さいたま市桜区のマンションで4月14日、住人で高校1年の女子生徒(15)が刺殺された事件で、殺人の疑いで逮捕された谷内寛幸容疑者(25)が「通行人を装って歩き回り、殺害する女性を探した」という供述を始めたことが、埼玉県警への取材でわかった。
面識のない女子生徒を事件直前に見つけて襲ったとみて、県警は調べている。
事件は14日夜に発生。谷内容疑者はマンション入り口で女子生徒を刃物で切りつけるなどし、殺害した疑いで逮捕された。県警が防犯カメラの映像を調べたところ、谷内容疑者は事件前に約500メートル離れた建設会社の寮を出て、1時間半ほど周囲を徘徊(はいかい)していた。
県警幹部によると、谷内容疑者は逮捕後、雑談には応じるものの、事件について黙秘していたが、「制服を着た女子高校生を包丁で殺した」と容疑を認めた。事件を起こした理由については「虐待を受け、性格がゆがんだ。自分は社会の底辺にいる」といった趣旨の話をしているという。
谷内容疑者の着衣や現場で見つかった包丁に付いた血などを鑑定した結果、谷内容疑者と女子生徒のものとみられるDNA型が検出された。
さいたま地検は30日、谷内容疑者の刑事責任能力の有無を調べるため、約3か月の鑑定留置を始めた。