹿沼市はゴルフ場利用券
同県鹿沼市では、昨年12月からふるさと納税の返礼品に加えた「ゴルフ場利用券」が好調だ。ふるさと納税(寄付)専用の自動販売機の導入と、その場で返礼品を受け取れる手軽さが受け、わずか1か月の寄付額が800万円に上り、市の担当者は予想を超える「スコア」に驚いている。
鹿沼市内には13か所のゴルフ場があるため、市鹿沼営業戦略課は県外から訪れるゴルファーに着目。鹿沼地区ゴルフ場協議会とふるさと納税事業協力協定を結び、昨年12月から「鹿沼カントリー倶楽部」(鹿沼市藤江町)で自動販売機の運用を始めた。寄付額の3割に当たるゴルフ場利用券がその場で受け取れ、当日のプレー代などに使える。
市によると、運用開始1か月間で105件の利用があり、計809万円の寄付金が集まった。5万円の寄付が最も多いが、50万円、40万円も各1件あったという。
市の担当者は「年末の駆け込み需要もあるが、短期間の寄付額としては異例の多さ」と驚いている。