米ハーバード大名誉教授の岸義人氏死去、85歳…フグ毒などの天然有機化合物を人工合成

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複雑な天然有機化合物の人工合成を成し遂げた米ハーバード大名誉教授の岸義人(きし・よしと)氏が1月上旬、死去した。
関係者が明らかにした。85歳だった。
名古屋市生まれ。1966年に名古屋大で理学博士を取得し、名大助教授を経てハーバード大教授に就いた。フグ毒の「テトロドトキシン」や、サンゴの仲間イワスナギンチャクが持つ猛毒物質で人工合成は困難と考えられていた「パリトキシン」を、世界で初めて合成。卓越した合成技術を応用し、乳がん治療薬「エリブリン」を製薬大手エーザイと共同開発した。ノーベル化学賞の候補と目されていた。
99年恩賜賞・日本学士院賞、2001年文化功労者。10年から名大特別教授も務めていた。

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