「どうする家康」効果70億円 PV開催、城改修…鼻息荒い生誕地

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1月8日から放送が始まるNHK大河ドラマ「どうする家康」。人気グループ・嵐の松本潤さん演じる戦国武将、徳川家康の生誕地、愛知県岡崎市はドラマによる経済効果を約70億円と見込む。この1年を「家康イヤー」にしようと、市を挙げてPRに取り組む。
松潤&家康像、どう殻を破る 「どうする家康」ペリー荻野さんと探る見どころ 岡崎市の表玄関である名鉄東岡崎駅東口には、市民らの寄付で馬にまたがる家康像(高さ9・5メートル)が建つ。騎馬像としては日本最大級で、松平から徳川姓になった25歳当時の家康の姿がモチーフだ。地元で愛される家康だが、一方で「世間一般では家康と言えば静岡が有名。岡崎は全国的に知られていない」と課題を指摘する声もあった。

そこで市は大河ドラマ放送決定後の2021年4月、市の観光を担当する観光推進課とは別に、大河ドラマに特化した「『どうする家康』活用推進室」を設置(22年4月から課に昇格)し、ドラマを活用した各種イベントを企画してきた。 その一つが、岡崎市民会館で8日、出演者が一般参加者とドラマの初回放送を視聴するパブリックビューイング(PV)イベント。松本さんのほか、家康の正室、瀬名を演じる女優・有村架純さんらが駆けつける。一般参加募集には定員900人に対して、北海道から沖縄まで全国17万6593人の応募があり、倍率は約196倍に上った。 市内ではPVを2週連続で開催する。会場は徳川将軍家の菩提(ぼだい)寺である大樹寺。桶狭間の戦いで今川義元が討ち取られ、今川家の人質だった松平元康(後の家康)が命からがら逃げた寺として知られる。 自害を考えた家康を思いとどまらせたのが、同寺の13代住職・登誉上人(とうよしょうにん)で、ドラマでは里見浩太朗さんが演じる。15日のPVには64代住職の中村康雅さんらが参加する。 家康が生まれた岡崎城ではドラマ放送に合わせて1992年以来の大規模改装を実施している。1階から5階展望フロアまでを「過去の城郭・城下町」と「現在の岡崎」がつながるストーリーとして再構築。東海道の交通の要衝として栄えた岡崎の城下町のにぎわいを、ジオラマやAR(拡張現実)で疑似体験できる。 岡崎城のリニューアルオープンは21日。同日は、城近くの資料館「三河武士のやかた家康館」内に「どうする家康 岡崎 大河ドラマ館」も開館する。家康館にはドラマで出演者が着た衣装や小道具、出演者のサイン色紙を掲示し、メーキング映像なども流される。 他にも、大名に菓子を振る舞っていたとされる家康にちなみ、市内のお菓子店をまとめた冊子「家康公スイーツ」も刊行。市立中央図書館では5日から家康関連の書籍やパンフレットを集めたコーナーを設けた。歴史学者らによる講演イベントも多数用意している。 どうする課の担当者は「ドラマは市のプロモーションの一大チャンス。家康と言えば岡崎と言ってもらえるようPRしたい」と鼻息も荒い。中根康浩市長も「2023年の岡崎は『どうする家康』から始まる1年。全国の人に岡崎を知っていただく絶好の機会。ぜひ岡崎市に来てほしい」と期待を寄せる。【川瀬慎一朗】岡崎市と家康 愛知県岡崎市は名古屋市から電車で約30分に位置する県東部、西三河地区の中心地。江戸時代には5万石の城下町として栄えた。日本三大東照宮とされる滝山東照宮や徳川将軍家菩提寺の大樹寺、家康が幼少期に学んだとされる法蔵寺など、家康ゆかりのスポットが多数存在する。 家康は天文11(1542)年12月26日、現在の岡崎公園内にある岡崎城で誕生。6歳で織田信秀(信長の父)、8歳で今川義元の人質となり少年期は他国で過ごした。1560年の桶狭間の戦いで義元が信長に敗れると19歳で再び岡崎城へ帰還。1570年に浜松城(浜松市)に本拠地を移すまでの約10年間を岡崎城で過ごした。岡崎城は明治初期に取り壊され、現在の天守は1959年に復興された。
岡崎市の表玄関である名鉄東岡崎駅東口には、市民らの寄付で馬にまたがる家康像(高さ9・5メートル)が建つ。騎馬像としては日本最大級で、松平から徳川姓になった25歳当時の家康の姿がモチーフだ。地元で愛される家康だが、一方で「世間一般では家康と言えば静岡が有名。岡崎は全国的に知られていない」と課題を指摘する声もあった。
そこで市は大河ドラマ放送決定後の2021年4月、市の観光を担当する観光推進課とは別に、大河ドラマに特化した「『どうする家康』活用推進室」を設置(22年4月から課に昇格)し、ドラマを活用した各種イベントを企画してきた。
その一つが、岡崎市民会館で8日、出演者が一般参加者とドラマの初回放送を視聴するパブリックビューイング(PV)イベント。松本さんのほか、家康の正室、瀬名を演じる女優・有村架純さんらが駆けつける。一般参加募集には定員900人に対して、北海道から沖縄まで全国17万6593人の応募があり、倍率は約196倍に上った。
市内ではPVを2週連続で開催する。会場は徳川将軍家の菩提(ぼだい)寺である大樹寺。桶狭間の戦いで今川義元が討ち取られ、今川家の人質だった松平元康(後の家康)が命からがら逃げた寺として知られる。
自害を考えた家康を思いとどまらせたのが、同寺の13代住職・登誉上人(とうよしょうにん)で、ドラマでは里見浩太朗さんが演じる。15日のPVには64代住職の中村康雅さんらが参加する。
家康が生まれた岡崎城ではドラマ放送に合わせて1992年以来の大規模改装を実施している。1階から5階展望フロアまでを「過去の城郭・城下町」と「現在の岡崎」がつながるストーリーとして再構築。東海道の交通の要衝として栄えた岡崎の城下町のにぎわいを、ジオラマやAR(拡張現実)で疑似体験できる。
岡崎城のリニューアルオープンは21日。同日は、城近くの資料館「三河武士のやかた家康館」内に「どうする家康 岡崎 大河ドラマ館」も開館する。家康館にはドラマで出演者が着た衣装や小道具、出演者のサイン色紙を掲示し、メーキング映像なども流される。
他にも、大名に菓子を振る舞っていたとされる家康にちなみ、市内のお菓子店をまとめた冊子「家康公スイーツ」も刊行。市立中央図書館では5日から家康関連の書籍やパンフレットを集めたコーナーを設けた。歴史学者らによる講演イベントも多数用意している。
どうする課の担当者は「ドラマは市のプロモーションの一大チャンス。家康と言えば岡崎と言ってもらえるようPRしたい」と鼻息も荒い。中根康浩市長も「2023年の岡崎は『どうする家康』から始まる1年。全国の人に岡崎を知っていただく絶好の機会。ぜひ岡崎市に来てほしい」と期待を寄せる。【川瀬慎一朗】
岡崎市と家康
愛知県岡崎市は名古屋市から電車で約30分に位置する県東部、西三河地区の中心地。江戸時代には5万石の城下町として栄えた。日本三大東照宮とされる滝山東照宮や徳川将軍家菩提寺の大樹寺、家康が幼少期に学んだとされる法蔵寺など、家康ゆかりのスポットが多数存在する。
家康は天文11(1542)年12月26日、現在の岡崎公園内にある岡崎城で誕生。6歳で織田信秀(信長の父)、8歳で今川義元の人質となり少年期は他国で過ごした。1560年の桶狭間の戦いで義元が信長に敗れると19歳で再び岡崎城へ帰還。1570年に浜松城(浜松市)に本拠地を移すまでの約10年間を岡崎城で過ごした。岡崎城は明治初期に取り壊され、現在の天守は1959年に復興された。

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